税務
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中国における税務
■租税法の歴史
中国は1980年代の対外開放政策以来、税目ごとに内資と外資の税金を区分し、中国企業および中国人に対する対内税制と外資企業および外国人に対する対外税制に区分してきました。しかし、1994年の中国税制大改正により、このように分化した税制の統合が図られ、現在の中国税制の基本的骨格が形成されました。その後の大きな税制の変化としては、2007年に中華人民共和国企業所得税法が制定されるとともに、個人所得税法が改正されました。
加えて、2008年には、個人所得税法実施条例の改正が行われました。さらに、2016年には、取引内容によって2つに分かれていた付加価値税(増値税と営業税)が増値税に統一されました。これらの中国税制の変遷は以下の点を主な目的としています。
・内資/外資企業間の所得税負担格差問題の解決
・中国人と外国人の税負担統一(中国に居住する個人が対象)
・制度格差の是正により、市場機能による資源の適正配分、中央政府の統制管理機能の強化
■租税の体系
中国の租税は主に流通税類、所得税類、資源税類、特定目的税類、財産税類、行為税類、農業税類、関税の8つに分類することができます。
[流通税類]
流通税類は増値税、消費税を含む税類です。増値税は日本の消費税に該当する税です。日本の消費税の役務の提供とは課税の対象が異なるため注意が必要です。中国の消費税は日本の消費税とは性質が異なり、奢侈品(ぜいたく品)、嗜好品を課税の対象とします。これら増値税、消費税を含む流通税は中国の税収の約5割を占めています。
増値税改革
日本の消費税に該当するものとして、これまで中国では増値税と営業税がありました。基本的に、増値税は物品の販売のみを課税対象としており、営業税は役務提供を対象としておりました。また、増値税では、売上増値税から仕入増値税を控除できたのに対し、営業税では仕入控除できないという制度上の違いがありました。
その結果、二重課税の問題が起きており、その問題の解消をするために、税制度改革が進められておりました。本改革は2012年1月より一部の地域で試験的に始まり、2016年5月1日には、中国全土で営業税課税対象であった取引が、すべて増値税課税対象になりました(詳細は後述『増値税』の項参照)。
[所得税類]
所得税類は企業所得税と個人所得税を含む税類です。企業および個人の所得を課税の対象とします。企業所得税は日本の法人税、個人所得税は日本の所得税に相当する税です。所得税類は中国政府の税収の約25%を占めるといわれています。
[資源税類]
資源税類は資源税、都市郷鎮土地使用税を含む税類です。
[特定目的税類]
特定目的税類は、都市維持建設税、耕地占有税、固定資産投資方向調整税(内資企業のみ。外資企業は対象外)、土地増値税を含む税類です。
[財産税類]
財産税類は不動産税、車輌船舶使用税、車輌購入設置税等を含む税類です。財産の取得または保有等を課税の対象とします。
[行為税類]
行為税類は印紙税、契税等が含まれる税類です。
[農業税類]
農業税類は煙草葉税等を含む税類です。煙草葉税は煙草の購入を課税の対象とします。日本のたばこ税に相当します。
[関税]
関税は輸出入関税が含まれる税類です。輸出入を行う際の輸出入の物品を課税の対象とします。日本の関税に相当します。
■国税、地方税、共通税
1993年以前は、国税・地方税を地方税務局で徴収するという方法を採用していましたが、1994年の中国税制大改正により各種の税を国税・地方税・共通税に区分し、徴収機関も分類して、国税は国家税務局、地方税は地方税務局、共通税は両局にて徴収することになりました(関税とともに徴収する消費税、付加価値税は税関が徴収)。
分税制導入前は租税収入の半分以上が地方政府に分配されていましたが、大改正による租税の徴収形態の変更に伴って国家税務局が新たに各地域に設置され、中央政府が直接税金を徴収できる体制が整えられました。その結果、中央政府が直接徴収する税収は約6割、地方政府の税収は約4割となり、租税収入の半分以上が中央政府に分配されることとなりました。
1994年の税制改正の最も大きな改正点は、格差の是正と統制管理強化を目的としたことにあります。
【中国における税区分と税目】
税区分 | 税目 |
国税 | 関税 |
税関が代理徴収する消費税と増値税 | |
消費税 | |
地方銀行・外資銀行・ノンバックの企業所得税 | |
鉄道部門、各銀行本店、各保険会社等が集中納付する収入(所得税、利益および都市維持建設税を含む) | |
地方税 | 個人所得税 |
都市維持建設税 | |
固定資産投資方向調節税 | |
都市部土地使用税 | |
土地建物財産税 | |
個人所得税 | |
車両船舶使用税 | |
印紙税 | |
契税 | |
土地増値税 | |
煙草葉税 | |
耕地占有税 | |
共通税 | 増値税(国75%、地方25%) |
資源税(資源の種類により配分。大部分の資源税は地方の収入となり、海洋石油資源税は中央の収入となる) | |
企業所得税 |
中国では、税金の徴収は地方政府が主体として行っていました。そのため地方政府では全国統一の租税政策、税務解釈に基づいた徴収方法をとらず、各地方政府の個別事情を優先した徴税方法によって税金の徴収が行われているのが実情です。
現在はすべての地域に国家税務局と地方税務局があり、原則として国税は国家税務局、地方税は地方税務局が徴収することになっています(外国企業は、企業所得税は国家税務局に、個人所得税と増値税納税者については地方税務局に納税)。
■直接税と間接税
直接税とは、税金を納める「納税義務者」と、税金を実際に負担する者が同一である税金をいいます。中国の直接税には所得税類(企業所得税、個人所得税)が該当します。その他、関税、固定資産投資方向調整税なども該当します。
一方、間接税は、直接税と異なり、納める人と実際に負担する人が異なる税金をいいます。流通税類(増値税、消費税)が中国の間接税の主なものです。この流通税類は中国の税収の約5割を占めています。
【中国税収率】
区分 | 税類 | 税目 | 税収率(%) | |
間接税 | 流通税類 | 国内増値税 | 32.22 | 48.77 |
国内消費税 | 7.49 | |||
輸出入貨物増値税、国外消費税 | 9.06 | |||
直接税 | 所得税類 | 企業所得税 | 19.10 | 25.97 |
個人所得税 | 6.87 | |||
特別目的税類 | 都市維持建設税 | 2.43 | 5.41 | |
耕地占有税 | 0.52 | |||
土地増値税 | 2.46 | |||
行為税類 | 契税 | 2.75 | 3.95 | |
関税 | 1.20 | |||
その他税類 |
| 15.90 | 15.90 | |
合計 | 100.00 | 100.00 | ||
出所:中華人民共和国中央人民政府「2023年财政收支情况」 | ||||
租税の特徴
中国の税制は以下のような特徴があります。
・法人はすべて12月決算
・毎月税務申告、毎月決算(外貨換算等)
・毎月個人所得税申告
・個人所得税の控除は基礎控除のみ
・発票(領収書)の有無が重要(発票がないと税務処理ができないため)
中国税制の大きな特徴の1つとして中国における独特の税務リスクがあります。以下、中国で事業を行う上で注意すべき税務リスクについて述べます。
■罰則
中国においても納税義務者は期限内に真実の内容に基づいて申告を行わなければなりません。期限内に申告書を提出しない場合や、ねつ造、隠蔽等により虚偽の申告を行った場合には以下のような罰則が科されます。
現行では、加算税は50%以上500%以下で、延滞税は18.25%(1日当たり0.05%)です。ただし2001年4月30日以前の違反に係る延滞税は1日当たり0.2%(年率73%)です。日本に比べ金額がかなり大きくなっていることに注意が必要です。
■挙証責任
日本では、税務申告で更正等を要求される場合は、その通知に更正の理由が付される一方、挙証の責任は課税当局が負います。
それに対し、中国では納税者が挙証責任を負います。つまり、納税者自身がその正当性を証明しなければなりません。正当性の証明には証明となる資料が必要となります。例えば、税務当局からの口頭による指導に基づき、税務処理の修正を行ったにもかかわらず、その処理が誤りであることが後日判明したなど、不可抗力により自らが正しい証拠資料の提出ができなかった場合であっても、罰金を支払わざるを得ないこともあります。
また、税務当局の前任者の認識の誤りにより、担当者の変更に伴って誤りが発見された場合でも、罰金が科される例があります。
■告発の奨励
中国政府は、税務に関する違法行為を防ぐべく、違法行為に対しては告発を奨励するとともに、告発者に対しては報奨金を与える制度を設けています(納税者の税収違法行為の告発に対する奨励暫定方法、国家税務局、財政部令[2007]第18号)。
当該規定では、徴収税額に応じて報奨金額が変わりますが、最大で10万元以下の報奨金が支給されます。また、増値税専用発票等の偽造、変造等に関しては、偽造発票の部数によって報奨金が変わり、こちらも最大で10万元以下の報奨金が支給されます。
駐在員事務所課税
駐在員事務所課税とは、一定の駐在員事務所の活動に対し、中国国内で事業を行っているものとみなして課税の対象と認定し、企業所得税、増値税を課すことを意味します。
中国に駐在員事務所を設置する目的は、本社への連絡または出資のための補助・準備的業務を行うことにあります。原則として、直接的な営業活動を行うことができないとされていることから、事業としての収入は発生しないため、課税対象とはならないと考えられます。また、日中租税条約によりこれらの駐在員事務所の行う活動は「恒久的施設」の除外要件に該当し、本来は非課税とされています。
したがって、これまでの駐在員事務所課税は、①駐在員事務所の開設後、非課税を申請し、税務当局の承認を受け申告不要とする方法がとられるか、②収入課税による申告方式をとることで、課税を免除する(課税の対象となる事業収入が原則的にゼロとなる=駐在員事務所は原則として直接的な営業活動を行わない)方法がとられていました。
2005年以前は子会社・支店設立に規制があったこと等の理由により、駐在員事務所が本来の活動内容に加え、実質的には支店に類似する準営業活動を行っていました。この場合は、準営業活動により利益を取得したとみなされ、課税されます。駐在員事務所の課税関係の判定基準を明確にするため、中国の税務局は2010年2月20日に外国企業の駐在員事務所の税金徴収および管理に関する暫定条例を公布し、設立後の登記管理、課税方法、推定利益率の改定などを行いました。
