会社法
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会社の分類
中国にある企業は内資企業と外商投資企業の2つに大きく分類されます。
内資企業
内資企業とは、中国国籍(台湾、香港、マカオ国籍を除く)を有する自然人、または中国本土(台湾、香港、マカオを除く)で設立登記をした企業が出資して、中国国内に設立された企業のことをいい、外商投資企業とは外国(中国本土以外)の資本が入っている企業をいいます。
中国の会社法は、内資企業に限らず、外商投資企業にも適用されます。一方で外商投資企業はいずれも特別法に準拠しなければならない点で、内資企業とは異なります。
外商投資企業の種類
■中外合弁会社
中外合弁会社とは外国投資者と中国国内投資者が共同出資して設立した有限責任会社であり、出資者は出資比率に応じて利益配当を受けます。原則、外国出資者の出資比率は25%以上である必要がありますが、認可されれば25%未満にすることも可能です。
■中外合作会社
中外合作会社とは外国投資者と中国国内投資者が共同出資して設立した有限責任会社です。出資方法、損益分担方法、利益配当比率は契約によって決められます。
■外商独資会社
外商独資会社とは外国投資者の出資のみで設立される有限責任会社のことをいいます。複数の外国投資者で出資した場合でも独資企業として分類されます。
■外商投資株式会社
外商投資株式会社とは外国投資者が出資する株式会社をいいます。外国出資者が所有する株式持分は登録資本金の25%を下回ってはならないとされています。
株式上場
中国には、証券取引所として上海証券取引所と深圳証券取引所、北京証券取引所に加え、未公開株式の取引を行う全国規模・地域性の店頭市場も昨今整備されてきております。上海証券取引所及び深圳証券取引所にメインボードが設けられており、さらに2009年に深圳証券取引所に新興企業を対象とした創業ボード、2019年には上海証券取引所にハイテク新興企業を対象とした科創ボードが開設されました。
取引所 | 詳細 | |
上海 | メインボード | 1990年創設。新規上場可能な大企業向け。 |
科創ボード | 2019年創設。ハイテク新興企業向け。 | |
深圳 | メインボード | 1990年創設。2021年に中小企業ボードがメインボードに統合。 |
創業ボード | 2009年創設。新興企業向け。 | |
北京 | 2021年創設。中小企業向け。 | |
中国企業の上場株式は、その株式がA株、B株等に区分されている点が挙げられます。A株は人民元で取引が行われるのに対し、B株は上海証券取引所では米ドル、深圳証券取引所では香港ドルで取引が行われます。
以前、外国人に対してA株の取引が認められていませんでしたが、昨今では一定の要件を満たした適格海外機関投資家(QFII)による方法や、2014年に実現した香港証券取引所と上海証券取引所の相互接続を利用する方法により、外国人もA株の取引に参入しやすくなっています。また、将来的にはB株市場をA株市場へ統合する必要があるとの見方が一般的です。
中国で上場を申請する企業は、中国証券監督委員会へ申請を行い、審査を受けます。また、下記の通り、上場に際しての要件が定められています。
〇主体資格
・合法的に存続する株式有限公司である。
・株式有限公司の設立から3年以上事業を継続している。
・直近3年以内に主要業務及び董事、高級管理職に重要な変更がない。
〇独立性
・資産完備、人員独立、財務独立、組織独立、業務独立が整っている。
〇運営規範
・組織、内部統制が完備されている。
・会社定款に担保の提供フローについて明確に記載されている。
・厳格な資金管理制度を有している。
〇財務会計
・直近3会計年度のいずれにおいても純利益を計上しており、当該累計が3,000万元を超えている。
・直近3会計年度の営業キャッシュフロー累計額が5,000万元を超えている。
会社の機関
機関の体系
中国の一般的な会社の機関体系は次のとおりです。
会社の機関には株主で構成される株主会・株主総会があります。株主会・株主総会から選ばれる董事を構成員とする董事会で会社の意思決定を行います。外国企業の場合、董事は各株主により選任され、人数は協議により合弁契約および定款で定められます。董事会で決定した内容等を執行管理する機関が総経理です。総経理は会社の経営方針に対する決定権はなく、あくまで日常業務管理を担います。また、総経理の下に各事業部(財務部、営業部等)が組織されます。
