設立
※ 本要約はAIが本章の内容のみをもとに自動生成しています。正確な内容は本文をご確認ください。
+ .1 .事業拠点の設立
設立形態の傾向とその特質
海外に進出する場合は、事業計画に基づいて投資をいかに回収し、利益を上げるかということを事前に十分検討し、投資目的に沿った事業形態を選択することが重要です。
2011年、2012年のインドネシアは震災以降の円高や、タイの洪水の影響を受けて一躍脚光を浴び、まさに投資ブームでした。ネガティブリストの改正、大統領選挙が行われた2014年は、今後の投資規制の状況や為替の動向を様子見する傾向がありましたが、2015年以降は、製造業を中心に多くの投資が集まっており、2020年以降は、IT業界や教育業界など引き続き内需向けの投資がいっそう盛んになっています。2025年には外資企業の出資要件が変更され、近年は、投資規模が比較的小さい進出も増えている傾向にあります。たとえば、製造業においてもコストの安いレンタル工場を利用した進出や、工場での工程を部分的に請け負うような進出、製造の業務委託を行う形態、また、タイ、マレーシア、フィリピンに工場を持つ企業がインドネシアにおいては販社機能のみで進出するような形も多くなってきています。
業態では、製造、商社のほか、大手小売やモール、ラーメンを代表とする外食業も日本人ではなく、インドネシア人向け市場への参入を見据えた多種多様な進出も始まってきています。
日本企業が進出を検討する場合は、次のいずれかの形態を採ることになります。
・現地法人を独資で設立する
・合弁会社をインドネシアパートナーと設立する
・M&Aにて株式を取得する
・駐在員事務所を設置する
・支店を開設する
・ローカル企業とパートナーシップを締結する
なお、支店の進出については、金融・保険など一定の分野にしか認められていません。ここでは、現地法人(独資・合弁)、駐在員事務所ならびにパートナーシップの形態をそれぞれ検討していきます。
日本企業の進出形態
■現地法人(独資による設立)
インドネシアにおける現地法人は株式会社の形態を取り、PT(Perseroan Terbatas)と呼ばれます。インドネシアにおいて自由に事業を行いたいのであれば、当該PTの形態を取ることになります。
PTは出資先により2種類に分かれ、外国投資企業(PMA:Penanaman Modal Asing)および国内投資企業(Penanaman Modal Dalam Negeri)に大別されます。
■外国企業とその規制
日本企業が進出する場合は必ずPMAの設立となり、外国投資に関する規制が適用されます。2020年11月に施行されたUNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 11 TAHUN 2020 TENTANG CIPTA KERJA (雇用創出オムニバス法)及び2021年3月4日施行の大統領規程 2021 年第 10 号により、外国企業についてはネガティブリスト形式により進出可能な分野であれば進出は可能ですが、出資比率等で規制の対象となる分野が規定されています(詳細は3章「投資環境」を参照)。2016年に発表されたネガティブリストでは350業種が規制対象となっていましたが、大統領規程 2021 年第 10 号では45分野と多くの業種が規制の対象外となっています。
その他、業態ごとに産業コード(KBLI)が規定されており、さらに産業ごとに規制があります。したがって、業態を確定してから当該KBLIから規制の内容を確定することが申請手続の第一歩となります。
■現地法人の設立(合弁設立)
上記のように、ネガティブリストの多くは廃止されましたが、ローカルパートナーのコネクションや販路開拓を狙って、ローカル企業と合弁を組む会社も少なくありません。時折、合弁解消のニュースが聞かれますが、ローカル企業選定の成功こそがインドネシア進出の鍵であるといえます。
インドネシアに限らず、ローカル企業の選定にあたっては積極的な理由付けが必要です。インドネシアにおいて、出資をするだけで経営には口を出さないというローカル企業はまず存在しません。その意味で、パートナー関係を結んだ時点で経営上のある程度のリスクを背負うことになると考えた方がよいでしょう。
出資額の一部負担、マーケットシェア、取得困難な事業ライセンスを有しているといった理由と上記の経営上のリスクを天秤にかけて、合弁契約を締結すべきかどうかも含めて本質的な議論をする必要があります。特に、合弁を組む際の条件については撤退の可能性も含めて、最大限リスクヘッジした上での決断が要求されます。
合弁契約で事前に決めておくのは下記のような事項です。
・出資額や出資割合
・株式譲渡制限の有無
・会社の設計や役員の選任権
・株主総会の決議事項・決議要件
・競業禁止(独占禁止法)
このように、典型的な会社防御の方法を固め、いつでもインドネシア合弁から撤退が可能な状況を作っておくことが会社の運営上必要です。
一方で合弁は、インドネシア事業において双方で一蓮托生になるため、パートナーとして理想(会社のビジョン)を共有できるか、困難なビジネス環境において助け合えるか、失敗しても後悔しないと言い切れるかどうかを確認する必要があります。
合弁会社設立時における契約書作成上の注意点については、典型的な論点を押さえるのがポイントです。
■駐在員事務所の設立
駐在員事務所では、母国から派遣された社員が進出先国に事務所を設け、そこを拠点として情報の収集や広報活動を行います。
インドネシアの駐在員事務所は、事業形態やその目的に応じて外国駐在員事務所(KPPA:Kantor Perwakilan Perusahaan Asing)、外国商事駐在員事務所(PPPA:Perwakilan Perusahaan Perdagangan Asing)、外国建設駐在員事務所(PBUJKA:Perwakilan Badan Usaha Jasa Konstruksi Asing)の3つの形態に分類されます。形態ごとに認可の届出先、設立要件、活動内容、制約事項が異なります。