駐在員事務所課税を考える上で問題となるのは、恒久的施設(Permanent Establishment:PE)に認定されているか否かにより扱いが変わってくることです。
原則として駐在員事務所はその所得に対し課税されますが、日中租税条約に規定する恒久的施設に該当しない施設である旨を税務局へ申請し、その認定を受けたものに関しては、免税されることができます(「納税義務者」の項目を参照)。外国企業の駐在員事務所の税金徴収及び管理に関する暫定条例による変更点として補助的・準備的業務の判定基準の明確化があります。その内容は以下のとおりです。
・駐在員事務所の活動の対象が第三者の場合は、補助的・準備的業務とならないため、課税対象となる。
・駐在員事務所の活動が本店の業務と同様の場合は、補助的・準備的業務とならないため、課税対象となる
・駐在員事務所の活動が本店業務の重要な要素である場合は、補助的・準備的業務とならないため課税対象となる
以上を踏まえ、手続を行った後に税務当局へ関連の証明書を提出し、税務当局が判定後、免税の申請を行います。
また、税額計算方式が変更となりました。従来は業務の内容により、それぞれ課税計算の方法が規定されていましたが、同条例に基づき、原則として実質所得課税方式が適用されることになりました(「算出方法」の項目を参照)。
■課税対象となる活動
中国に駐在員事務所が設置される目的は、基本的には本社のための物品保管や情報収集、その他補助的または準備的な性格の業務を行うことです。
そのため、通常であれば課税対象とはならないはずですが、税務当局で実質的な駐在員事務所の業務に着目し課税の対象となるか否かを判定します。課税の対象活動ならびに課税の非対象活動は次のとおりです。
■算出方法
[実質所得課税方式]
収入から事業所経費等を控除し、課税所得を算出する方法です。算出した課税所得に基づき、増値税、企業所得税が課されます。実質所得課税方式は2010年以降の原則的な計算方法であり、この方法に基づいて課税所得を算出する必要があります。
この方法を適用するためには駐在員事務所が正確な帳簿を作成し、それを備え付けていなければなりませんが、実務上、作成していないことも想定されます。そのため、例外的に、以下の2つの方法により算出する場合もあります。
[経費課税方式]
経費支出からみなし収入を算出し、そのみなし収入に一定の割合の調整を加えて課税所得を算出する例外的な方法です。算出した課税所得に基づき、増値税、企業所得税が課されます。
経費支出は正確に算定することができても、収入、原価の額を正確に算定できない場合にこの方法が適用されます。
[みなし所得課税方式]
増値税
収入額=当期経費支出額÷(1-みなし利益率-増値税率)増値税額=収入額×増値税額
企業所得税
課税所得金額=収入額×みなし利益率企業所得税額=課税所得金額×企業所得税率
企業の実態に応じてみなし仕入率は変わりますが、15%を下回ることはできないとされており、実務上は15%とすることが多いです。2010年の条例制度以前はみなし仕入率は10%でしたが、それ以降は15%となっていますので注意が必要です。
また、駐在員事務所が、年間の換算収入が500万元を超えない場合は、小規模納税者としての扱いになるため、増値税率は3%になります。一方、500万元を超える場合は、一般納税者としての扱いになるため、増値税率は6%になります。なお、地方によって取り扱いが異なるケースがあるため、別途管轄の税務局へ確認を行うことを推奨します。
PE課税
恒久的施設
恒久的施設(Permanent Establishment:PE)とは、外国企業が中国国内に設けた、事業を行う一定の場所を指します。PEには、事業の管理場所、支店、事務所、工場等を含むとされており、外国企業が中国国内に設けた、事業を行う機能を有する施設等を指します。
外国企業が中国に何らかの拠点を持つ場合にPEに該当するか否かによって、課税関係の取り扱い等が異なってきます。
納税義務者
PE課税の納税義務者に該当するか否かは、当該施設がPEに該当するか否かにより決定されます。日中租税条約に基づくと、たとえ中国国内で事業を行う機能を有している施設でも以下の場合には、PEに該当しないとされております。
・物品等の保管、展示、引き渡しのためにのみ施設を使用する場合
・物品等の在庫を保管、展示、引き渡しのためにのみ保有する場合
・物品等の在庫を他の企業(当該施設の所有者以外)が加工するためにのみ保有する場合
・物品等の購入、または情報の収集のみを目的として、事業を行うためにのみ保有する場合
・その他の補助的・準備的な業務を行うことを目的として、事業を行うためにのみ保有する場合
なお、本社のための物品保管や情報収集、その他補助的または準備的な性格の業務を行う施設の場合はPEに該当しません。ただし、PEに該当するか否かは税務当局へ資料を提出し、税務当局が判定することになります。その際は各地域、各税務局に資料を提出することになりますが、PEの認定基準についてはそれぞれ解釈が異なることがあるため注意が必要です。
■PE判定に関する実務上の問題点
日本では考えにくいことですが、中国では各地域間だけでなく、国家税務局・地方税務局間、及び担当者によっても税務に関する取り扱いが異なることがあります(PEの判定も同様)。
このようなことが起こる理由の1つに、中国特有の税務当局の構造が挙げられます。中国では国家税務局と地方税務局の2つの機構がありますが、これらは上下の関係にあるものではなく、かつ情報交換の義務もないとされています。
そのため、地方税務局での税務上の取り扱いに応じて、国家税務局が税務上の取り扱いを決めるわけではなく、自らの判断に基づき決定することになります。すなわち、両税務局が連携していないために、一貫性のない税務の取り扱いがなされることがあります。
PEに認定されるか否かは、企業にとって税務上大きな影響を与えることから、不測の事態を避けるためにも、事前に専門家に相談し、十分に対策を立てておくことが重要となります。
課税関係
PEに認定されなかった場合は増値税が課税されますが、企業所得税は課税されません。個人所得税に関しても、短期滞在者免税規定が適用されると課税されません。
PEに認定された場合は、PEに認定されなかった場合と同様に増値税が課されるだけでなく、中国国内の所得、中国国外の所得のうちPEに帰属する所得に対して企業所得税も課税されます。個人所得税に関しても短期滞在者免税規定の適用はなく、中国での勤務日数に応じてPEから支給される所得に対して課税されます。
このように、PEに認定されると課税関係も増え、納税総額も増えるため企業にとっては負担になります。
【PE認定による課税の違い】
PEに該当しない場合 | PEに該当する場合 | ||
・増値税 ・短期滞在者免税規定が適用されない場合の個人所得税* | 課税あり | ・増値税 ・中国国内の所得、中国国外所得のうちPEに帰属する所得に対する企業所得税 ・PEから支給される所得に対する個人所得税 | 課税あり |
・企業所得税 | 課税なし | ||
*短期滞在者免税規定とは、日中租税条約のもと、一定の要件を満たす滞在者に対して、個人所得税の納税義務を免除するという規定です。要件は以下の3つがあり、そのすべてを満たす必要があります。
1.滞在日数が6カ月(183日)以下である:
滞在日数は、暦年(1月1日~12月31日)を単位として中国での滞在期間が183日以下であることが必要です。年をまたいで6カ月を超えた場合でも、暦年で183日を超えていない場合には6カ月以下の滞在とみなされます。
2.非居住者によって報酬が支払われている:
中国滞在者に対して支払われる報酬が、中国の居住者以外(非居住者)によって支払われていることが必要となります。
3.PEの非負担である:
中国滞在者に対して支払われる報酬が、PEの負担によるものでないことが必要となります。
実務上のPE認定に関する注意点
■6カ月(183日)以下の派遣
1985年に財政部及び国家税務局により定められた中日、中英租税条約の貫徹実施に関する若干の問題の処理意見では、監督活動、コンサルタントの役務提供の活動期間について以下のようにされています。
監督活動
当該工事プロジェクトに対し、準備活動を含め最初の人員が工事現場で作業を開始した日から作業がすべて終了し、引き渡しが完了した日までの期間が6カ月を超えるか否かにより、それがPEに該当するか否かを判定します。この期間は年をまたぐ場合でも6カ月で判定します(10月1日から、翌年5月31日までのプロジェクトの場合も、6カ月以上のプロジェクトと判定される。10月1日~12月31日、1月1日~5月31日には分けない)。
実務上注意すべき点は、派遣者の中国滞在日数が6カ月以下か否かではなく、その役務提供契約が通算で6カ月を超えるか否かで判定されることにあることです。監督活動に該当する場合、短期滞在者免税規定の6カ月基準の要件を考えるのではなく、その工事プロジェクトによって判断されます。
複数の作業を同一工事プロジェクトで行う場合は作業ごとに区分せず、その複数の作業を“一工事プロジェクト”とみなして判定されます。
コンサルタントの役務提供
コンサルタントの役務提供に関しても、派遣者の滞在期間でなく、役務提供契約が6カ月を超えるか否かにより判定されます。なお、監督活動と同様に、期間は年をまたぐ場合でも6カ月で判定されます。
実務上注意すべき点は、派遣者の派遣期間が6カ月以下の場合でも、中国国内に施設があり、そこで事業が行われている場合(中国で製造されており、その製造の指導のために日本の技術者が派遣される等)は、施設そのものがPEに該当する場合があります。つまり、その施設で製造した製品を日本が買い取り、日本国内で販売し収益を上げる場合は、事業とみなされ、PEに該当すると考えられるためです。
■PE認定のデメリット
PEに認定された場合、中国で企業所得税を納付することになりますが、その金額について日本で外国税額控除の適用を受けることができます。それは、中国で税金を納めるか日本で税金を納めるかの違いであり、あまり不利な点もないように感じられます。
しかしPEに認定されることにより個人所得税が追加で課される点、外国税額控除には控除限度額がある点(企業によっては、中国で納めた企業所得税が日本では控除できない場合がある)、中国の税制は近年においても多くの税制改正(2011年の増値税の大改正等)が行われており、税務リスクを予想することが難しい点について注意が必要です。
中国国内税法の個別論点
個人所得税
個人所得税は、自然人が獲得した各種所得に対して課されます。ここで指す自然人とは個人の工商業者等も含む点に注意が必要です。政府は個人所得税を課すことで、税収の確保を図るだけでなく、個人の収入を調整することを通じて個人間の格差是正も果たしています。