株主会・株主総会
■株主数
有限責任会社では1人会社は認められますが、株式会社では認められません。株主数に関しては、有限責任会社は上限50名までと決められていますが(2024年改正会社法42条)、株式会社ではその上限がありません。ただし、株式会社は発起人の人数が2名以上200名以下として制限をされています(同法92条)。
■株主会・株主総会
会社のすべての株主で構成される株主会(有限責任会社)または株主総会(株式会社)は会社の最高意思決定機関で、あらゆる基本的重要事項を決定します。決議事項は、会社の経営方針、董事・監事の選任・解任、予算・決算案の審議・承認などです(2024年改正会社法59条)。
しかし、中外合弁会社、中外合作会社に関しては株主会・株主総会はなく、董事会は最高意思決定機関として定款の定めに従い、意思決定を行います。
外商独資会社のうち、外国企業が共同で出資している場合には、株主会・株主総会が最高意思決定機関となります。
中国にはさまざまな会社の種類がありますが、内資企業の有限責任会社と外商独資企業の株主会・株主総会における規定は同じです。なお、これらの開催場所は法定所在地となっています。
会議開催の通知は、招集の15日前(株式会社の場合は20日前)までにすべての株主に通知しなければなりません。ただし、定款において別途定めることも可能です(同法103条)。
[株主会・株主総会の決議]
有限責任会社の株主は、出資比率に基づいて議決権を行使します。ただし、定款で別段の定めがある場合は、定款の定めに従います(2024年改正会社法65条)。株式会社の株主は1株につき、一議決権を有します(同法116条)。
株式会社の場合は、経営方針、予算案、利益配当案、董事・監事の選任・解任や報酬決定、董事会・監事会からの報告内容の承認、その他定款で定める決議事項は普通決議事項であり、出席株主の有する議決権の過半数をもって決定します。
定款の修正や登録資本金の増加・減少、合併、解散、形態変更については、出席株主の有する議決権の3分の2以上をもって決定しなければなりません(同法同条)。
[株主会・株主総会の権限]
株主会・株主総会は次の権限を有します。有限責任会社は下記事項について書面により株主の全員一致で認められる場合は、株主会を招集することなく決定できます。ただし、決定文書において株主全員の署名と捺印が必要です(会社法38条)。
・会社の経営方針、投資計画決定
・従業員代表を務めていない董事・監事の選出・更迭
・董事・監事の報酬に関する事項の決定
・董事会報告の審議、承認
・監事会・監事報告の審議、承認
・年度財務予算案・決算案の審議、承認
・利益配当案・欠損補塡案の審議、承認
・登録資本金の増加・減少決議
・社債発行決議
・合併・分割・解散・清算・会社形態の変更決議
・定款修正
・定款に定めるその他の権限
董事会
董事会(とうじかい)は董事によって構成され、株主会・株主総会に対して責任を負う業務執行機関(2024年改正会社法15条、63条)で、株主会・株主総会の決議を実行し、予算・決算案や合併・分割・解散案などを立案し、内部管理機構の設置や総経理の任命などを行います。董事会は、中外合弁会社ならびに中外合作会社にとっての最高意思決定機関であり、業務執行機関でもあります。
■董事の人数
有限責任会社の董事は3名以上と規定されています(2024年改正会社法68条)が、比較的規模が小さい有限責任会社は、執行董事として1名のみ選出すればよいと規定されています(同法75条)。比較的規模が小さい有限責任会社では董事会の設置義務はありません。
■董事の欠格要件
次に挙げる者は、董事に就任することができません(2024年改正会社法178条)。
・民事行為無力者または制限民事行為能力者
・汚職、収賄等による刑罰を受けてから執行期間満了後5年を経過していない者
・破産及び清算をしてから3年が経過しない破産会社の董事、総経理、董事長であった者
・法律違反により営業許可証の取消、閉鎖命令を受けた会社または企業の法定代表者を務め、かつ個人として責任のある者で、その会社または企業が営業許可証を取り消された日から3年に満たない者
・個人が負っている比較的大きな債務の弁済が期限到来後も完了していない者
■董事の選任・解任
