投資環境
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■世界金融危機と大洪水を経て
■ GDP と経済成長率
タイは、幾度とない困難な状況に直面しつつも、20世紀後半から21世紀にかけて長期にわたり経済成長を遂げてきた国です。1997年にタイを震源としたアジア通貨危機のために、1998年のGDP成長率はマイナス10%にまで落ち込みましたが、翌1999年には4.4%に持ち直しています。2006年以降の政情不安定な時期においても、年率数パーセントの成長率を維持してきました。また、2009年には世界金融危機の影響を受けて2.3%のマイナス成長となりましたが、翌年には7.8%とV字回復を果たしています。
そして、2011年は、上期には東日本大震災の影響による日本からの部品供給が滞り、製造業の稼働率が低下するといった事態が起き、下期には、チャオプラヤ川の大洪水が起き、アユタヤからバンコクまでの広大な地域が甚大な被害を受けました。この大洪水で、電気・電子機器や自動車産業など多くの日系企業が集積するアユタヤ周辺のサハ・ラタナナコン工業団地やロジャナエ工業団地から、バンコクに近いバンカディ工業地帯まで、7つの工業地帯が浸水し、日系企業449社を含む804社が浸水しました。
世界銀行の試算によると、洪水による被害額・損失額合計は1兆4,250億バーツにも上り、東日本大震災、阪神・淡路大震災、アメリカのハリケーン・カトリーナなどに次ぐ規模とされています。特に製造業や農業は大きな打撃を受けました。これらの影響で2011年の成長率は0.1%、すなわちほぼゼロ成長でした。
しかし、洪水がおさまったのち、懸命の排水と復旧作業により生産は着実に回復を始めました。元々洪水氾濫地帯に、工業団地が立地していたというリスクを分散すべく、この地域での稼働率を見直す企業もあり、負の側面が払拭されたわけではありませんが、一応の収拾がついたものと言えるでしょう。
タイ経済は、全体的には復調ぶりを見せており、たとえば、主要産業である自動車産業は、2012年3月に生産台数の過去最高を記録し、その後も好調を維持しています。欧州財政危機や、中国経済の減速など、複数のマイナス要因がからんだ状況ながらも、タイ経済は堅調との見方が大勢です。2014年は政治的混乱によって景気の低迷や投資認可手続の遅れが生じ、実質GDP成長率は0.81%となり、2013年の2.71%を下回りました。しかし、タイ国家経済社会開発庁(NESDB)によると2015年は世界経済の回復に伴い、輸出の増加などでGDP成長率は2.82%まで上昇しました。
2016年のタイ経済は実質GDP成長率が3.24%と緩やかな回復にとどまりました。世界経済の減速などを背景に財の輸出が伸び悩み、また輸出の停滞や設備の過剰感から民間投資が減少、民間最終消費支出も力強さに欠けるものとなりました。一方、政府の景気刺激策による公共投資および政府最終消費支出はGDPのプラスに寄与しました。
なお、国家経済社会開発委員会(NESDB)は2016年の成長率を3.24%と発表。2017年は2016年に承認された新憲法に基づき、タイでは選挙制度や政治機構の改革が進められました。政府は2018年に選挙を実施すると発表し、民主的プロセスへの移行を目指しましたが、選挙の日程はしばしば遅延しました。一方で、プミポン国王の崩御後、新しい国王であるワチラロンコンの正式な即位が行われ、政治的安定の象徴としての役割を果たしました。経済面では、成長率が約3.9%に改善されました。この成長は、輸出の回復と観光業の持続的な成長によるものでした。また、政府によるインフラ投資の支援や、東部経済回廊(EEC)プロジェクトの進展が経済成長を後押ししました。農業部門でも改善が見られ、特に米の生産量が増加しました。
2018年以降、米中貿易戦争の影響を受けたが、輸出と観光業が主な原動力となり経済成長率は約4.1%に達したが、翌2019年は輸出減少と世界経済の減速により観光客の同化はあったものの経済成長率は約2.4%に鈍化しました。
2020年には全世界に広まったコロナの影響により2020年のGDPは約6.1%縮小しましたが、2021年には徐々に回復し、経済成長率は約1.6%に達しました。観光業が低迷する中、政府は「サンドボックス」計画を導入して観光客の受け入れを再開し、経済の活性化を図りました。
政治的には、パンデミック中に浮上した若者主導の民主化運動が続き、政府の強硬な取り締まりが国際的な批判を招きました。特に、不敬罪に対する反発が強まり、政府に対する不満が高まりました。2022年には、経済成長率が約2.8%に上昇し、米中貿易戦争の影響が和らぐ中で、輸出が徐々に回復しました。
政府はインフラ投資を強化し、特に東部経済回廊(EEC)プロジェクトを推進し、デジタル経済の成長を目指しました。2023年に入ると、観光業はパンデミック前の水準に近づき、経済成長率は約3.5%に達しました。政府は気候変動対策にも注力し、再生可能エネルギーの導入を進めました。
2024年のタイは、政治と経済が緊密に結びつきながら進展しています。政治面では、2023年の選挙を経て新政府が誕生し、選挙制度の改善と政治の透明性向上を目指しています。市民の政治参加を促すために、オープンフォーラムやタウンホールミーティングが活発に開催され、国民の声を政策に反映する取り組みが進められています。
経済面では、観光業の回復が続き、2024年のGDP成長率は4.0%に達する見込みです。政府はインフラ投資を強化し、特に交通網の拡充とデジタル経済の促進に注力しています。さらに、製造業の競争力を高めるための改革や再生可能エネルギーへの移行も積極的に進められています。
政治的には、不敬罪の見直しが進行し、表現の自由の拡大が求められています。外交面では、ASEAN諸国との協力を強化し、地域の経済的結びつきを深める努力が続き、国際的な信頼を高めています。これにより、タイは持続可能な経済成長と政治の安定を同時に追求し、国際社会での地位をさらに高めることを目指しています。
タイ経済は、国内の成長戦略と国際的な情勢の影響を受けつつ、今後も前進を続ける見込みです。観光業の回復は依然として重要であり、中国や欧米からの観光客の増加が期待され、GDP成長を支えます。政府は交通インフラの拡充とデジタル経済の推進に注力し、これが新たなビジネスチャンスを生み出すと予想されます。
製造業では電気自動車(EV)産業への投資が増加し、輸出の強化につながります。再生可能エネルギーへのシフトも進み、環境持続可能性を高めます。ASEAN諸国との経済的結びつきが強化され、地域の経済ハブとしての立場を強化しています。
しかし、世界経済の不確実性や地政学的リスクが懸念され、特に米中貿易摩擦やエネルギー価格の変動が影響を及ぼす可能性があります。日系企業についてもタイの最新の動向を踏まえたうえで、東南アジアのハブとしての機能を高めている傾向があり、また、今後もタイ国内の情勢に応じたビジネスの転換していく必要があります。
【タイのインフレ率】
■ 国内マーケットの拡大とインフレ懸念
タイ一人当たりのGDPは、この10年で3倍近くにもなりました。個人消費は大きく伸び、国内マーケットは着実に拡大しています。
2009年世界金融危機以降も、タイ経済は拡大基調にあり、大洪水の影響を残しつつも、国内需要は大幅な伸びを示しています。
引き上げられ、1日330~370バーツとなったこと、2011年の大洪水以降に食料品などの生活必需品が10%レベルで上昇していることなどから、政府は内需の拡大とインフレ懸念のバランスに対する慎重な判断が求められるところです。
出所IMF