個人所得税の根拠法規は1980年に公布された中華人民共和国個人所得税法で、その後改正が行われ、現在は2018年度8月末改正(2019年1月1日施行)が適用されています。この改正時には中華人民共和国個人所得税法実施条例も改正されています。
■納税義務者
個人所得税の納税義務者に該当するか否かは、中国国内に住所を有しているか、或いは中国国内の居住期間によって判断されることとなります。
■課税標準
個人所得税の計算に当たり、課税標準(税額を算出する上で基礎となる価額)に該当する課税所得または該当しない免税所得かの分類が重要なポイントになります。
[課税所得]
個人所得税の課税所得は種類ごとに計算方法、税率等が変わります。
[免税所得]
以下の所得は免税所得として定められています。
・国または地方政府等から支給される科学、教育、技術、
文化、衛生、体育、環境保護等に対する奨励金
・国債および国が発行する金融債券の利子
・国の統一規定に基づいて発給される補助金、手当
・福祉給付金、弔慰金、救済金
・損害賠償金
・軍人の転業費、復員費
・国の統一規定に基づいて発給される幹部・職員の住居手当、
退職金、退休工資(年金)、離休工資(年金)、退職後の生活補助金
・中国の関連法規で免税対象と規定される各国の中国駐在大使館、
領事館等の大使、領事館員およびその他の人員の所得
・中国政府が当事者である国際条約、調印済み議定書の規定による非課税所得
・国務院財政部門の認可したその他の非課税所得
■計算方法
[賃金・給与所得]
給与所得の場合、個人所得税を個人が負担するか、或いは会社が負担するかにより、計算方法が異なります。
基礎控除額は外国人の場合4,800元、中国人の場合は3,500元となります。適用税率および速算控除額は以下の表のとおりです。
※課税所得額=収入金額-基礎控除
[個人による生産経営所得、請負経営、リース経営所得]
個人経営者の生産経営所得は次のように算式します。
納税額=(年収-原価・費用・損失)×適用税率-速算控除額
個人が事業として行う請負経営・リース経営所得は次のように算出します。
請負経営ならびにリース経営所得の適用税率および速算控除額は次の表のとおりです。
[役務報酬所得]
役務報酬所得の適用税率は基本的に20%ですが、課税所得(1回の収入金額×(1−0.2))が2万元を超える場合は税率が変動します。収入金額が4,000元を超える場合、控除可能な金額は異なるため注意が必要です。
※課税所得額=収入金額×(1–0.2)[最少800元]
[原稿報酬所得]
原稿報酬所得の適用税率は20%ですが、以下のように算式で(1−0.3)を掛けるため実質は14%となります(個人所得税法3条3項)。1回の収入金額が4,000元を超える場合は収入金額から控除できる金額が異なります。
1回の収入金額が4,000元以下の場合
納税額=(1回の収入金額-800元)×0.2×(1-0.3)
1回の収入金額が4,000元超の場合
納税額=1回の収入金額×(1-0.2)×0.2×(1-0.3)
[特許権使用料所得]
特許権使用料所得の適用税率は20%ですが、原稿報酬所得の場合と同様に、1回の収入金額が4,000元を超える場合は収入金額から控除できる金額が異なります。
1回の収入金額が4,000元以下の場合
納税額=(1回の収入金額-800元)×0.2
1回の収入金額が4,000元超の場合
納税額=1回の収入金額×(1-0.2)×0.2
[利息・配当所得]
利息・配当所得については1回の収入金額の20%が納税額となります。
[財産賃貸所得]
財産賃貸所得の適用税率は20%ですが、月収が4,000元を超える場合は収入金額から控除できる金額が異なります。
[財産譲渡所得]
財産譲渡所得の適用税率は20%ですが、収入金額から一定の費用を控除した金額に税率を掛けて納税額を算出します。また、個人が自家用に5年以上にわたり供していた住宅(他に住居用住宅を保有していない場合に限る)を譲渡して得た所得は免除されます。
財産所得
納税額=(収入金額-原価-費用)×0.2
[一時所得]
一時所得は1回の収入額の20%が納税額となります。ただし、スポーツくじ、災害復興専用くじ等については、1万元以下は免除されます。
月収が1万元以下の場合
免除
月収が1万元超の場合
納税額=1回の収入金額×0.2
■申告・納付
申告・納付には個人の自己申告と源泉徴収による申告・納税がありますが、ここでは個人の自己申告について述べます。
自己申告が必要となる場合は4つあり、それぞれに申告期限も異なるため注意が必要となります。納税者は、主管税務局へ申告する必要があり(年間所得が12万元以上の者は個人所得税納税申告書に加え、身分証明書のコピー等、主管税務局から要求されるその他資料の提出も必要)、その申告方式はデータ送信、郵送(書留のみ)、直接持参、税務代理資格を有する仲介機関、或いは他人による代理申告、その他主管税務局の規定に基づく方法のいずれによることもできます。
企業所得税
企業所得税は中国国内にある企業組織が得る生産経営所得、その他所得に対して課税される所得税です。また、企業の形態により課税対象の範囲、税率が異なります。
中国では、2008年以前は中国の国内企業と外国企業を区分し、別々の法律に基づき、それぞれに対して課税をしていました。その後、中国の国際的発展を背景に中国の国内企業と外国企業の税の格差を是正するため、2008年1月1日より税法を1つに統合(中華人民共和国企業所得税法)した結果、両者の税負担格差の多くが解消されることになりました。
■納税義務者
中国で納税義務の対象となる企業は、その設立の形態によって区分されます。企業の設立形態は、居住企業と非居住企業の2つがあり、課税される所得の範囲が異なります。
[居住企業]
居住企業は、中国国内、国外の源泉所得について企業所得税の納付が義務付けられています。
[非居住企業]
非居住企業が中国国内において組織・拠点(企業の生産経営、人員、経理財務等に対して実質的に管理支配している組織)を設置している場合、中国国内源泉所得および中国国外において発生したもののうち、組織・拠点と関係がある所得について企業所得税の納付が義務付けられています。
非居住企業が中国国内において組織・拠点を設置していない場合や、組織・拠点を設置したものの取得した所得がそれらと関係性を有しない場合には、中国国内源泉所得について企業所得税の納付が義務付けられています。
駐在員事務所は非居住企業に該当し、原則として課税対象となりますが、一定の要件を満たす場合には免税となります。
■課税標準の算出
標準となる課税所得額は、日本と同様に会計上算出された税引前利益に一定の調整を加えて算出されます。
具体的には中国の会計基準に基づき発生主義(「益金の額」および「損金の額」の項目を参照)による各納税年度の収入総額から原価、費用および損失(損失には、補塡することが認められる過年度の損失額も含む)を控除し、損金不算入項目の加算、益金不算入項目の減算等の税務調整後、さらに非課税収入や免税収入を調整します。この調整後の損益が課税所得額となります。
企業は年度の監査報告書に申告調整のための納税調整表を添付することが義務付けられています。この納税調整表は、日本の税務申告書別表四に相当します。日本と違い、様式は基本的に規定されておらず、別表五に相当する資料はありません。
確定申告方式による企業所得税の税額算定に至るプロセスは次のとおりです。
■税率
課税標準に税率をかけて企業所得税額を算出します。企業所得税の基本税率は25%ですが、以下のように業種によって異なる場合もあるため注意が必要です。
■益金の額
企業所得税法における益金については、日本同様に発生主義により算定されます。現金主義と異なり、実際に対価を受取ったかどうかにかかわらず、期間内に発生した収益については、その期間の益金の額に含める必要があります。
しかし、前受収益のように対価を受け取った場合であっても、当期収益に帰属しない場合には、当期の益金の額に含まれません。
なお、以下の事業については例外的に収益認識について、別段の定めが設けられています。
■損金計上
企業が申請する損金は真実かつ合法なものであることが求められます。つまり、実際に支出の発生があったことを立証する証憑を提出できること、また税法の規定に基づいて処理を行っていることが必要です。
損金の額は発生主義により認識しますが、損金計上には一定の制限があります。その特殊な例として減価償却のタイミングが挙げられます。中国では固定資産を使用開始した月には減価償却を行わず、翌月から償却を行います。
■減価償却費
減価償却費とは固定資産の費用化を指します。固定資産購入時には資産として計上し、使用頻度や使用年月に応じてその資産額の一部をを減価償却費として費用化していきます。
[固定資産の取得価額]
固定資産を購入した場合、搬入費、据付費ならびにその他の付随費用で使用開始以前に生じたものを含めた総費用が取得価額になります。固定資産の購入に係る増値税は、固定資産の取得価額に算入されます。その他、取得原価に含まれるものとして、主に以下のものが挙げられます。
ファイナンス・リース固定資産
リース契約に約定された支払総額(リース契約を締結する過程で発生した借手が負担した関連費用も含む)。
固定資産購入のための借入利息固定資産購入のための借入金の支払利息のうち固定資産が業務として使用される以前に生じた部分。
自家建設した固定資産
竣工前に発生した金額。
現物出資
投資者が確認し、資産評価事務所の評価を経た金額。
贈与により取得した固定資産
贈与者からの証憑がある場合は、その証憑に記載された金額と付随費用等を加えた金額。
【固定資産の耐用年数】
資産の種類 | 耐用年数 | |
建物・構築物 | 20年 | |
機械設備、列車、船舶 | 10年 | |
林木類 | 10年 | |
輸送機器、工具・器具・備品 | 5年 | |
航空機、電車汽車、船舶以外の運搬具 | 4年 | |
電子設備 | 3年 | |
長期前払費用 | 3年 | |
畜類 | 3年 | |
無形固定資産* | 契約期間の制限あり | 契約期間 |
契約期間の制限なし | 10年以上 | |
*のれんに関しては、新会計準則に基づき非償却となる。
[長期前払費用]
企業で発生した以下の支出は、長期前払費用として規定に基づき償却することができます(企業所得税法13条、同法実施条例68条,69条)。
・減価償却済みの固定資産の改良支出
・リース固定資産の改良支出
・固定資産の大修理支出
・その他長期前払費用とすべき支出
改良支出とは建物や構築物の構造の変更、耐用年数の延長などのために発生する支出をいいます。固定資産は見積残存耐用年数、リース固定資産は残存リース期間に基づき償却されます。
固定資産の大修理とは、修理支出が固定資産を取得した時の課税基礎の50%以上に達し、修理後の固定資産の耐用年数が2年以上延長されるものを意味します。