有限責任会社ならびに株式会社の董事の任期は定款で定めることができますが、1期の任期が3年を超えることはできません(2024年改正会社法70条)。任期が満了し、再選すれば再任可能です。外商投資企業の董事の人数は出資者間の協議により決まります。一般的には出資比率に応じた人数構成となります。
外商投資企業の場合も任期は3年とされていますが、中外合弁経営企業法実施条例31条では4年と規定されています。この点について、新会社法では任期が3年と規定されていますので、定款でも3年としたほうが無難です。構成人数については、各出資者が出資持分比率に応じた人数を任命します。
■董事長・副董事長
董事会においては董事長を最低1名設置する必要があります(2024年改正会社法68条)。董事長は董事会を招集・主宰します。董事会は副董事長を選任することも可能であり、董事長が職務を履行できない、或いは、履行しない場合、副董事長が董事長の業務を行います。
■董事会の招集
有限責任会社の董事長は董事会を招集・主宰します。董事長が招集・主宰できないまたはしない場合は副董事長が招集・主宰します。副董事長が職務を履行できないまたはしない場合は、半数以上の董事が推薦した者1名が招集します(会社法47条)。
中外合弁会社、中外合作会社は、年1回以上招集する必要があり(中外合弁経営企業法実施条例32条1項)、3分の2以上の董事が参加しなければ開催できません(同条例32条2項)。開催場所は、一般的には、合弁企業の法定住所所在地でなければなりません(同条例32条3項)。
株式会社は、少なくとも年2回董事会を招集しなければなりません。董事会開催10日前までに全董事と監事に通知し(2024年改正会社法115条)、董事の過半数が出席しなければ開催できません(同法73条)。董事長が出席できない場合は副董事長が招集します。副董事長が職務を履行できないまたはしない場合は、半数以上の董事が推薦した者1名が招集します(同法122条)。
董事会は董事本人が出席するのが原則ですが、授権範囲を委任状に明記すれば他の董事を代理人とすることができます。
■董事会決議
有限責任会社と株式会社では議決権は1人1票です。議事事項の決定に関しては議事録を作成し、会議に参加した董事は署名をしなければなりません(2024年改正会社法124条)。
中外合弁会社、中外合作会社ともに議決権は1人1票で、定足数が全董事の3分の2以上とされています。決議方法は定款で定めることができますが、定款変更、終了ならびに清算、登録資本、合併または分割については出席董事全員一致で決定しなければなりません。
外商独資企業も議決権は1人1票ですが、定足数、決議方法とも定款で定めることができます。
株式会社の議決権は1人1票で、定足数は全董事の過半数の出席が必要です。決議に関しても全董事の過半数の賛成が必要です。
■権限
有限責任会社と株式会社の董事会は株主会、株主総会に対して責任を負い、以下の権限を行使します(2024年改正会社法63条、67条、114条)。
・株主会ならびに株主総会の招集・業務報告
・株主会ならびに株主総会の決議実行
・経営計画ならびに投資案決定
・財務予算案ならびに決算案作成
・利益配当案ならびに欠損補塡案作成
・登録資本金増加または減少案ならびに社債発行案作成
・合併・分割・解散ならびに形態変更立案
・内部管理機関設置決定
・総経理または副経理の招聘ならびに解任等
・基本的管理制度作成
・定款規定の他の権限
経理・副経理
経理は会社の日常の経営管理機関の責任者で、董事会の決議事項を執行します(2024年改正会社法74条、126条)。日本の取締役と似ていますが、必ずしも法定代表者とは限らない等、異なる点も多くあります。
副経理は経理の指名に基づき董事会によって選任され、経理を補佐します。
■経理の設置義務
経理はすべての会社に必置の機関です(2024年改正会社法74条、126条)。
外商投資企業における経理は、董事会の各種決議事項を執行する日常的経営管理を組織および指導します。設置人数は会社法に明示されていません。実務上、副経理を2~3名置くケースはありますが、経理は1名です。
■経理の権限
有限責任会社、株式会社ともに次の権限が行使されます。ただし、会社定款に経理の権限について別途定めがある場合は、その規定に従います(2024年改正会社法74条、126条)。
・生産経営管理の主管ならびに董事会決議の執行
・年度経営計画ならびに投資案実施
・内部管理機構設置案立案
・基本的管理制度立案