一方で、タイの国内マーケットは、近年の経済政策や国際貿易の強化により拡大を続けています。この成長は、主に観光業の回復や製造業の強化に起因しています。観光業はパンデミックからの回復とともに国内消費を増加させ、政府はインフラの発展やデジタル経済の推進を通じてさらなる市場拡大を図っています。特にASEAN諸国との経済統合が地域内貿易を促進し、タイ国内の企業は輸出だけでなく、拡大する国内市場でも成長の機会を得ています。
消費者物価指数(CPI)は、経済成長に伴い上昇傾向にあります。CPIの上昇は消費者の購買力に直接的な影響を及ぼし、特に食品やエネルギー価格の上昇がCPIに大きな影響を与えています。インフレ率が上昇すると、生活費が増加し、消費者の購買力が減少する可能性があります。
一人当たりGDPは、IMFのデータによれば、2025年のタイの一人当たりGDPは7,766.70米ドルと推定されており、これは世界の平均を下回るものの、地域内では標準的な水準です。
世界経済の動向もタイのインフレに影響を与えており、国際的なエネルギー価格の変動や供給チェーンの混乱は、タイの輸入品価格に影響を及ぼし、国内のインフレ率を押し上げる可能性があります。特に、エネルギー価格の上昇は、CPIの上昇を加速させる要因となりえます。
タイ政府は、インフレの影響を緩和するための政策を講じています。中央銀行は金利政策を通じてインフレ率を管理し、安定的な経済環境を維持しようとしています。また、政府は生活必需品の価格管理や特定商品への補助金制度を通じて、消費者の負担を軽減する努力をしています。さらに、再生可能エネルギーの推進や国内生産の強化を通じて、外部要因による価格変動の影響を最小限に抑える努力も行われています。
■安定した財政状況と今後の課題
財政収支は比較的健全な状態を保っています。2003年度から2008年度まで財政黒字となっており、2009年度には世界金融危機に対応する景気刺激策のための財政出動により赤字額が2,800億バーツ、対GDP比3.18%となりましたが、刺激策が功を奏して2010年、2011年と歳入を伸ばしました。その結果、財政収支のマイナスは2009年に比べると少なくなりました。
しかし、この時期財政悪化を警戒する声も聞かれ、背景の1つは、2011年10月に起きた大洪水による製造業の稼働率の低下、欧州財政危機を中心とした世界経済停滞による輸出産業の伸び悩みなどによる税収の減少です。また、洪水の復旧作業だけでなく、誘致国への信頼回復のための中長期的な治水事業の見直しに、総予算3,500億バーツを費やしました。個人消費の基調の底堅さや政府・中央銀行の対応もあり、景気は回復に転じました。2013年度に財政収支は持ち直しましたが、2014年は再び財政収支が悪化したため、政府は2015年後半に内需向け景気対策を相次いで発表(総額で名目GDP比3%規模)、2016年に内需強化のための補正予算(同0.4%)を可決しました。当面財政からの景気下支えが期待できます。
2017年には、収入が2.3兆バーツに増え、赤字は3700億バーツに減少しました。観光業の回復とともに、インフラプロジェクトを推進し、持続可能な成長を優先しました。2018年、収入は2.5兆バーツに達し、赤字は3500億バーツに縮小。東部経済回廊(EEC)プロジェクトが地域経済の発展を促進しました。
2019年、収入は2.6兆バーツに増え、赤字は3400億バーツに減少。貿易摩擦の中、公共投資を継続。2020年、COVID-19パンデミックの影響で収入は2.4兆バーツに減少し、赤字は6000億バーツに拡大。観光業の低迷が税収に影響し、緊急経済刺激策が実施されました。
2021年、収入は2.5兆バーツに回復しましたが、赤字は5700億バーツ。政府は観光業の回復を支援しました。2022年、収入は2.7兆バーツに増え、赤字は5000億バーツに減少。デジタル経済の推進が進みました。
2023年、収入は2.9兆バーツに達し、赤字は4500億バーツに縮小。教育や医療への投資を強化。2024年、収入は3.1兆バーツに達し、赤字は4000億バーツに。インフラ投資を重視し、再生可能エネルギーを推進しました。
このように、タイはパンデミックからの回復と経済の安定化を図り、財政赤字の縮小を進めています。政府は観光業や製造業の回復を支え、持続可能な成長を目指しています。
徹底した自由貿易を進めるタイ
■貿易自由化とタイの産業競争力
ASEAN(東南アジア諸国連合)の各国とタイが進めてきた貿易自由化は、タイの産業競争力向上に大きな効果をもたらしてきました。
1990年代よりASEAN域内において、同一自動車ブランドの部品への関税免除(BBC:Brand to Brand Complementation)、
同一 企業にまで対象を拡大したASEAN工業協力計画(AICO:ASEAN Industrial Cooperation)、
広く製品一般の関税削減を目指した AFTA-CEPT(共通効果特恵関税)、そしてATIGA(ASEAN物品貿易 協定)へと、段階的かつ積極的に自由化が進められてきました。
これらの自由化で最も大きな利益を受けたのが、部品点数が極めて多い自動車産業です。
特に、自動車産業が集積しているタイに進出していた 外資系の自動車関連企業には大きなメリットとなりました。
また、中国のWTO加盟による優位性に対してタイ政府は、インドとの自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)を推進し、
アー リーハーベスト(協定批准前に関税の減免を適用するプログラム)を 適用しています。
すでにインド向けのディーゼルエンジンなどの中核 部品の製造業の育成をしています。
人口増加、所得向上、中間層の増加により、マーケット規模の一層の拡大が期待されるインドとの新たな太い貿易のパイプ形成が進んでいます。
また、民主化を実現したミャンマーとの政治的なパイプも太く、有 望な投資先かつ貿易相手国となることが期待されます。
このように、この地域における緊密化推進の立役者としてのタイの役割は極めて大きく、
人口規模が中国と拮抗する東アジアから南アジ アにかけての経済取引のハブとして重要な地位を占めるに至りました。
タイ政府はASEAN域外の貿易自由化にも積極的で、特に2001年に発足したタクシン政権は強力にFTAを推進しました。
バーレーン (2002年12月調印)、日本(2007年4月調印)、オーストラリア (2004年7月調印)、ニュージーランド(2005年4月調印)、
インド (2003年10月調印)、ペルー(2009年11月調印)、チリ(2013 年10月調印)の7カ国とのFTAの締結を実現しています。
その他、 パキスタン、トルコとFTA交渉中、アメリカ、EU、EFTA(欧州自 由貿易連合)と交渉中断中となっています。
また、タイの加盟してい るASEANは韓国、中国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、 インドとのFTAを締結しています。
貿易の活性化に伴い、2000年代には貿易収支はおしなべて黒字基調で推移するようになりました。
かつて、貿易収支の悪化がきっかけで、タイバーツが下落し、対外債務不履行等の通貨危機の引き金を引いた1997年のアジア通貨危機当時に比べると、
強固な貿易体質へと変貌を遂げたことは確かです。2012年は、洪水被害からの復興を遂げたものの最大の輸出相手国である中国経済の低迷により、
輸出額は 前年比2.3%増と伸び率は鈍化しました。 一方で、2013年5月にEUとのFTA交渉を皮切りに、国際社会の中でより有利な立場になれるよう、
貿易自由化を進めていく方針です。 タクシン政権時代には、輸出先の多様化と貿易収支の更なる安定化を図るべく、米国や欧州との自由化交渉も試みてきましたが、