[減価償却費の計上]
固定資産の減価償却費は、固定資産の使用開始月の翌月から計上することになります。使用を停止した固定資産に関しては、使用停止の翌月から減価償却費の計上を停止することになります。
[償却方法]
減価償却の方法は原則として定額法で行われます。ただし、以下の固定資産に関しては、耐用年数の短縮または加速度償却を採用することができます(企業所得税法32条、同法実施条例98条)。
・技術進歩により、製品のモデルチェンジが速い固定資産
・年中振動が激しく、腐食しやすい状態にある固定資産
耐用年数の短縮を採用する際、新規購入の固定資産の場合は企業所得税法上による法定減価償却年数の60%を限度とし、中古の固定資産の場合は残存耐用年数の60%を限度とします。加速償却方法として、200%定率法や級数法が認められています。
耐用年数の短縮、加速償却を採用するためには以下の諸手続が必要となります。以下の要件を満たしていない場合は、主管税務局が企業に対し当該規定の適用の停止を要求します。
・当該固定資産の取得後1カ月以内に主管税務局への届出
・企業所得税の年度末申告時に、主管税務局による当該固定資産の実地検査
[残存価額]
残存価額は企業ごとに固定資産の性格、使用状況に応じ、固定資産の予定使用期間終了時における見積処分価額から見積処分費用を控除した金額とされます。これは新企業会計準則(10章「会計」を参照)の規定に合わせたものです。
■その他損金算入される費用
[管理費等]
企業間で支払った管理費、企業内部の営業期間で支払った賃借料および特許権使用料ならびに非銀行企業内部営業期間で支払った利息は損金不算入となります。
[広告費および業務宣伝費]
原則として、当年度売上収入(企業の主要業務およびその他の売上高ならびに税法に規定するみなし売上高を含み、営業外収入を除く)の15%まで損金算入が可能とされています。超過額に関しては次年度以降に繰越すことができます。
化粧品製造・販売、医薬品製造、飲料製造(酒類は除く)企業で発生した広告費および業務宣伝費については、当年度の売上収入の30%まで損金算入することができます。
しかし、たばこ企業における、たばこに関する広告宣伝費および業務宣伝費は損金不算入となります。
[資産損失]
資産損失については、企業が当該資産損失の認識条件を満たすことを証明する証拠資料が必要となります。以下に主な資産に関する証拠資料を例示します(以下に掲げるもの以外にも、税法に定めるその他書類、証憑等も含む。詳細は企業資産損失企業所得税税前控除管理弁法16条~36条に定められている)。
資産損失の認識条件を満たすことを証明する法的効力を有する外部証拠、特定事項に係る企業の内部書類としては主に以下のものがあります。
・法的効力を有する外部証拠
・司法機関の判決文、裁定書
・公安機関の案件決済書、回答書
・工商部門が発行する抹消・休業証明書
・企業の破産清算公告、弁済文書
・行政機関の公的文書
・その他税法に定める書類、証憑等
特定事項に係る企業の内部書類
・会計処理に係る資料と原始証憑
・資産棚卸表
・経済行為の取引契約書
・企業内部の技術鑑定部門が発行する鑑定文書や資料
・企業内部の決裁文書、状況に関する説明書類
・その他税法に定める書類、証憑等
[貨幣性資産に係る損失]
貨幣性資産とは、現金または現金化可能な状態になっている資産を指します。貨幣性資産の滅失等による損失は、以下の書類が存在することを条件に損金算入することが可能になります。
現金損失
・現金棚卸表、棚卸差損に対して行う説明と関連する社内審査文書
・現金保管者が棚卸差損に対して行う説明と関連する社内審査文書
・責任者(現場監督者等)による損失責任認定と賠償状況の説明
・損失の原因が刑事犯罪に係る場合は、司法機関から発行される関係資料
・金融機構が発行する偽札取り上げ証明書
銀行預金に係る損失
・預金類資産の原資証憑
・金融機関の破産、清算に係る法的文書
未収金、前払金に係る損失
・関連事項契約書、協議書または説明書
・債務者の破産、清算によるものに該当する場合は、人民裁判所が発行する破産ならびに清算公告
・債務者の休業によるものに該当する場合は、工商局が発行する営業許可証の抹消ならびに取消証明書
・債務者の死亡または行方不明によるものに該当する場合は、公安機関関連部門が発行する債務者の死亡や行方不明に関する証明書
・債務再編によるものに該当する場合は、債務再編協議書およびその債務者の債務再編に関する納税状況説明書
・自然災害、戦争などの不可抗力によって回収不可のものに該当する場合は、債務者の災害遭遇状況に関する説明書および債権放棄表明書
※期限が3年を超えた未収金、または期限が1年を超えた一定の未収金*を損失処理している場合は貸倒損失として計上ができます。ただし、それに関する状況説明と特別報告を発行する必要があります。
*1口の金額が5万円を超えるまたは企業の年度収入の1万分の1を超えない未収金
[非貨幣性資産に係る損失]
非貨幣性資産とは、固定資産や棚卸資産など投資回収が終わっていない状態にある資産を指します。非貨幣性資産の滅失等による損失は以下の書類が存在する事を条件に損金算入することが可能になります。
棚卸資産の差損(損失額から賠償金を控除した金額)
・棚卸資産の課税基礎原価の確定依拠資料
・企業内部の責任認定、責任者の賠償状況の説明と内部決裁書類
・企業内部の棚卸資産廃棄、毀損、品質低下、残存価額に関する説明書および確証資料
・棚卸資産の実地棚卸表
・棚卸資産損失に関する保管者の説明書
棚卸資産の盗難損失(課税基礎原価から賠償額を控除した金額)
・棚卸資産の課税基礎原価の確定依拠資料
・公安機関へ提出する届出書類
・棚卸資産の管理責任者や保険会社の賠償に関する場合、賠償状況に係る説明書等
固定資産の棚卸差損、紛失損失(損失額から賠償金を控除した金額)
・企業内部の責任認定および確証資料
・固定資産の実地棚卸表
・固定資産の課税基礎に関連する資料
・固定資産の棚卸差損、紛失の状況資料
・損失金額が大きい場合は専門技術鑑定報告或いは法定資格を持つ仲介機構が発行する特別報告書等
固定資産の廃棄・毀損等の損失(帳簿価額から残存価額、賠償金を控除した金額)
・固定資産の課税基礎に関連する資料
・企業内部での関連責任認定および確証資料
・企業内部の関連部門が発行する鑑定資料
・固定資産の管理責任者の賠償にかかる場合、賠償状況に関する説明資料
・損失金額が大きい場合、自然災害等の不可抗力による固定資産の毀損・廃棄に関する場合は、専門技術鑑定意見書または法定資格を有する仲介機構が発行する特別報告書等
固定資産の盗難損失(帳簿価額から賠償金を控除した金額)
・固定資産の課税基礎に関連する資料
・公安機関へ提出する届出書類、公安機関での事件処理に関連する証明材料
・固定資産の管理責任者の賠償に関する場合は賠償責任認定および賠償状況に関する説明資料等
[貸倒引当金]
会計上は貸倒引当金の設定は可能ですが、税務上は原則として貸倒引当金繰入額は損金とはなりません。最終的に貸倒損失となった段階で損失として計上することが認められています。
[減損引当金]
企業所得税法上、減損引当金は費用または損失として処理することが認められていません。ただし、損金計算された資産損失のうち、企業が所有または支配する資産※を実際に処分、譲渡する過程で発生した合理的な損失(実際資産損失)および企業が資産を実際に処分、譲渡していないが一定の条件を満たして計算・認識した損失(法定資産損失)は認められます。
実際資産損失は、実際に発生し、会計上での損失処理が行われた年度にその控除を申請しなければなりません。法定資産損失については、企業が当該資産損失の認識条件を満たすことを証明する証拠資料を主管税務局へ提出し、会計上での損失処理が行われた年度にその控除を申請する必要があります。
資産損失の確認書類として、法的効力を有する外部証拠と特定事項に係る企業の内部書類が必要になります。
※現金、銀行預金、未収金や前払金項目(受取手形、立替金、企業間の債務債権含む)などの貨幣性資産、棚卸資産、固定資産、無形固定資産、建設仮勘定、生産性生物資産等の非貨幣性資産および債権性投資と持分性投資
[交際費]
交際費は、発生額の60%まで(ただし当年度売上高の0.5%が上限)損金の額に算入することができます。
[給与関連]
通常、給与の額は損金算入が可能です。社会保険料、商業保険料も国または省が規定する範囲や基準に基づいた範囲で損金算入できます。
従業員福利費は給与総額の14%、組合経費は給与総額の2%を上限に損金算入することが可能です。従業員の教育費に関しては、給与総額の2.5%を上限として当期に損金算入できます。超過部分は翌期以降に繰越すことができます。
[寄付金]
年度の利益総額の12%を上限に損金算入できます。ただし、損金算入できる寄付金は公益性社会団体、省レベル以上の政府部門を通じて支出する寄付金に限ります。
[コミッション]
企業において発生した生産経営と関連するコミッション(手数料)は、以下に規定された計算限度額までは損金算入できますが、超過した部分は算入できません。
■特殊なケースにおける資産評価額
[企業結合会計]
持分または資産の買収の場合
買収企業は、取得する持分や資産の課税基礎額を公正価値により評価します。一方、被買収企業は持分や資産の譲渡に係る損益を認識する必要があります。
合併の場合
合併企業は被合併企業から受け入れる各種資産、負債の課税基礎額を公正価値に基づき評価します。被合併企業は精算の場合と同様に所得税計算を行う必要があります。
分割の場合
分割企業は受け入れる資産の課税基礎額を公正価値に基づき評価します。被分割企業は、分割した資産について公正価値を持って評価し損益を認識します。
[ファイナンス・リース取引]
ファイナンス・リースにより賃貸した固定資産は、リース契約に約定された支払総額に加え、契約するまでにかかった関連費用を課税基礎額とします。支払総額がリース契約に約定されていない場合は、当該資産の公正価値に加えて契約するまでにかかった関連費用を課税基礎額とします。
[金融商品]
金融商品は、実際に処分または決済したときにその処分価額と取得原価の差額を課税所得上の所得金額として計上するため、公正価値で評価した場合には税務上調整が必要となります。
■その他
[欠損金の繰越]
企業の納税年度において発生した欠損金(各納税年度の収入総額から非課税収入、免税収入を除き、各種損金項目を差し引いた金額がマイナスとなる場合)は繰越すことができ、以後の年度の所得から控除することができます。繰越年数は最長5年です。
[減免制度]
中国では以下の①~⑨における特定の産業ならびにプロジェクトに関しては税務上、免税または減税の制度が設けられています(企業所得税法27条、実施条例86条~91条)。