・具体的規則規定
・副経理ならびに財務責任者の任命・解任提案
・董事会が任命または解任を決定すべき者以外の管理責任者の任命または解任決定
・董事会により与えられたその他の権限
■経理の選任・解任
すべての会社において董事会により選任され経理の任期については特に規定されていません。株主が少ない規模が比較的小さい会社は董事会を設置せず、執行董事を置くことができます。このような場合は、董事は経理を兼任することができます(2024年改正会社法75条)。
監事(会)
監事(会)は、会社の財務検査ならびに董事および高級管理職の職務執行に対する監督を行う機関です(2024年改正会社法69条、76条、77条、78条、83条)。日本の監査役(会)に相当します。
監事(会)は以下の権限を行使することができます(同法78条)。
・財務検査
・董事、高級管理職員の職務執行時における監督、ならびに法律、行政法規、定款または株主会・株主総会の決議に違反する董事、高級管理職員に関する罷免意見の提出
・董事および高級管理職員の行為が会社の利益に損害を与える場合における董事と高級管理職員に対する是正の要求
・臨時株主会・株主総会招集の提案、董事会が本法に定める株主会・株主総会の招集および主宰の職責を履行しない場合の株主会・株主総会の招集および主宰
・株主会ならびに株主総会に対する意見の提出
・会社法189条の規定に基づく董事ならびに高級管理職に対する訴訟の提起
・定款に定めるその他の権限
■監事(会)の設置義務
有限責任会社・株式会社は、3名以上の監事により構成される監事会を設置しなければなりません。ただし株主が少ない規模が比較的小さい有限責任会社は、株主が全員一致で同意した場合、監事を設置しないこともできます(2024年改正会社法76条、83条)。
■監事の選出方法
監事会には株主代表と会社従業員代表を適当な比率で含んでいる必要があり、従業員代表の比率は3分の1を下回ってはなりません。具体的な人数については定款で定めることができます。
従業員代表の選出は従業員代表大会等を通じて民主的に行います。監事会には主席を1名置かなければならず、全監事の過半数の賛成によって選出されます(2024年改正会社法76条)。
■監事の要件
監事は監督機能を果たす必要があるため、董事および高級管理職を兼任することはできません。(2024年改正会社法76条、130条)。
■任期
監事の任期は3年です。任期が満了して再選により選ばれた場合は再任することができます(2024年改正会社法77条、130条)。
■監事会の招集
有限責任会社は、監事会を毎年1回以上招集しなければなりません。監査役が臨時監事会を提案することができます(2024年改正会社法81条)。1名の監事会主席が監事会を招集・主宰しますが、職務を履行できないまたはしない場合は副主席が招集します。
株式会社の場合は、監事会を少なくとも6か月に1回招集する必要があります(同法132条)。
■監事会決議
監事会決議は半数以上の監事により採択されなければなりません。監事会では議事録を作成し、会議に出席した監事は議事録に署名しなければなりません(2024年改正会社法81条)。
株式・配当
会社設立時の株式発行
中国における会社設立時の発行株式については、有限責任会社と株式会社では異なります。
■有限責任会社の持分の引受け
有限責任会社について、会社設立時の出資に関して次のような制限があります。
有限責任会社の株主は50人以下とされています(2024年改正会社法42条)。総株主が引き受けた出資額は登録資本となります。出資は金銭、現物または土地使用権・知的財産権などの非貨幣性資産をもって行うことができます。非貨幣性資産の実際価額が定款で定める価額よりも明らかに低いことが判明した場合は、その出資者が差額を補塡するとともに、他の株主は連帯責任を負うことになります(同法50条)。
株主の出資払込を完了したのち、全株主が指定した代表または代理人によって公司登記機関に書類を提出し、設立登記を行います(同法29条)。なお、株主は会社成立後に出資を引出すことはできません。
有限責任会社は設立後、株主に出資証明書を発行しなければなりません(同法55条)。出資証明書には会社の登録資本額、株主の出資額、出資期日等が掲載されます。株主はその出資比率に基づき株主権を有し、これを一般的に株主の持分といいます。
■株式会社の株式発行