国内政 治の混乱により交渉が滞っていました。 2006年のクーデター後、事実上中断していたアメリカとの交渉は 2011年に、必要に応じ二国間協議を実施することに合意しました。
2013年8月にタイとEFTAとの交渉枠組みが承認され、国会に提出 されました。同年10月に国会承認を受けましたが、2014年5月に 生じたクーデターにより交渉中断中です。
■ 国別に見たタイの貿易
タイの輸入は中国が1位であり、2位に日本、3位にアメリカ (2015年)となっています。
一方、タイの輸出動向は、トップグループの中国・日本・アメリカ とそれを追いかけるタイ周辺諸国の2つのグループに分けられます。
上位3カ国への輸出額は、アメリカのみ増加傾向となっており、日本 と中国は減少傾向にあります。
また、タイ周辺国へも順調に輸出額を増加させています。
タイは、充実したインフラのもと、アジア地域の隣国を筆頭に世界各国との貿易円滑化を促し、地域の持続可能な成長を国家戦略として推し進めています。
その結果、タイは「アセアン経済の要」とまでいわれるような成長 を遂げ、海外貿易における地域の中心地としての地位をより一層確固たるものにしています。
このような戦略のもと、タイ周辺諸国への輸 出額は、上位3カ国を追い上げ、その差を縮めています。
最後に、対日貿易の輸出入品目の内訳(ドルベース/2015年、日 本税関)についてですが、
日本からは、機械・同部品、鉄・鉄鋼、自 動車部品等が主要な輸出品目となっています。
一方、タイからの輸入品目は、伝統的には食料品(冷凍エビ、鶏 肉、砂糖等)、原料品等でしたが、
最近では原油、機械部品、コンピ ュータ部品、アクセサリー等の増加も目立っています。天然ゴム、自動車・同部品、コンピュータ・同部品等が主要な品目です。
タイの製造業は、製造部品等を日本からの輸入に依存している部分 も大きく、恒常的な日本の貿易黒字に繋がっています。
タイの対日貿易の推移は次のグラフが示すとおりです。
産業別動向
■ 変化を遂げたタイの産業構造
タイの産業構造は、1950年代には農林水産業などの第1次産業が大きく、その後、製造業などの第2次産業が飛躍的に大きくなりました。
特に、1980年代後半には、日本など海外からの投資が増加し、急速に工業化が進みました。
以下の表は、タイの主な輸出品目の推移です。1990年には一次産 品や労働集約型工業の生産品が上位を占めていましたが、
2014年には高付加価値の工業産品が多く輸出されていることが分かります。
■ 存在感を増すタイの自動車産業
タイは東南アジアで最大の自動車生産国で、「アジアのデトロイト」 と呼ばれることもあります。
タイにおける自動車産業は、非常に部品点数の多い自動車産業を支えるサプライヤーの裾野が広く、タイの強みの一つと言えるでしょう。
2011年の東日本大震災で東北地方に立地する自動車部品のサプライチェーンが打撃を受けたことを踏まえて、
日本の自動車メーカーからは、タイの自動車部品製造能力の高さに対して、より一層注目が集まっています。
次のグラフは2010年以降のタイの自動車生産台数と販売台数、輸出台数を示したものです。
1998年のアジア通貨危機でいったん落ち込んでいたタイの自動車生産は、その後は順調に生産台数を増やし、2005年には年間100万台の大台を超えました。
世界金融危機の影響で2009年には99万台に落ち込みましたが、翌年にはV字回復して164万台、
2011年には東日本大震災の影響と大洪水のために145万台と落ち込みましたが、洪水の収拾とともに復活に向かい、
2012年には年間生産台数約246万台で、前年比68%増となりました。
また、タイ政府が2011年10月から2012年12月まで導入し た「自動車購入支援策(ファーストカーバイヤー制度)」が功を奏し
2012年の自動車国内販売台数は過去最高となりました。
しかし政策終了後はその勢いをなくし、2014年には4年ぶりに国 内販売台数が輸出台数を下回りました。
タイは輸出比率の非常に高い国ですが、特に自動車は輸出比率が高 く、2007年以降は約半数が輸出となっています。
従来から、アジア やオセアニアの生産・輸出拠点となっていたタイですが、
中近東やあらたに関係構築してきたインドなどの有望マーケットへの生産拠点としても年々その存在感を増しています。
タイは2013年時点で世界第9位の自動車生産国になっており、2014年は188万台を生産し、うち112万台を150カ国に輸出しています。
タイ政府としては2017年までに300万台生産することを目標としているといわれています。
他の新興国の例にならえば、一 人当たりのGDPが5,000USドルくらいになると、乗用車が急速に普及するといわれています。
タイの一人当たりのGDPは、すでに 2011年には5,115USドルになっており、2012年に5,390USドル、 2013年には5,674USドルまで伸びました。
今後は国内マーケットの拡大にも期待が広がります。
■ タイの電子産業
タイでは日系企業の自動車・部品関連の産業集積が進んでおり、エレクトロニクス産業分野において日本による投資が牽引してきました。
最近はタイの投資環境の変化を受け、新規投資は低調ですが、日本 からの電子機械のASEAN向け投資では、依然タイが最大となっています。
2011年の洪水後も、エアコンや冷蔵庫、自動車などは生産が堅調です。
これは、エアコンや冷蔵庫はこれまで域内の生産拠点がタ イに集積・集約されてきたことによります。
自動車については、同産業を中心に現地調達ニーズが高まったことで集積が厚くなりました。
特に自動車では電装化が進むことで、今後もエレクトロニクス関連部品産業の集積が一層進むとみられます。
投資環境
■2023年のビジネス環境
世界銀行と国際金融公社(IFC)が発表する「Doing Business(ビジネス環境の現状)」をもとにして世界からのタイへの評価を見ることができるが、「Doing Business」ランキングの最新の正式な発表は2020年版までとなっております。2021年以降のランキングは、データの不正確さや不正行為に関する問題が発覚したため、世界銀行によって中止されました。
2020年の「Doing Business」ランキングにおいて、タイは世界全体で21位にランクインしました。このランキングは、ビジネスのしやすさを評価するための10の主要な指標に基づいています。タイの各指標での評価は以下の通りです。各評価ポイントは以下であり、ビジネス環境の多くの側面で良好な評価を受けており、投資家にとって魅力的な市場とされています。
1. 企業設立
タイは企業設立の手続きが比較的迅速であり、オンラインの申請システムが整備されています。これにより、新規企業が市場に参入しやすい環境が整っています。
2. 建設許可の取得
建設許可の取得に関する手続きは効率的で、地方自治体による規制が明確化されています。これにより、建設関連のプロジェクトがスムーズに進行することが可能です。
3. 電力供給の確保
電力供給は安定しており、企業が容易に電力を利用できる環境が整っています。再生可能エネルギーの導入も進められており、持続可能なエネルギー利用が促進されています。
4. 財産登録
不動産登記のプロセスは効率化され、短期間で完了することが可能です。政府はこの手続きの透明性を高めるため、デジタル化を推進しています。
5. 融資の取得
金融市場が成熟しており、企業は多様な融資オプションを利用できます。中小企業向けの融資支援が充実しており、金融アクセスの向上が図られています。
6. 投資家保護
タイは投資家保護の枠組みを強化しており、企業の透明性や情報開示の義務が厳格化されています。これにより、投資家は安心して資本を投入することができます。
7. 税金の支払い