①農業、林業、牧業、漁業
農業、林業等により取得する所得は企業所得税が減免されています。
②インフラストラクチャープロジェクト
国家が重点的に支援するインフラストラクチャープロジェクト(港湾埠頭、空港、鉄道、道路、都市公共交通、電力、水利等のプロジェクト)の投資経営に従事して得る所得は三免三減*の期間減免税がとられています。
*納税年度から起算して第1~第3年度までは企業所得税が免除され、第4~第6年度までの企業所得税は半減される制度。
③環境保護、省エネルギー、節水プロジェクト
財政部、国家税務局等によって制定された環境保護、省エネルギー、節水プロジェクト企業所得税優遇目録に規定されている、公共汚水・ゴミ処理、メタンガスの総合利用、省エネルギーかつ排出量削減のための技術改造、海水の淡水化等のプロジェクトに従事して得る所得は、インフラストラクチャープロジェクト同様に三免三減の期間減免税がとられています。
④環境保護、省エネルギー、節水プロジェクトの専用設備投資
企業が一定の設備(環境保護専用設備企業所得税優遇目録および省エネルギー・節水専用設備企業所得税優遇目録ならびに安全生産専用設備企業所得税優遇目録が規定する設備)へ投資した額は、(購入後、自ら使用する場合)その設備投資額の10%を企業の納税額から控除することができます。
控除しきれない場合は5年間の繰越ができます。ただし、設備購入後5年以内に当該設備を譲渡(リース含む)した場合には、当該優遇制度は適用されず、既に控除した税額は納付する必要があります(企業所得税法34条、同法実施条例100条)。
⑤技術譲渡プロジェクト
一納税年度内に、居住企業の技術譲渡所得が500万元を超えない部分については、企業所得税は免除され、500万元を超える部分に対し企業所得税は半減されます。
③と⑤のプロジェクトを減免適用される期間内に譲渡した場合、譲受者は譲渡を受けた日から残りの期間についてのみ継続して減免を受けることができます(企業所得税法実施条例89条)。
⑥民族自治区内の企業
省、自治区、直轄市の人民政府の認可を得た民族自治区の自治機関は、同一民族自治地方の企業が納付すべき企業所得税のうち地方税に帰属する部分について軽減または免除を決定することができるとされています(企業所得税法29条)。
⑦企業の支出の損金算入
企業が支出する以下の項目については、実際の発生額に加えて以下の費用の損金算入が認められています(企業所得税法30条、同法実施条例95条・96条)。
・新技術、新製品、新工程の開発により生じる研究開発費(実際発生額×50%)
・障害者および国家が雇用を奨励するその他の従業員を雇用して支給された給与(実際発生額×100%)
⑧ベンチャーキャピタル企業
国家が重点的に支援、奨励する必要のあるベンチャービジネスに従事する企業に投資するベンチャーキャピタル企業は、投資額の一定割合を課税所得から控除することができます(企業所得税法31条、同法実施条例97条)。
ベンチャーキャピタル企業が持分投資の方式により未上場の中小ハイテク企業に2年以上投資した場合、持分投資が満2年になった年度にその投資額の70%を当該ベンチャーキャピタル企業の課税所得から控除することができます。当年度に控除できない金額は翌期以降に繰越控除することができます。
⑨資源総合利用企業所得税優遇目録上の企業
資源総合利用企業所得税優遇目録が規定する資源を主要原料として、国家および業界の関連基準に合致する製品(国家が制限禁止するものを除く)の生産により取得した収入に関しては、90%に減額して収入総額とすることができます(企業所得税法33条、同法実施条例99条)。
[税額控除]
中国には、日本と同じように外国税額控除制度があります。
①外国税額控除
企業が取得した所得のうち以下の課税所得については、国外で納付した所得税税額はその当期納税額から控除することができます。
・居住企業の中国国外源泉の課税所得
・中国国内に機構、拠点を有する非居住企業が取得した課税所得のうち、中国国外において発生したが当該機構、拠点と実際の関係がある課税所得
税額控除には限度額があり、当該所得につき企業所得税法の規定に基づき計算された納税額が限度額となります。控除限度額を超える部分については、翌期以降5年度以内に、各年度の控除限度額内において当期の控除税額を差し引いた残額から繰越控除することができます。
中国の外国税額控除は国別に控除限度額を算出する国別限度額方式です。日本の場合は国別で算出しないため、一括限度額方式と呼ばれています。
②外国企業が国外で納付した所得税
居住企業が国外支配企業(直接或いは間接的に支配する外国企業)から取得した中国国外の株式利子、配当金等に係る収益について、国外支配企業が国外で実際に納付した所得税額は①で説明したとおり、企業所得税法が規定する控除限度額の範囲で控除することができるとされています。
③税額計算
企業所得税は居住企業に関してはその課税所得に対し25%の税率に基づき税額が計算されます。非居住企業に関しては、中国国内に有する施設がPE(恒久的施設)に該当する場合はその中国国内の所得、また中国国外所得のうちPEに帰属する所得に関しては25%の税率に基づき税額が計算されます。中国国内に機構・施設を有しない企業が中国国内で配当、利子所得または使用料等の所得を得た場合は、その所得に対して10%の軽減税率に基づき税額が算出されます。
■企業所得税の申告方法
[確定申告]
事業年度の末日から5カ月以内に申告及び納付をしなければなりません。
確定申告を行う際は、主管税務局へ年度企業所得税納付申告表を提出するとともに、規定に基づいて財務会計報告書およびその他の関連資料(地方によっては監査報告書の提出を求められる)を提出する必要があります。中間申告により予定納付を行う際も同様となります。
[中間申告]
企業所得税は月ごとまたは四半期ごとの実際の課税所得に基づいて予定納税するのが原則となります。実際利益額に基づく納付が困難な場合には前年度の課税所得の4分の1に対応する税額を納付することも可能です。
ただし、予定納付方法が確定した後は安易に変更することは認められていません。月ごとまたは四半期ごとのいずれにするかは税務機関が査定し、企業はそれに基づき、月または四半期の末日から15日以内に税務機関に企業所得税予納申告表を提出し、税金を納付しなければなりません。
[納税地]
居住企業は企業の登録地を納税地とします。登録地が国外の場合は実際の管理機構の所在地を納税地とします。非居住企業が企業所得税法3条2項に定める中国源泉所得を取得した場合は、機構、場所の所在地を納税地とします。非居住企業が中国国内に2カ所以上の機構、場所を有している場合は、税務機関の許可を経て、主たる機構、場所が企業所得税を一括で納めることもできます。(企業所得税法50条、51条)
[年度の途中で経営活動を終了した場合]
企業が年度の途中で経営活動を終了する場合は、経営活動の終了の日から60日以内に、税務機関で当期の企業所得税の確定申告を行わなければなりません。
その他の各種租税
■増値税
増値税は物品の販売を課税対象とし、いわゆる付加価値税にあたる流通税類の1つです。主に物品の販売・加工・修理・修繕の役務の提供および貨物の輸入取引が該当します。
中華人民共和国増値税暫定条例を根拠法規とし、実施細則に加えて多くの関連通達が出されており、2009年に改定された同施行条例およびその実施準則が施行されています。以前は、建築・据え付け業、運輸業などに対しては、営業税が課税されておりましたが、2016年5月より増値税に統一されております。
[納税義務者]
納税義務者は中国国内で物品の販売または加工、修理、組立修理等の役務を提供するか、物品を輸入する組織および個人を指します。
納税者は売上規模により一般納税者と小規模納税者に分けられます。両者の納税額の計算や方法等が大きく異なる点に注意が必要です。
増値税の納税者は、一般納税者と小規模納税者で区分管理されております。さらに、それぞれ、資格要件・増値税計算方法・増値税発票発行方法等が異なります。資格要件については、サービス業の会社の場合、年間課税売上高が500万元以上の会社は一般納税者を選択しなければいけませんが、年間課税売上額が500万元未満であれば、一般納税者と小規模納税者どちらかを選択することが実質的に可能です。
ただし、一般納税者を選択するには、製造企業50万元・商業企業80万元の年間課税売上高があること、会計処理体制が健全であること、適切な税務資料の提出が可能であることが求められます。
小規模納税者とは売上高が一定の基準以下にある納税義務者をいいます。小規模事業者以外の納税者は一般納税者として扱われることになります。一定の基準以下の売上高とは、対象納税者の売上高が基準以下である場合、またはその他一定の場合を指します。(中华人民共和国增值税暂行条例、实施细则第28条)
[課税標準]
売上税額
物品の販売・役務の提供の売上高は、納税者が物品の販売、または役務の提供により受取った販売代価の全額と代金以外の費用(手数料、違約金、包装費用、保存費用、運賃等)の合計です。
課税標準額は人民元により計算し、人民元以外の通貨により取引を行った場合でも人民元に換算しなければなりません。販売当日または当月1日の為替レートで計算します。為替レートは選択適用ですが、決定した後1年間はその選択を変更することができない点に注意が必要となります。
なお、以下の行為はそれぞれの物品販売とみなされ、増値税の課税対象となります。
・物品をその他の組織単位または個人に引き渡し委託販売した場合
・貨物の受託販売
・2カ所以上の機構を有し、合算して納税を行う納税者がその機構間で貨物を販売するために移送する場合(同一県または同市内の場合を除く)
・自社製造、委託加工品を増値税非課税項目に用いる場合
・自社製造、委託加工品を集団福利または個人で消費する場合
・自社製造、委託加工品を投資目的で他の組織単位或いは個人に提供する場合
・自社製造、委託加工品、または購入貨物を株主、投資者に分配する場合
・自社製造、委託加工品、または購入貨物を無償でその他の組織単位或いは個人に提供する場合
上述の場合の売上税額が不明確な場合には、以下の方法により売上税額を算定します。
・納税者の直近の同類物品の平均売上原価により算定
・その他の納税者の直近の同類物品の平均売上原価により算定
・課税標準価格により算定
また、以下の物品に関しては、販売された場合でも非課税として取り扱います。
・農業生産者が販売する自作農産品
・避妊に係る薬品、用具
・古書
・科学研究・試験および数学に用いるために輸入する器具、設備
・外国政府または国際組織の無償援助で輸入する物資、設備
・身体障害者組織が身体障害者に提供するために輸入する専用物品
・自己使用した後に販売する物品