株式会社の設立に関しては、日本の株式会社設立時と同様、発起設立と募集設立があります。発起設立は、発起人がすべての株式を引き受けて会社が設立されます(2024年改正会社法91条2項)。募集設立は発起人が株式の一部を引き受け、残りは募集をして引き受けた人の出資によって会社が設立されます(同法91条3項)。
発起設立に関しては、有限責任会社の規制と大差ありません。ここでの登録資本は、会社登記機関に登記した全発起人の引受ける株式資本総額を指します。
出資方法は有限責任会社と同様です。ただし、発起設立の場合は株主が全出資額を引受け定款の定めに従って払込を行います。金銭以外で出資した場合は、財産・権利の所有権変更手続を行わなければなりません(同法96条)。
募集設立に関しては、登録資本を公司登記機関に登記した払込資本額とします。発起人の引受額は株式総数の35%を下回ることはできません(同法97条)。
設立後の新株発行
株主総会において以下について決議をしなければ、株式会社は新株を発行することができません(2024年改正会社法151条)。
・新株の種類と数
・新株の発行価額
・新株発行の始期と終期
・従来の株主に対して発行する新株の種類と価額
会社が新株を発行するときは、会社の経営状況と財務状況に基づいてその価額設定案を決定することができます。会社が新株を発行し、その払込がすべて完了した後、会社登記機関に対して変更手続ならびに公告をする必要があります。
増資
会社が増資をする場合、株主はその出資した比率に応じて優先的に引受ける権利を有します。
一方、全株主が出資比率による配当の受取をしない旨や出資比率による優先出資比率による優先的出資引受をしない旨を定めることもできます。また、株主の増資における出資引受については、設立時出資引き受けに関する規定が適用されます(2024年改正会社法227条)。
減資
会社が登録資本の減資をする際は貸借対照表と財産目録を作成しなければなりません。
会社は減資を決議決定した日から10日以内にその旨を債権者に通知し、30日以内に新聞で公告することが義務付けられています。債権者は通知書を受取った日から30日以内(通知書を受け取っていない場合は公告の日から45日以内)に、減資を決定した会社に対して債務弁済や担保提供を求めることができます(会社法177条)。
配当
有限責任会社の配当に関しては、株主は払込んだ出資比率に応じて配当を受取ることができます。ただし、全株主が出資比率に応じた配当の受取をしない約定をしている場合はこの限りではありません(2024年改正会社法210条)。
また、中外合弁会社については、出資比率に応じて利益配当を受取ります。中外合作会社は、契約によって利益配当を受取ることになります。株式会社の配当は株主の持株比率に応じて行います。ただし、定款にて持株比率に応じない旨を定めている場合は、その規定に従います(同法210条)。
なお、配当を行う上で、外商投資企業は利益処分の優先順位が下記のように定められています。
1)過年度欠損金の補填
2)三項基金の積立
3)投資者への利益分配(配当)
三項基金:
準備基金、従業員奨励及び福利基金、企業発展基金
準備基金:
独資企業は税引き後利益の10%以上、登録資本金の50%に達するまで積み立てることが強制されています。合弁会社や合作企業にも積み立てることが強制されていますが、金額や率等の具体的な基準については規定がなく、合弁契約において董事会で定めるものと規定し、董事会で決定することが一般的です。目的は、欠損金の補填及び資本金への組み入れ(増資)です。
従業員奨励及び福利基金:
特別賞与、年末賞与等の従業員に対する非経常的な賞与や集団福利施設の運営のための積立になります。この基金で建てられた建物や施設等の資産は、労働組合の資産になります。
企業発展基金:
企業発展基金は合弁企業や合作企業については積立が強制されていますが、独資企業については強制されておらず任意となっています。目的は、原則として、技術改造、固定資産の増設、流動資産の留保ですが、準備基金同様に増資に利用することができます。
参考文献
・『中国の投資・M&A・会社法・会計税務・労務』
(久野康成・TCG国際弁護士法人監修TCG出版)
・中国会社法(2024年改正)
・日本貿易振興機構「中国における経営管理機構」
・上海证券交易所
・深圳证券交易所
・北京证券交易所
・Deloitte.「中国の投資・会計・税務Q&A〈第7版〉」