税制は競争力があり、企業にとって有利な税率が提供されています。税務手続きはオンラインで行うことができ、手続きの簡素化が進められています。
8. 国際貿易
国際貿易においては、自由貿易協定を活用し、通関手続きの効率化が進められています。これにより、輸出入にかかる時間とコストが削減されています。
9. 契約の履行
契約履行に関する法制度が整備されており、司法の独立性と効率性が企業間の紛争解決を円滑に進めます。
10. 破産処理
破産法は企業の再建を支援するように設計され、企業は効率的に再編成を行うことができます。透明性と迅速さが投資家にとって安心材料となっています。
■日系製造業企業の海外事業展開の動向
国際協力銀行(JBIC)が発表した2023年版「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」に関する調査結果は、日本の製造業企業が直面する海外事業展開の現況と課題、今後の展望を明らかにしています。この調査は987社を対象に行われ、534社から有効回答を得ており、特に地政学的リスクへの対応が企業戦略の重要な課題として浮上しています。
有望な事業展開先国の変遷
調査結果によれば、インドが最も有望な事業展開先として評価されており、幅広い産業からの支持を得ています。ベトナムも2位に上昇し、中国の代替地としての期待が高まっています。一方、中国は米中対立の長期化や経済の減速により順位を下げ、地政学的リスクや規制の課題が影響しています。
地政学的リスクと供給チェーン戦略の再考
米中対立の長期化、ロシアのウクライナ侵攻、そして中国経済の減速が、企業の海外事業展開に大きな影響を及ぼしています。これを受けて、多くの企業が中国依存を見直し、供給チェーン戦略の再考を進めていることが明らかになりました。国内投資の強化、地政学的リスクの高まりを背景に、企業は国内投資を強化し、リスク分散と国内生産の強化を図っています。これにより、国内市場における競争力を高めることが期待されています。
タイにおける展開と評価
タイは依然として東南アジアの製造業拠点として重要な位置を占めており、自動車産業や電子部品製造など、多くの日本企業が拠点を置いています。安定した政治環境と比較的安価な労働力により、製造業にとって魅力的な投資先となっています。しかし、労働力の質の向上やインフラのさらなる整備が課題として認識されています。地政学的リスクの中で、タイは供給チェーンの再編における重要な拠点として位置付けられています。
現地マーケットの今後の成長性 | 78社 | 56.5% |
現地マーケットの現状規模 | 52社 | 37.7% |
第三国輸出拠点として | 38社 | 27.5% |
安価な労働力 | 36社 | 26.1% |
組立メーカーへの供給拠点として | 33社 | 23.9% |
産業集積がある | 33社 | 23.9% |
ただし、リスク分散傾向の潮流の中で、他のアジアの新興国にも事業展開の目が向けられた結果、日本の製造業企業のタイ以外の国への投資を誘引してはおり、得票率は2013年以降低下に転じているものの、タイの投資先としての魅力は依然として高いと考えることができます。
■ 直接金融(株式)市場
タイ証券取引所(SET)は、タイ唯一の証券取引所で、バンコクのクローントゥーイ区にあります。タイ国証券取引法(SEA:The Securities and Exchange Act of 1992)に基づき、1974年に設立されました。
市場としては、東証一部に該当する「メインボード」とマザーズに該当する「オルタナティブ投資市場(MAI:Market for Alternative Investment)」があり、MAIを含むSETへの上場企業数は2023年1月時点で、合計878社です。
次のグラフは、近年のSET INDEXの推移です。SET INDEXとは、メインボードに上場する全銘柄が対象の時価総額加重平均型株価指数で、1975年4月30日の指数を100として新規上場および上場廃止をそのつど調整し算出されます。
2015年から2019年は安定した成長期として、タイ経済は成長を示し、SETも堅調な動きを維持しました。観光業や製造業の成長が市場を支え、外国直接投資(FDI)の増加も見られました。しかし、政治的不安定さが時折市場に影響を与えることがあり、投資家の心理に微妙な変化をもたらしました。
2020年から2021年のコロナウイルスの影響により、タイの経済とSETに深刻な影響を与えました。特に観光業が大打撃を受け、製造業もサプライチェーンの混乱に直面し、SET指数は急落し、投資家心理も冷え込みました。政府の経済刺激策や金融緩和政策が導入され、2021年には徐々に回復の兆しを見せました。
回復の兆しがありましたが、2022年以降はウクライナ情勢の影響を受け、エネルギー価格の高騰や供給チェーンのさらなる混乱を引き起こし、タイのエネルギー関連株や輸出企業は大きな影響を受けました。一方で、観光業はコロナ後の回復を続け、外国人観光客の増加が業績を押し上げました。
■ 外国直接投資(FDI)
1997年以前、バーツがUSドルにほぼ固定されていた為替市場に、海外で調達された資金が流入し、不動産バブルと言えるような環境が生じました。このような動きに、タイ政府は1997年7月、バーツの変動相場制を導入しましたが、アジア通貨危機を招くことになりました。その結果、1999年まで投資額の減少が続くこととなります。
タイ政府は、IMFおよび日本をはじめとする国際社会の支援を受け、不良債権処理など構造改革を含む経済再建に尽力し、財政政策を含む景気対策を行い、2000年からは投資額の増加に転換します。
さらに2001年2月に発足したタクシン政権が、従来の輸出主導に加えて国内需要も経済の牽引力とすることを訴え、農村や中小企業の振興策を打ち出し(「デュアル・トラック・ポリシー」)、投資を誘引しました。安定的な政治・経済運営やFTA推進に代表される対外経済関係拡大への期待がさらなる投資を呼び込み、リーマン・ショックが起きた2008年前半まで、順調に外国直接投資が増加していきました。
タイは東南アジア諸国の中でもリーマン・ショックの影響が大きく、2008年のFDI認可額(BOI統計)は前年比3割減の3,511億バーツ(838件)、2009年はさらに6割減の1,420億バーツ(614件)となり、アジア通貨危機後の1999年に匹敵する水準まで減少しました。しかし、世界金融危機による影響が一段落した2011年は2,784億バーツ(904件)まで回復し、2012年には5,489億バーツ(1,357件)と倍増しましたが、その後2014年には4,835億バーツ(912件)と再度減少傾向にあります。
2015年以降、FDIの発行数と投資額は政治的安定や経済政策の影響を受けながら変動してきました。2015年にはFDI発行数が約1,100件、投資額は約6.7兆バーツ(約2,000億米ドル)で、これは軍事政権による政治的安定と「タイランド4.0」政策の導入がFDIの流入を促進した結果です。続く2016年にはFDI発行数が約1,200件、投資額も約6.9兆バーツ(約2,100億米ドル)に増加し、ASEAN諸国との経済連携が強化されました。
さらに2017年にはFDI発行数が約1,500件、投資額は約7.2兆バーツ(約2,200億米ドル)に達し、これは東部経済回廊(EEC)プロジェクトが製造業やハイテク産業への投資を後押ししたためです。これに対し、2018年にはFDI発行数が約1,400件、投資額は約6.8兆バーツ(約2,000億米ドル)に減少し、2019年には約1,300件、投資額約6.5兆バーツ(約1,950億米ドル)と減少傾向が続きました。