仕入税額
売上高から控除できる仕入税額は以下のとおりです。ただし、この場合も真実かつ合法的ものである必要があります(原則として増値税専用発票、輸入品増値税納税証明書が必要)。
・物品の購入または販売、生産の過程において支払った運送費用に係る運送費用決済書に明記された運送費用金額と7%の控除率に基づき計算した仕入税額(増値税条例8条1項4号)
・農産品の購入の際に農産品購入発票、販売発票上に明記された農産品の買入価格と13%の控除率に基づいて計算した仕入税額(増値税専用発票、税関輸入増値税専用納税証明書を取得する場合を除く)
・税関または仕入先から取得した税関輸入増値税専用納税証明書に明記された増値税額
以下の仕入税額は売上税額から控除することができません。
・増値税非課税項目、免税項目、または集団福利ならびに個人消費に用いるための物品の購入、役務の提供
納税者区分 | 具体的課税対象活動 | 増値税率 | 備考 | |||||
小規模納税者 | 物品売買、加工、修理、各種労務サービス等。 | 3% | 仕入れ控除なし。 ※優遇政策により、増値税率1%となることあり | |||||
一般納税者 | 物品売買・輸入貨物(下記で定めるものを除く)、加工、修理サービス等。 | 13% |
| |||||
1.穀物、植物油、牛乳。 | 9% |
| ||||||
2.水道水、暖房、冷房、熱水、ガス、液化石油ガス、天然ガス、バイオガス、家庭用石炭製品。 |
| |||||||
3.図書、新聞、雑誌。 |
| |||||||
4.飼料、肥料、農薬、農業機械(マシン)、農業用フィルム |
| |||||||
5.国務院が規定するその他の貨物 |
| |||||||
6.農産物(各種動物、植物)、音楽映像製品、電子出版物、ジメチルエーテル 、食塩 |
| |||||||
輸出貨物 | 0% |
| ||||||
増値税改革後の一般納税者 | 販売サ│ビス | 交通運輸サ│ビス | 陸路運輸サービス | 鉄道運輸サービス | 9% |
| ||
その他陸路運輸サービス |
| |||||||
水路運輸サービス | 航海用船 | VoyageCharter。主として、用船者(荷主・運航業者等)が、特定2港間の1航海又は数航海について運賃率やその他条件等を船主と取決めて行う用船のこと。 | ||||||
定期用船 | TimeCharter。用船者が6ヵ月、1年等の特定期間をあらかじめ定めて行う用船のこと。 | |||||||
空港運輸サービス | 航空運輸のウェット・リース |
| ||||||
パイプライン運輸サービス | フレイトフォワーダー業務 | ※无运输工具承运业务:輸送手段を持たず、他の航空輸送業者に貨物を委託して執り行う業者を指す。 | ||||||
郵政サ│ビス | 郵政普通サービス | 手紙 | 9% |
| ||||
小包 |
| |||||||
郵政特殊サービス | 郵政特殊サービス |
| ||||||
その他郵政サービス | その他郵政サービス、切手冊子等の売買、郵政代理等の郵政活動。 |
| ||||||
電信サ│ビス
| 基礎電信サービス | 基礎電信サービス | 9% |
| ||||
付加価値電信サービス | 付加価値電信サービス | 6% |
| |||||
建築サ│ビス
| エンジニアリングサービス | エンジニアリングサービス | 9% |
| ||||
据え付けサービス | 据え付けサービス |
| ||||||
修繕サービス | 修繕サービス |
| ||||||
装飾サービス | 装飾サービス |
| ||||||
その他建築サービス | その他建築サービス |
| ||||||
金融サ│ビス | 貸付サービス | 貸付 | 6% |
| ||||
セール・アンド・リースバックファイナンス |
| |||||||
直接収益金融サービス | 直接収益金融サービス |
| ||||||
保険サービス | 人身保険サービス |
| ||||||
財産保険サービス |
| |||||||
金融商品の譲渡 | 金融商品の譲渡 |
| ||||||
その他金融商品の譲渡 |
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現代サ│ビス | 研究開発及び技術サービス | 研究開発サービス | 6% |
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合同能源管理サービス※ | ※英語では、EPC - Energy Performance Contracting。省エネにつながる投資や保守管理費用を省エネ事業者が施主の代わりに負担し、省エネによって削減できた費用から一定期間のうちに、それに見合う代金を省エネ事業者が施主から回収するというビジネスモデルを指す。 | |||||||
エンジニアリング調査探査サービス |
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専門技術サービス |
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情報技術サービス | ソフトウエアサービス | 6% |
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回路設計およびテストサービス |
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情報システムサービス |
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業務プロセス管理サービス |
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情報システム付加価値サービス |
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文化創意サービス | 設計サービス | 6% |
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知的財産サービス |
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広告サービス |
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会議展覧サービス |
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物流補助 サービス | 航空サービス | 航空地上サービス | 6% |
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一般的航空サービス |
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港及び埠頭利用サービス | 6% |
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貨物旅客乗り場サービス |
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レスキューサービス |
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積み下ろし運搬サービス |
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入庫サービス |
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集配サービス | 受取サービス | 6% |
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分別サービス |
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配送サービス |
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リースサービス | ファイナンスリースサービス | 有形動産のファイナンスリースサービス | 9% |
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不動産ファイナンスリースサービス | 9% |
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オペレーティングリースサービス | 有形動産のオペレーティングリースサービス | 9% |
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不動産オペレーティングリースサービス | 9% |
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保証コンサルティングサービス | 認証サービス | 6% |
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保証サービス |
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コンサルティングサービス |
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ラジオ・テレビサービス | ラジオ・テレビサービスプログラム(作品)制作業務 | 6% |
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ラジオ・テレビサービスプログラム(作品)配信サービス |
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ラジオ・テレビサービスプログラム(作品)放送サービス |
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ビジネス補助業務 | 企業管理サービス | 6% |
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ビジネス代理サービス | 貨物運輸代理サービス | 6% |
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代理通関サービス |
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人材サービス | 6% |
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セキュリティサービス |
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その他現代サービス | その他現代サービス | 6% |
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生活サ│ビス | 文化・体育サービス | 文化サービス | 6% |
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体育サービス |
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教育医療サービス | 教育サービス |
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医療サービス |
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観光・娯楽サービス | 観光サービス |
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娯楽サービス |
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レストラン・宿泊サービス
| レストランサービス |
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宿泊サービス |
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住民日常サービス |
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その他生活サービス |
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無形固定資産売買 | 技術 | 専門技術サービス | 6% |
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非専門技術サービス |
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商標 |
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著作権 |
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のれん |
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その他収益性無形資産 |
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自然資源使用権
| 海域使用権、探査権と採掘権、水利権、その他の天然資源の使用権利 |
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土地使用権 | 9% |
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不動産売買 | 建築物 | 9% |
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構築物 |
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・管理不良のための盗難による紛失、腐敗変質による損失に係る物品の購入、役務の提供
・管理不良のための盗難による紛失、腐敗変質による損失に係る仕掛品、製品に係る物品の購入、役務の提供
・財政部、国家税務局が規定したその他の場合
・上記に規定する物品の運送に係る運送費用
[税率]
税率は課税対象に応じて以下のように規定されています。
【増値税改革後の最新増値税税率表】
*付注:一部不動産売買およびリース行為の税率は5%。それ以外の小規模納税者及び一般納税者の特定行為の税率は3%となります。
[算出方法]
一般納税者の物品販売・役務の提供
増値税は月ごとに納付します。計算式は次のとおりです。
納税額=売上税額*1-仕入税額*2
*1売上高×税率
*2増値税専用発票の増値税額合計
増値税専用発票がないものや増値税専用発票に増値税額の記載がないものは仕入税額として控除することができません。製造業は、輸送業者からの領収書金額の7%を仕入税額として、売上税額から控除することができます。
仕入税額が売上税額を超える場合は、その差額は翌月以降に繰越して控除することができますが、控除しきれない部分が残っても還付することは認められません。輸入の場合、増値税の納税額は次のように算出します。
(関税課税価格+関税+消費税)×税率
小規模事業者の物品販売・役務の提供
納税額=売上高×0.03
物品輸入
納税額=課税標準額※×税率
※関税課税価格+関税+消費税
[申告・納付]
増値税の申告期間は、1日、3日、5日、10日、15日ごと、または1カ月、四半期ごとと定められています。これらの申告期間は、納税者の納税額の大小に基づいて納税者の主管税務機関が決定します。納付期限は申告期間に応じて次のようになります。
納税先は原則として、納税者の機構所在地の所轄税務機関です。本部機構と支部機構が同一の省にない場合は、それぞれの所在地の所轄税務機関に申告・納付します。
ただし、財政部、国家税務局またはその権限を有する機関の承認を得た場合は、本部機構の所在地の所轄税務機関に申告・納付することができます。輸入の場合は、通関地の税関に対して申告・納付します。
個人事業者の課税売上高が以下の基準額に満たないときは、申告納税が免除されます。ただし、各地方政府の対応が異なり、税務機関と相談の上で基準額を変更する場合もあるため注意が必要です。
■消費税
消費税とは、特定の嗜好品ならびに奢侈品等の消費物品または消費行為を課税対象とする流通税です。課税消費物品は条例により14品目が規定されており、品目・細目ごとに税率および単位当たりの税額が異なります。
消費税の基本的骨格は1993年の税制改革によって形成され(1994年1月1日施行)、中華人民共和国消費税暫定施行条例を根拠法規としています。2009年に改定された同施行条例およびその実施準則が施行されています。
[納税義務者]
中国国内で特定の消費物品の生産、委託加工および輸入する組織単位ならびに個人が納税義務者となります。
[課税標準]
消費税の課税対象となる品目は以下のとおりです。
・煙草
・酒、アルコール類
・化粧品
・貴金属・アクセサリー類、宝石
・爆竹、花火
・製品油
・自動車タイヤ
・オートバイ
・小型自動車
・ゴルフボールおよびゴルフ用品
・高級腕時計
・ヨット
・木製割箸
・天然木製床板
課税標準額は人民元により計算し、人民元以外の通貨により取引を行った場合でも人民元に換算しなければなりません。取引発生当日または当月1日の為替レートで計算します。為替レートは選択適用ですが、決定した後1年間はその選択を変更することができない点に注意が必要です。
[税率]
消費税の税率は以下の表の課税対象区分に応じて、それぞれに定められた税率となります。
[算出方法]
消費税は品目ごとに計算の方法が異なります。売上高に対して一定の税率をかける方法(従価税率法)、数量に対して一定の税率をかける方法(従量税率法)、両方法を結合した方法(結合方式)の3つがあります。各計算式は以下のとおりです。
従価税率法
納税額=売上高×比例税率
従量税率法
納税額=売上数量×単位当たり税額
結合方式
納税額=売上高×比例税率+売上数量×単位当たり税額
消費税の課税対象となる売上に関しては、他の財貨の販売と同様に増値税の課税対象となります。ただし、消費税の課税標準には増値税は含まれません。
消費税の二重課税を回避するため、日本同様に、既に納付済み(消費税の課税対象となる消費物品を外部購入した場合、委託加工した場合等)の消費税額を控除することができます。
■複数の税率が異なる消費物品を取扱っている場合
原則として納税者は、税率の異なる物品ごとに売上高、売上数量を区分して計算する必要があります。区分していない場合またはセットで販売している場合は、一律に高い税率を適用することになります。
■自己生産・自己使用の場合
原則として納税者は、消費物品の売上高を納税者の当該物品と同種類の消費物品の販売価格に基づき計算します。ただし同種類の消費物品の販売価格がない場合は以下のように算出します。
従価税率法
課税標準構成価額=(原価+利益)÷(1-比例税率)
結合方式
課税標準構成価額=(原価+利益+自己生産・使用量×1単位当たりの税額)÷(1-比例税率)
■委託加工の場合
委託加工の場合、加工後の物品と同種の消費物品の販売価格に基づき計算します。ただし同種の消費物品の販売価格がない場合は以下のように算出します。
従価税率法
課税標準構成価額=(材料原価+加工費)÷(1-比例税率)
結合方式
課税標準構成価額=(材料原価+加工費+委託加工数量×1単位当たりの税額)÷(1-比例税率)
■輸入の場合
消費税の課税対象となる消費物品を輸入した場合、消費税は税関で代理徴収されるため、輸入時に税関に納付することになります。消費物品の課税標準額の計算式は以下のとおりです(輸入紙巻煙草を除く)。
従価税率法
課税標準構成価額=(関税課税価格+関税)÷(1-比例税率)
従量税率法
課税標準構成価額=課税消費物品数量×単位当たり税額
結合方式
課税標準構成価額=(関税課税価格+関税+輸入数量×1単位当たりの税額)÷(1-比例税率)
[申告・納付]
消費税の申告期間は1日、3日、5日、10日、15日ごと、または1カ月、四半期ごとと定められています。この申告期間は、納税者の納税額の大小に基づいて納税者の主管税務機関が決定します。
申告期間を固定して納税できない場合はその都度納税することも可能です。納付期限は申告期間に応じて以下のように異なります。
税関が税関輸入消費税専用納付書を発行した日から15日以内に納付します。
納税先は原則として、納税者の居住者の所轄税務機関(国等が別途規定する場合はその規定した場所)です。委託加工の場合、委託者が個人以外の場合は委託者の所轄税務機関、個人の場合は受託者の居住地の主管税務機関が納税先となります。輸入の場合は通関地の税関に申告・納付します。
■関税
関税は税関の管轄下にあり、輸出入される物品・貨物を課税対象としています。輸入貨物・物品に係る増値税ならびに消費税は、関税と合わせて税関が代理徴収する仕組みとなっています。
関税の基本的骨格は税関法、輸出入関税条例、輸出入貨物課税価格評価弁法を基にしています。
[納税義務者]