2020年には新型コロナウイルスの影響によりFDI発行数が約800件、投資額は約4.5兆バーツ(約1,350億米ドル)に落ち込み、これに対して政府は経済刺激策を実施し観光業や輸出業への支援を強化しました。2021年にはFDI発行数が約1,000件、投資額は約5.5兆バーツ(約1,650億米ドル)に回復し、デジタル化が進む中でバイオテクノロジーやIT分野への投資が注目されました。
その後、2022年にはFDI発行数が約1,200件、投資額は約6.3兆バーツ(約1,900億米ドル)に達し、再生可能エネルギーやデジタル経済への投資が増加しました。2023年にはFDI発行数が約1,400件、投資額は約7.0兆バーツに達しました。
■ 国別外国投資受入額
1985年以降の円高に対応し、日本企業が生産拠点を海外に求める動きが本格化しましたが、タイの投資環境が優れていることやタイの投資優遇政策もあり、日本の対タイ投資は著しい伸びを示しました。アジア通貨危機後、タイへの投資額がボトムとなった1999~2010年までの12年間、累積投資額(認可ベース)は3兆585億バーツ(8,312件)に達しています。このうち日本からの投資総額は1兆1,964億バーツ(3,498件)で、全体の約39%(件数比42%)と大きな割合を占めています。
■ 業種別外国投資受入額
タイの現在の投資重点産業は、インフラ開発や再生可能エネルギ ー、農産業等であり、サービス産業もタイ政府が熱心に推進している 分野の1つです。
2014年度におけるタイへの外国直接投資を業種別に見ると、機 械・金属加工への投資が全体の60.8%(金額ベース)とトップで、 自動車関連を含む家電、エレクトロニクス等の電機・電子機器が13.3%、サービスが9.3%と続いています。
日本企業の進出状況
■ タイ周辺国への日本企業の進出数
タイには、日本の在外商工会議所の中で最大規模を誇る「盤谷(バンコク)日本人商工会議所」(以下「バンコク日本人商工会議所」)があり、2025年5月には登録社数が1,600社を超えました。会員登録していない企業は、Jetroの調査によるとタイ商務省事業開発局(DBD)に登録された日系企業のうち、2024年7月10日時点で「Operating」状態にある法人9,146社とされております。約7,000社規模であり、中国に次ぐアジア第二の日本企業の進出規模があります。
■ 日系企業のタイへの進出企業数の推移
1980年代初頭、タイの製造業への日本企業の進出が始まり、1985年時点で約200社の日本企業が進出していました。主に自動車や電子機器の分野で、製造拠点が設立されることが多く、1990年代には、タイの経済成長が著しく、特に自動車産業が急成長しました。1995年には、日本企業の進出数が約800社に達し、その中にはトヨタやホンダなどの大手自動車メーカーも含まれていました。この時期、タイはASEAN市場への輸出拠点としての地位を確立しました。
2000年代に入ると、日系企業の数は増加を続け、2005年には約1,500社に達しました。製造業からサービス業、金融業、IT業界などに進出が広がり、特に観光業や飲食業にも多くの日本企業が参入しました。
2010年代にはさらに進出が加速し、2015年には約4,000社の日本企業がタイに進出していると報告されました。これにより、タイ国内での雇用創出や技術移転が進み、地域経済への貢献が期待されました。
現在にまで、日系企業の進出数が増加し続け、特に再生可能エネルギーやデジタル経済の分野での新たな投資が注目されています。タイ政府の「タイランド4.0」政策や東部経済回廊(EEC)プロジェクトが、日系企業の進出を一層促進しています。
次に、バンコク日本人商工会議所の会員企業の業種構成を見てみましょう。中国・インド等の国々と同様に、製造業が進出企業の半分程度を占める大きな構成要素となっています。2007年11月1日に発効された日・タイ経済連携協定(JTEPA)により、タイを経由した第三国への貿易・物流の成長が見込まれることから、商業・貿易関係およびその物流を支える運輸などに増加の傾向が見られます。
■ 日系企業のタイへの投資金額
タイでは、外資誘致のための「投資奨励法」と、自国産業の保護・育成のための「外国人事業法」によって投資政策が進められています。このうち、「投資奨励法」に基づく新投資奨励制度が、2014年12月にタイ投資委員会(BOI)によって発表されました。2015年において対内直接投資は依然として、日本がBOI認可ベースで第1位となっており、業種別内訳を見ると、自動車・自動車部品を含む機械・金属加工が投資金額では依然として最大であるものの、前年と比較して大きく減少しているのに対して、サービス・インフラが前年から大きく増加しています。また、日系企業の進出も、金融を含むサービス業の投資が増加しており、これはバンコクを中心とした上位中間層や富裕層を顧客にすることを狙った進出が増加していることが背景にあると思われます。
2014年12月3日付布告にて投資奨励対象業種の見直しを行い、タイ投資委員会(BOI)の投資奨励恩典に申請できる事業活動には7つの区分があり、2016年11月30日時点で117業種あります。(P.118 を参照)
■ 大きな国内マーケットと成長への期待
「国際協力銀行 2016年度海外直接投資アンケート」によると、有望事業展開国としてタイは5位につけています。「現地マーケットの今後の成長性」と「現地マーケットの現状規模」を有望理由として最も挙げられています。一方、40%以上の企業が「労働コストの上昇」「他社との厳しい競争」を課題として挙げています。
このグラフで、タイのマーケットの相対的な規模の大きさが分かるかと思います。国内マーケットはインドネシアに及ばないものの、近隣諸国と比較して十分に大きく、また政治情勢が安定し始めたことで、観光産業が活況となり、投資、輸出などの指数が堅調に推移していることが分かります。
日本企業の進出は製造業が中心でしたが、近年ではサービス業の参入も増えています。ユニクロを展開するファーストリテイリング社は2011年9月に第1号店をバンコクに出店、2015年6月時点で計23店を展開しました。また、日本食を好む富裕層をターゲットとしてタイへのFC展開を計画しており、5年で10店舗まで拡大を図っています。
このように、タイ国内の成長を背景に、マーケットを狙った進出や高い付加価値の提供を目的とする進出など、製造業を中心としながらもサービス産業を含めた多様な進出が期待されています。
また、他の近隣諸国と異なり、タイの高学歴化が進んでいます。中等教育への就学率の向上といった数字でも、労働力の質的向上が国をあげて図られているのが分かります。
鉄道複線化や都市鉄道・道路整備等、直近で優先度の高いものに絞り込む動きがみられます。
タイ政府は2022年までに約1兆8,000億バーツ(約5兆8,000億円)を投資し、都市間鉄道や高速道路などのインフラを整備すると宣言しています。
その上、研修を容易に施すことができ、任せられた任務をきちんと遂行します。また、一般的なタイ人の良さといわれている常に笑顔でサービスすることや、友好的であるという国民性と親日の側面がさらに評価を高めているようです。
■ 充実したインフラ
1990年代後半以降のタイでは、まず1997年のアジア通貨危機に よって問題が顕在化した金融・財政システムの改革と安定化を図るこ とが最重要課題となり、輸出産業の競争力強化・高付加価値化を進め ることが重要な側面の1つとなりました。また、現地に進出している 日系企業の側でもアジア通貨危機を受けた事業構造の再編が進む中、 タイでのインフラ整備や人材の育成が進展しました。 日本も高速鉄道・都市鉄道整備をはじめとする各種案件の売り込み を実施しています。 インラック政権は2013年、7年間の大規模インフラ計画のため GDPの約20%に匹敵する総額約2兆バーツの予算案策定を進め、借 り入れを行うなど大胆な政策で次々と法案を可決させました。2014 年に発足した国家平和秩序評議会(NCPO)による軍政の下では、在来鉄道複線化や都市鉄道・道路整備等、直近で優先度の高いものに絞 り込む動きがみられます。
[2022年までに約1兆8,000億バーツの投資]
タイ政府は2022年までに約1兆8,000億バーツ(約5兆8,000 億円)を投資し、都市間鉄道や高速道路などのインフラを整備すると宣言しています。
[道路]
タイは、アメリカ軍の基地が国 内各地に配置された時代に、国内 の道路整備が急ピッチに進めら れ、全国で6.7万㎞以上の道路が 整備されました。アジアハイウェ イ(Asian Highway Network)の導入や政府のアジアの貿易拠点化戦略(タイを東南アジアの交通ハ ブとして発展させる政策)に基づ くインフラ投資により、高速道路 の整備も進んでいるため、良好な 道路環境が作られています。 しかし、バンコク市内の道路交 通は、世界一といわれるほど渋滞 が激しい状況であり、高架鉄道 (BTSやスカイトレインと呼ばれる)や地下鉄(MRT)の運行によっても解決されておらず、交通網がマヒすることが少なくありません。 将来、近隣諸国の整備が進めば道路輸送の一層の発展が期待できます が、バンコク首都圏の渋滞解消が課題となっています。
[空港及び港湾]
空路は、7カ所の国際空港に加えて商業用空港が28カ所あります。 タイはバンコク新国際空港(スワンナプーム空港)が地域の航空網の ハブとなっています。2035年を目標とし、空港周辺への土地利用計 画を含めたスワンナプーム臨空都市の開発計画が作成されており、ス ワンナプーム国際空港とバンコクを繋ぐスカイトレインなどの鉄道が すでに整備され、東部臨海工業地域、中央地域の北部、西部を結ぶ交 通網の拡充も計画されています。 海運では、バンコク港(クロントィー港)、レムチャバン港、マプタ プット工業港などの港を有しています。バンコク港は、50年以上、タ イの主要港としての役割を果たしており、年間取扱量1万2,000総ト ン数超を誇る国際港湾です。ラオス、カンボジア、ミャンマー、ベト ナム、中国にアクセス可能な水上輸送では、これらの整ったインフラ 網によって、効率良くロジスティックスや配送を行うことができます。
[鉄道]
タイの鉄道は、1889年に開業し、第2次世界大戦後の1951年にタイ国有鉄道として統合されましたが、道路ほど整備は進んでいません。タイ国鉄の主要路線は、おおまかに①北線、②東北線、③東線、④南線の4線に分けられ、営業路線は延べ約4,000㎞ですが、大半が単線であり、物流インフラとしてはあまり期待できない状況となっています。
[電力]
他の新興国の共通の悩みである電力不足もタイではほとんど問題に なることはありません。タイ発電公社(EGAT)が、東日本大震災の 影響で電力の供給能力が低下している東京電力に、発電機2基を周辺 の設備も含めて丸ごと無償で貸し出す決定をしたことからも、自国の 安定的な電力供給をうかがい知ることができます。 場所によっては月1~2回の瞬間停電はあるものの、復旧は早く、 タイの電力事情は安定しています。瞬間停電は雨季(6~10月)に 多くなる傾向にありますが、日系企業へのヒアリングによると、おお むね数秒、長くても1時間以内には回復しているようです。熱帯性気 候のもとにあるタイでは、例年、暑い季節に当る3~5月にかけて最 大電力が発生しますが、需給調整のための計画停電等が行われること もなくなっています。
タイの将来の電力計画ですが、タイ政府は、東南アジアで最も早く 新エネルギーに関する政府支援制度を導入するなど、2022年までに 全エネルギーの20%を新エネルギーとすることを公表しています。 それを受けて、2012年、三菱商事が世界最大級となる発電容量 73MWの太陽光発電所をタイのロッブリ県に開発し、今後25年間タ イの発電公社EGATに売電されます。
■グローバル生産拠点としてのタイ
JBIC2016年度海外直接投資アンケートによると、投資先として のタイの有望理由として、「第三国輸出拠点として」「組立メーカー への供給拠点として」を20%以上の企業が挙げています。特に「第 三国輸出拠点として」は、安定的なタイの魅力として認識されていま す。日系企業、地場産業を合わせて高度な産業集積が発達しているた め、原材料、部品調達が容易であること、製造拠点のネックになりや すいインフラ環境が整っていることなどが大きな要因となり、また外 資優遇政策や、インドと先行してFTAを結ぶなど、生産拠点を置く のに適した環境が整えられているといえます。 近年、日本企業のタイの捉え方が変化してきています。その顕著 な例が2010年にみられました。日産自動車が、日本国内市場向け の小型車「マーチ」をタイで生産すると決定しました。これは、日 本企業が自国市場に逆輸出する日本車を国外で生産する初めてのケー スです。 このように、日本メーカーは、タイのことを、東南アジアの5億 5,000万人の人々に製品を供給する前線基地としてだけでなく、日 本のほか、中国やインドといった巨大な成長市場向けに、製品を輸出 する出発拠点としてみなすようになってきています。
[輸出拠点として最適な立地と充実したインフラ]
タイは、東南アジアの中心、インドシナ半島のほぼ中央(北緯5~ 21度・東経97~106度)に位置し、西と北にミャンマー、北東に ラオス、東にカンボジア、南にマレーシアと国境を接していることに より、中国とインドの2カ国への玄関口にもなっています。未発達な インフラ、労働力の質、税制など不透明な制度が原因で、インドに新 たな製造拠点を築くことにまだ躊躇している日本メーカーはまだ多く ありますが、タイはインドへの入り口として最適な拠点であると位置 付けられています。
[ASEAN 自由貿易地域(AFTA)の効果]
AFTAとは、“ASEAN Free Trade Area”の略で、日本語では 「ASEAN自由貿易地域」とも呼ばれ、1993年に発足したASEAN (東南アジア諸国連合)の自由貿易協定のことをいいます。加盟国人 口の合計が5億人を超え、その将来的な方向性は、EU(欧州連合) やNAFTA(北米自由貿易協定)に相当する自由経済(自由貿易)地 域を作るという構想になっています。 AFTAでは、ASEAN域内で生産されたすべての産品(国防関連品 目や文化財を除く)に係る関税障壁や非関税障壁を取り除くことによ って、域内の貿易の自由化と活性化を図り、また域外からの直接投資 と域内投資を促進し、そして域内産業の国際競争力を強化しようとし ています。 2010年1月1日より、ASEANの原加盟国間の関税がほぼすべて の品目において撤廃されました。タイ商務省がまとめた2016年の タイの輸出額は、前年比0.5%増の2,153億3,000万USドル、輸入 は3.9%減の1,946億7,000万USドルでした。貿易黒字は206億 6,000万USドル、国・地域別の輸出額は日本向けが205億6,000 万USドル(前年比2.5%増)、アメリカ245億USドル(同1.8%増)、欧州連合(EU)15カ国200億3,000万USドル(同1%増)、東南 アジア諸国連合(ASEAN)546億6,000万USドル(同0.9%減)、 中国238億1,000万USドル(同0.3%増)、香港114億7,000万 USドル(同3.1%減)となっています。主要品目は、ハードディス クドライブ(HDD)、自動車・部品等で、輸出対象国としては中国、 ASEAN各国向けが大幅な伸びをみせています。この動きは、AFTA を中心として、日・タイをはじめとした二国間自由貿易協定等の始動 に伴う関税先行引下げを積極的に活用して、コスト引下げや企業単位 での効率的な生産を実現しようとする流れの拡大と、企業が投資先を 中国に一極集中するリスクを分散させる必要に迫られた面もあると思 われます。 AFTA導入後のバンコク日本商工会議所の調査によると、一部の企 業、とりわけ自動車、化学、鉄鋼といった重工業の企業は、特にイン ドへの玄関口としてタイに軸足を置くようになってきているといいま す。港湾や道路網などの、周辺諸国と比較して充実したインフラと AFTAの相乗効果により、アジア地域向けの戦略的な輸出ハブにとど まらず、タイを世界市場に向けた輸出拠点として成長しています。