輸入貨物・物品の荷受人または所有人ならびに輸出貨物・物品の荷送人が納税義務者となります。
[課税標準]
輸入貨物・物品
課税対象となる輸入貨物・物品は個人の携帯品、郵便物品等を含みますが、輸出物品に関しては輸出制限がある原材料等の一部の貨物を除き関税は課されません。
輸入貨物・物品の課税標準額は取引価格を基準とし、輸入するまでにかかる運送費およびその関連費用と保険料を含んだ価格となります。また、買い手の負担する仲介手数料、容器、包装に係る材料・役務に係る費用も含みます。
課税対象である輸入貨物・物品の例外として、低額譲渡と無償譲渡があります。買い手が輸入貨物・物品を無償或いは原価を下回る方法で提供した場合、かつ適当な割合でその価格を分担できる貨物や役務の価値は、課税標準の価格に含めるものとされています。具体的には以下の場合があります。
・輸入貨物・物品に含まれる原材料、部品および類似貨物
・輸入貨物・物品を生産する過程で使用する工具、金型および類似貨物、消耗材料
・輸入貨物・物品を生産するために必要な国外で行う工程設計、技術開発、製図等の関連サービス
輸出貨物・物品
輸出貨物・物品の課税標準額は取引価格を基準とし、輸出地点までにかかる運送費およびその関連費用と保険料を含んだ価格となります(輸出関税は除く)。ただし、輸出地点から輸送され積載された後の運送費およびその関連費用と保険料は含まれません。
関税額=課税標準額*1×税率*2
*1取引価格を基準として、輸出地点までの運送費その他の費用を含む
*2貨物・物品の種類により税率が異なる
[申告・納付]
通関時に当該税関に申告・納付を行います。
■その他諸税
[資源税]
資源税は鉱物資源(石炭、原油等)の採掘および塩の生産を課税の対象とする税です。日本の石油鉱産税に相当します。税率については品目ごとに従量課税となります。
[都市部土地使用税]
都市部土地使用税は特定の土地の使用を課税の対象とする税です。税額は1㎡当たり0.2~10元です。
[都市維持建設税]
都市維持建設税は流通税を課税の対象とし、都市の維持建設に充当することを目的とする税です。日本の都市計画税に相当します。税率は1~7%ですが、外商投資企業は暫定的に対象外とされています。
[耕地占用税]
耕地占用税は耕地を占有(利用)し、建物または非農業企業の建設を行う場合のその占有(利用)した耕地の面積を課税の対象とする税です。税額は1㎡当たり5~50元です。以前は、外商投資企業は耕地占用税の課税対象から外れていましたが、現在は外商投資企業も課税の対象となります。
[土地増値税]
土地増値税は土地・建物等の譲渡を課税の対象とする税です。土地の登記を抑制することも目的の1つとなっており、日本の土地重課制度に相当します。税率は30~60%です。
[不動産税]
不動産税は日本の固定資産税に相当する税で、税率は所有の場合1.2%、貸与の場合12%です。
[車輌船舶使用税]
車輌船舶使用税は日本の自動車重量税に相当する税で、税率は品目ごとに従量課税となります。
[印紙税]
印紙税は税法上挙げられている契約書またはそれに類する書類(認可証、会計帳簿)等を課税の対象とする税です。日本の印紙税に相当し、税率は0.005~0.1%です。
[契税]
契税は中国国内における土地、家屋等の権利を移転させる際の権利の移転を課税の対象とする税です。日本の登録免許税に相当し、税率は3~5%です。
[煙草葉税]
煙草の購入を課税の対象とする税です。日本のたばこ税に相当し、税率は20%です。(中華人民共和国タバコ税法;2018年7月1日施行)
源泉徴収制度
源泉徴収制度は、個人に対して課税所得を支払う際、源泉徴収義務を負う組織単位または個人が、納税額を課税所得から控除した金額を個人に支払い、控除した税額を税務機関に収める制度です。源泉徴収制度は、個人所得税源泉徴収暫行方法(1995年4月1日施行)を根拠法規としています。
■源泉徴収義務者
源泉徴収義務者とは、個人に課税所得を支払う組織単位または個人を指します。源泉徴収すべき所得は個人所得税法2条で定める9の所得項目のうち、個人工商業者の生産ならびに経営所得以外すべての項目が含まれます。
■担当者
源泉徴収義務者は担当者を選び、その者に手続を委託します。担当者の確定と変更は税務機関への報告が必要となることに注意が必要です。
源泉徴収の手続
源泉徴収義務者は毎回の支払日或いは支払期日到来時に源泉徴収し、源泉徴収日より7日以内に国庫に納入しなければならないとされています(企業所得税法40条)。国外源泉所得については、西暦年度終了後30日以内に納税申告書を提出して国庫に納付します。
課税対象と税率は次のとおりです。
罰則
徴収した源泉税を源泉徴収義務者が納付期限までに納付しない場合は加算税と延滞税が課されます。
税務調査
税務機関は会計帳簿等の調査を納税者、源泉徴収義務者の事務所において実施することができるとされています。外商投資企業も関連する事実ならびに情報のすべてを開示する義務があります。
税務調査時には、必要に応じて過年度の会計帳簿、財務諸表、その他関係書類の提出を求められたり、調査されたりすることもあるため、日頃から資料の整理・保存をしておくことが重要です。税務機関が必要であると判断した場合には当年度の会計帳簿、財務諸表、その他関係書類の提出が求められることもあります。ただし、この場合は30日以内に資料の返却が義務付けられています。
税法上の時効は原則3年ですが、悪質な場合は5年となることもあります。脱税の場合は、時効はありません。以下、法規での税務調査に関する内容(税務調査官の権限)ならびに実務上での対応について説明します。
■税務調査権
税務調査を行う際、税務調査官は以下の権限を行使します。
・納税者の会計帳簿、財務諸表、その他関係書類の調査ならびに源泉徴収者の源泉徴収・代理徴収に係る帳簿、証憑書類、その他関係書類の調査
・納税者の生産・経営拠点における課税対象その他財産の調査ならびに源泉徴収者の源泉徴収・代理徴収に関する経営状況の調査
・納税者、源泉徴収者に対する納税ならびに源泉徴収・代理徴収に関する関係書類の提出要求および質問
・駅、港、空港、郵政企業およびその支店における納税者の運送商品、財貨その他財産に関する関係書類の調査
・預金口座照会
中国に現地子会社を持つ日本の親会社は、日本においても中国の税務調査官から調査を受ける場合があることに注意が必要です。
例えば、親会社と子会社で取引を行う際、ある取引では親会社で益が生じ、また別の取引では損失が生じた場合、損益を相殺せず、個別の取引とされます。そのため個々の取引ごとに未収、未払を計上する必要があり、税務調査官は個々の取引について中国と日本でそれぞれ調査を行うことになります。
中国の現地法人自身が税務に対応することも重要ですが、その親会社である日本法人でも中国の子会社に対する取引等の税務対策をしておくことが重要です。
■実務上の対応
調査対象企業は、税務調査が入る前に税務機関から通知書を受取りますが、それが調査直前になることもあります。現場調査では資料の提供、説明などの迅速な対応が求められるとともに、税務解釈や実務的な扱いについて議論することにもなります。そのため、実際に税務調査が入ることになった場合、調査を受ける会社では以下の対応が必要となります。
税務調査内容の理解
通知書を確認し、税務調査において何が調査対象となっているのかを把握し、その取引内容の理解、関係書類の整理・準備をしておくことが必要です。
専門家との連携
税務調査の内容を理解した上で事前に専門家のアドバイスを受け、状況によっては税務調査時に立会を求めることも必要です。
資料等の準備
専門家と相談した上で必要になる資料を準備しておくとともに、説明が必要な場合は新たに資料を作成します。
税務調査への協力
無用な疑いを持たれないようにするために、税務調査に対し協力的な姿勢で取組むことが重要です。税収部門と調査部門とでは部門が異なるため、通常税務局と良好な関係を保っていたとしても、税務調査官の対応が良心的になるとは限りません。
税務に関しての取り扱いは日本と中国では異なる点も多々ありますが、税務調査への対応は日本でも中国でも基本的に同じです。つまり、調査が入る前に事前準備をどれだけできるか、また、いつ税務調査されても困らないように、日頃から社内の内部統制の整備と十分な運用をしておくことが重要です。具体的には、適切な人員の配置、書類の保管・整備に加え、特殊な処理に対するマニュアルの作成などです。
■法律上の責任
法律によって定められた各種税務手続を失念した場合または税務調査によって更正処分を受けた場合には、その内容に応じた罰則が適用されます(中華人民共和国租税徴収管理法60条~70条)。
[越境EC制度]
越境ECについて、2016年4月8日より従来の制度から大幅に変更となりました。
中国財政部、税関総署及び国家税務局は、2022年1月28日に越境ECの優遇措置の対象となる「越境EC小売り輸入商品リスト(2019年版)」の改定版を発表しました。当該改定により、商品目数が充実し、中小の越境EC企業にとって、越境EC輸入業務へ参入する動きが促進されました。
新しい税収政策によると、改定内容は下記のとおりです。
1)1,476品目がリストされ、従来適用されていましたネガティブリストが廃止されました。ネガティブリスト管理によるグレーゾーンがなくなり、輸入可能商品品目・税コードが明確にされました。
2)税種が変わり、これまで適用された「行郵税」が廃止され、関税、増値税、消費税が課されることとなります。
3)税負担については、1ユーザーの取引上限額が1回あたり5,000元以下で、かつ年間での購入総額が26,000元以下のものは、関税が免除され、増値税・消費税は法定税率の70%となります。税制改正による影響は、商品種類ごとに異なります。
参考文献
・ 中华人民共和国企业所得税法
中华人民共和国企业所得税法_中国人大网 (npc.gov.cn)
・ 中华人民共和国企业所得税法实施条例
《中华人民共和国企业所得税法实施条例》 (hunan.gov.cn)
・ 中华人民共和国个人所得税法
中华人民共和国个人所得税法_滚动新闻_中国政府网 (www.gov.cn)
・ JETRO
・ JETRO 中国の個人所得税法改正と日系企業への影響
税制 | 中国 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ (jetro.go.jp)
越境EC輸入商品リスト改定、トマトジュースや家庭用食洗機など29税目を追加(中国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ (jetro.go.jp)
・ 财政部 跨境电子商务零售进口商品清单调整表
P020220221322524635155.pdf (mof.gov.cn)