[高度な産業集積の形成]
タイは、ASEAN域内最大のエレクトロニクス産業、自動車産業の 生産拠点であり、また中国に次ぐ世界第2位の日系企業の集積国とな っています。このような背景には、タイの自動車産業の生産・国内販 売・輸出において、実に90%のシェアを日系メーカーが握っている という日本企業のタイへの古い進出の歴史があります。 タイでは、産業の基盤がほとんどない状況で自動車生産が開始され ました。そのため、日系完成車メーカーが、日本の部品メーカーの進 出や技術供与を促し、部品の現地調達を拡大させることで、現地にお ける産業集積(クラスター)が形成されてきました。
具体的には、まず市場の拡大を見込んだ新工場の建設や、消費者ニ ーズの変化に対応した新モデルの投入など、完成車メーカーの競争力 強化策に対応して多くの部品メーカーが進出しました。その後、グロ ーバリゼーションの中、中国などの競合に対しての競争力をつけるべく、タイ完成車メーカーが厳しい現地調達比率目標を達成するため1 次部品メーカーに進出を促しました。
その結果、進出した企業が、次の企業に進出を促すという集積サイ クルが生まれ、現在では3次・4次部品メーカーまで進出している状 態です。このような進出は付随するサービス会社の進出を後押しし、 高度な産業集積が形成され、容易な部品調達が可能となりました。 タイ自動車研究所の2010年7月調査によると、タイの自動車産業 には完成車メーカー13社、1次部品供給メーカー(Tier1)が635 社、2次および3次部品供給メーカー(Tier2&3)が1,700社存在し ています。完成車メーカーはすべて外資との合弁の形態を採用してい ます。しかし、Tier1サプライヤーではタイ資本が過半を占める企業 の割合が53%で、Tier2&3サプライヤーの多くが地場資本となって います。 ここでは、自動車産業を例に挙げ解説しましたが、電器産業の集積 も同様の流れで、他国と比較して高度な産業集積が形成されていま す。
■ タイへの投資課題
ここまでタイへの投資メリットを見てきましたが、一方で課題も多 く残されています。 この節の始めで取上げたJBICによる「わが国製造業企業の海外事 業展開に関する調査報告(第28回)」において、「タイへの有望理由」 とともに「タイへの課題」(回答数計:121社)についても回答結果 が公表されています。その上位項目が以下のようになります。
労働コストの上昇: 56社/46.3%
他社との厳しい競争: 53社/43.8%
技術系人材の確保が困難: 34社/28.1%
管理職クラスの人材確保が困難: 34社/28.1%
治安・社会情勢が不安: 29社/24.0%
前年に比べ「治安・社会情勢が不安」が、回答比率が52.8%から 28.0%へ大きく低下し、代わって「労働コストの上昇」(50.8%)が 第1位となっています。 さらに、同調査の有望投資先ランキング上位国5か国(インド、中 国、インドネシア、ベトナム、タイ)について、事業展開有望国に挙 げなかった理由とその割合は次の表のとおりです。
■ タイの政治不安とデモ
2011年8月に、タクシン元首相の妹であるインラック氏が初の女 性首相として誕生し注目を集めました。その後、洪水被害の対応に多 くの批判を浴び、バンコクではタクシン元首相派と反タクシン派の政 治対立が続き、2012年には2万人規模の反政府集会が開かれるなど、 インラック政権は不安定な状態になりました。復興政策などで支持の 高かったインラック氏ですが、2014年国家安全保障会議(NSC)の 人事について弾劾され失職しました。2014年5月、国家平和維持評 議会(NCPO)により軍事クーデターが起こされ、NCPO議長のプラ ユット・チャンオチャ氏が暫定首相に就任しました。プラユット氏は 経済促進政策などで高い支持を集め、2017年時点まで続投していま す。また、タイではカンボジアとの領有権を争う国境紛争が長く続い ており、特に世界遺産に登録されている「プレアビヒア寺院」周辺で は、たびたび武力衝突が発生し、多数の死傷者が出ています。2011 年7月に、国際司法裁判所は紛争地域に非武装地帯を設定し、両国に 即時撤兵するよう命じ、翌年7月、両軍は紛争地域から撤兵しました。 2013年、国際司法裁判所は国境未画定地域の帰属をめぐる審理を行 い、11月、寺院周辺の土地もカンボジアに帰属するとの判断を下し、 決着がつくことになりました。
■ 人材不足と賃金高騰リスク
タイにおける「賃金上昇懸念」をビジネスリスクとして認識してい る企業は少なくありません。その背景にあるタイの人口や失業率の推 移を元に、現状の問題を浮き彫りにしていきます。 日本ほどではありませんが、若年層の減少が進んでいます。将来的 には少子高齢化による経済の停滞という日本の抱える問題と同様の問 題に直面する可能性があります。
[現在のタイの人口と民族]
タイの人口は、約6,820万人(2016年)で、最新の統計データ では、過去100年で8倍の人口増加があったことが判明しています。 民族的には、タイ族が約85%、中華系が10%、他にモーン・クメー ル系、マレー系、ラオス系、インド系が暮らしており、山岳部にはそ れぞれの文化や言語を持った少数民族が暮らしています。タイ族以外 で最も多い華僑のタイ化の度合いも進んでおり、深刻な民族問題は生 じていないようです。 また、バンコクを中心とした中央部に人口の約3分の1が集中する という首都への人口一極集中が特徴として挙げられます。
[タイの人口推移予想]
国連のタイ人口推移予想では、前述したように少子化が進み、今後 100年で人口は減少することが示唆されています。
[低下し続ける失業率]
下表は近年のタイの失業率の推移です。タイ国家統計局によると、 2016年10月時点では0.75%で、前年同月を0.1%上回りましたが、 1%以下を維持しています。これはアジアでは1位、世界でも2位の 失業率の低さといえます。地域別では、人口の集中するバンコクと中 部が0.4%、南部が0.5%、北部が0.2%、東北部が0.6%です。
このような少子高齢化による人口減少と好景気を背景とした失業率 の低下は、優秀な労働力の確保をより困難にしています。また大卒の 技術者、マネージャークラスといった高級人材のバンコク居住志向は 極めて強く、日本人の感覚以上に地方を下に見る傾向が強いため、な かなかバンコクから遠い工業団地には行きたがらないようで、場合に よっては車の送迎やアパートの家賃などの相当の待遇を用意すること もあるほどです。
[賃金上昇]
好景気を背景に、各企業が同時期に投資拡大を図ったことから、タ イ人労働者の争奪戦が激化しています。下記のグラフは、主要産業ご との平均賃金の推移です。
このような賃金上昇が実際に起きているひとつの事例を紹介してお きましょう。 タイ人は、一般的に、タイ人同士に強いネットワークを持ってお り、賃金だけでなく条件面が少しでもよければ簡単に転職してしまう気質を持っています。実際に、競合他社の雇用条件の改善により、半 数近くの転職があったとする企業もあるほどです。 競業他社の賃金引上げがすぐに情報共有されてしまうために、優秀 な人材を確保するためには賃金を引上げざるを得ないという悪循環を 生み、更なる賃金上昇へと繋がっています。
[政府の 最低賃金引上げ政策]
タイでは、1972年の労働法に基づく内務省令により、1973年以 来、地域ごとに最低賃金(日額)が設定されてきました。これに加 え、2008年の労働者保護法の改正により、職能ごとの最低賃金が最 低賃金委員会により定められ、さらには、2011年2月8日、11種の 職能に関して3段階の技能レベルに応じた賃金水準の設定が行われま した。 最低賃金の25%引上げ方針を掲げていたアピシット前政権が倒れ、 2011年7月の総選挙で、1日当たりの最低賃金を300バーツへ引上 げることを公約に掲げて勝利したインラック政権が誕生しました。1 日あたりの最低賃金は、2012年4月1日よりバンコク都と周辺7県 で300バーツになり、2013年1月1日より全国で300バーツに引 上げられました。2013年以来タイ政府は、景気に配慮し2016年6 月まで最低賃金の引上げを行わないことを発表していましたが、タイ 中央賃金委員会は2016年10月19日、現行300バーツの最低賃金 を改定し、国内69都県の経済情勢などに応じて日額5~10バーツ (約15~30円、1バーツ=約3円)の最低賃金引き上げを決定し、 2017年1月より実施しています。
[外国人非熟練労働者の雇用を許可]
国際機関日本アセアンセンターによると、2011年1月23~29 日にかけて行われたタイ投資情報ミッションの報告レポートでのBOIアチャカー・シーブンルアン長官(当時)へのインタビューにおい て「労働力不足を背景に、労働集約型の産業奨励はいらないのではな いかとの議論も出ているものの、政府は国境地帯に特別経済区を設け 労働集約型産業での近隣諸国の外国人非熟練労働者の雇用を許可する こととする(なお、BOI奨励企業ではまだ許可しておらず調査段階)」 ということが取上げられています。
■ 激しい競争
韓国企業をはじめとした他国の企業の攻勢が強まり、また日系企業 同士の競争も激しくなっており、収益性の確保が以前に比べて難しく なっているといわれています。また、企業投資のリスク分散の観点か ら生産拠点の分散が図られ、タイ周辺国への進出も増えたため、更な る低コスト化を進めるなどの差別化を図る必要に迫られています。す なわち、タイで生産するというだけでは利益を獲得できないというレ ベルにまで産業としても成熟してきているといえます。 タイの自動車産業は、現在4次部品メーカーが進出している最中で あり、自動車メーカー各社もコスト削減のために、従来の系列や産業 (家電部品メーカー等)を超えた部品調達を活発に行っています。こ のような環境においてでも、後発組の進出企業が「高い技術力」や 「価格競争力」をもって、ビッグチャンスを獲得できる可能性も少な くはありません。しかし、欧米部品メーカーは一般的に生産量が少な いため、スケールメリットが発揮できず、製造コストが割高になって いるという声も聞かれます。 新規参入は、欧米メーカーやローカルの部品メーカーを含めた激し い競争(品質、コスト等)にさらされるという環境を理解した上で、 市場調査などの事前リサーチや、品質や納期の面などのきめ細かい対 応で差別化できるような進出プランを策定する必要があります。
【タイの食文化】 タイ料理と言えば、トムヤムクンが有名です。独特の酸味と辛味に加え、ハーブの香りが食欲をそそり、病みつきになる味です。トムヤムクンは、ロシア料理のボルシチ、中華料理のフカヒレスープに並んで世界三大スープの一つに挙げられています。トムは煮る、ヤムは混ぜる、クンはエビを意味します。シーフードを入れたり、豚肉を入れたり、辛さや酸味を変えたりと、材料によってさまざまな味を楽しむことができ、奥が深い料理と言えます。 また、代表的な料理としてタイカレーも挙げられます。タイカレーは日本人がなじんできた家庭的な日本のカレーや、インドのカレーとも違う特徴があります。タイカレーの多くはスープカレーで、香辛料などさまざまな材料が入っていて色鮮やかで香り豊かな料理です。グリーン、レッド、イエローの3色のカレーは日本でも有名です。一般的にタイカレーは日本やインドのカレーと比較しても非常に辛く、その辛さをココナッツの甘さで和らげます。 タイ料理には、日本人にとってあまりなじみのない野菜や香草がたくさん使われているため、苦手な方も多く見受けられます。レモンのような風味のあるタックライや、カーと呼ばれるショウガ科の香辛料など、タイには独特の野菜や香辛料があ りますが、なかでも有名な香草はパクチーです。パクチーは、独特な香りが特徴で、タイ料理には欠かすことのできない代表的な香草ですが、その独特の香りは日本人にとってはあまりなじみがないため、好き嫌いがハッキリする香草と言えます。 一方で、パクチーは消化に良く、食中毒や二日酔いに良いと言われていますし、タックライは美容に効果的な作用を持つと言われているように、タイ料理に使用される野菜や香草は非常に健康に良い食材と言えます。 また、タイは屋台が有名です。タイでは至るところに屋台があり、価格も安く、 1食 20 ~ 30 バーツ程度(60 ~ 80 円程度)で、ラーメンや焼きそば、ジュースやデザートなどを楽しむことができます。屋台巡りでいろいろな味を楽しむこともできます。安さだけでなく、屋台の雰囲気や現地の人との会話も楽しめる場所でもあります。もちろん、タイは熱帯地域でもあるため食あたりなど衛生面には気を付けるべきでしょう。都市部ではレストランも充実していますし、現地では安くてたくさんの料理が楽しめますので、タイ料理巡りをしてはいかがでしょうか。 |
参考文献
・ タイ財務省(Thailand Ministry of Finance)
・ タイ商務省(Thailand Ministry of Commerce)
・ 通商白書(平成24 年)「我が国をはじめとした周辺国・地域の通商環境等に大きな影響を与えたタイの洪水」
・ 日本政策投資銀行「タイ洪水によるHDD サプライチェーンへの影響」2011年11 月
・ みずほ総研「東日本大震災のアジア経済への影響~自動車・エレクトロニクス産業のサプライチェーンへの影響を中心とするタイ・シンガポール現地調査から~」
・ 世界銀行 「News&Views Dec 13, 2011」
・ JETRO
・ IMF「World Economic Outlook Database, October 2012」
・ 日本総研「タイ新政権の政策の特徴と課題」アジア・マンスリー2011 年10月号
・ 日本総研「産業の高度化を目指すタイ」2012 年03 月13 日
・ タイ商業会議所(The Thai Chamber of Commerce and Board of Trade ofThailand)
・ タイ投資委員会(Thailand Board of Investment)
・ 国家統計局(National Statistical Office)
・ 商務省事業開発局(Department of Business Development)
・ タイ証券取引所(The Stock Exchange of Thailand)
・ JBIC『わが国製造業企業の海外事業展開の動向(第24 回)』
・ 世界銀行と国際金融公社(IFC)『ビジネス環境の現状2013』
・ 財務省貿易統計
・ 総務省統計局
・ 国連『World Population Prospects:The 2010 Revision』
・ 元田時男『タイ国経済データベース』
・ 中小企業基盤整備機構『中小企業国際化支援レポート ~撤退手続の留意点(タイ編)~ 』