これら3つの形態は現地法人以外の進出形態として認められていますが、インドネシア会社法上の法人格はなく、外国投資企業(PMA)と比べて活動内容に制限がある上、投資奨励措置が限定されます。インドネシア進出の際は、どの形態で進出するか、その特徴を理解した上で決定する必要があります。日本企業が上記形態の駐在員事務所を設置する理由としては次のようなものがあります。
・シンガポールなどに現地企業があり、部品、パーツ等の納品は当該企業からのみだが、保守やアフターサービスのため定期的にインドネシアに来る必要がある
・最低投資額の増額を検討する際に、現地法人化をするか否かの見極めについて継続的な調査が必要である
定期的にインドネシアを訪問する理由はあるが、現地法人化をするほどのニーズが無いなど、中間的な位置付けとして駐在員事務所を設立するケースが多くなっています。
また、近年ではインドネシアに駐在員事務所がある企業に対して国外の関連企業からインドネシア国内への輸入実績に基づきみなし課税が行われるような事案が多くなっています。駐在員事務所は営業活動を禁止されてはいるものの、輸入実績があるということは、インドネシア国内において実態として営業活動が行われていると税務署が解釈しているためと考えられます。
建設駐在員事務所は、他の2つとはまったく性質が異なり、唯一収益を上げることが可能な形態です。この形態はプロジェクトベースで、状況に応じて連携するローカル企業を選択できるメリットがあることから、実務上、インドネシアに進出しているゼネコン企業は、現地法人と併せて建設駐在員事務所を設立する場合があります。
■パートナーシップによる進出
外国投資を規定するネガティブリストでは、中小零細企業に留保されている分野ならびに中小零細企業とのパートナーシップによる進出を規定しています。基本的には、ノウハウを提供するのみで、最小限での初期投資で進出することができます。具体的に認められるのは、飲食業ですが、小売業もパートナーシップは可能と解されます。
■零細・中小企業の定義
零細・中小事業法(2021年政令第7号)によれば、各事業の定義は以下のようになっています。
同法2013年政令第17号によれば、パートナーシップとは零細・中小企業とのさまざまな形態を持つ協力関係を指し、予測される形態について言及しています。
代理店やフランチャイズもパートナーシップの一形態に該当します。パートナーシップを締結する際は、最低限、次の条件を網羅する契約を締結する必要があります。
・事業活動
・当事者双方の権利と義務
・開発方式
・契約期間
・紛争が生じた場合の処理方法
基本的に契約書はインドネシア語で作成しますが、外国企業とのパートナーシップの場合、インドネシア語と英語の併記が可能です。また、ネガティブリストにパートナーシップを条件として記載している業種の場合には、同契約書を投資調整庁(BKPM)その他、管轄庁に届け出る必要があります。
■フランチャイズの店舗制限等の規制
パートナーシップは大企業のノウハウを活かして中小・零細企業の育成を図るモデルです。中小・零細企業保護の観点は維持されていますが、店舗数や国産比率の数値規制(直営150店・飲食250店・国産80%など)は現在の本則では採用されていません。
現在では2024年政府規則第35号(PP 35/2024)がフランチャイズの最新の上位規則となっており、主な変更点は以下のとおりです。
(旧)直営店を最大150店舗……現行は該当規定なし(Permendag 71/2019がPermendag 68/2012を廃止)。追加出店のフレームはフランチャイズ化の原則・STPW(フランチャイズ登録証)の取得で管理。
・(旧)飲食フランチャイジーの店舗数上限250……現行は該当規定なし(Permendag 71/2019がPermendag 7/2013を廃止)。
・(旧)国産品80%販売/原材料・設備80%使用……現行は数値義務ではなく、「国内原材料の活用を優先(mengutamakan)」という努力義務の位置づけです(Permendag 71/2019)。
・違反が発覚した場合の罰則は、警告、事業一時停止
+ .2 .現地法人の設立手続
インドネシアにおける現地法人の設立は、会社法によって規定されています。
2014年末より、外国投資を管轄する投資調整庁(BKPM)が、ワンストップサービス(OSS)を設置し、ビザ取得や各種ライセンスに関わる22の省庁がBKPMに事業認可の権限を委譲し、職員等も派遣しています。また、一部、オンライン申請も可能になっています。
しかしながら、実際のところ、設立手続の細部の各所において矛盾する規定や取扱いが存在し、一筋縄ではいかないのが実態です。
PMAを前提とする場合、事業計画を作成し、社名を確定したのち、投資調整庁に対して申請するところから設立手続を進めます。
■現地法人設立のスケジュール
■法律主体としての会社の設立
事業分野および進出形態の検討…①②
インドネシアへ進出するにあたり、投資ネガティブリスト(DNI:Daftar Negative Investasi)を調べます。ネガティブリストには、インドネシアにおいて投資が禁止されている分野または国営企業や地元企業との合弁や協力、特定地域への進出など、一定要件が必要となる産業分野について詳細に規定されているため十分に注意しなければなりません。
大統領規程 2021 年第 10 号によって規制されている業種は、大きく以下の通りとなります。
・放送業関係:設立時は国内資本が100%、その後の外資出資比率の上限は 20%
・輸送業:多くの業態で外資出資比率の上限は 49%
・アルコール販売業関係:特別な条件が必要
・インドネシアの伝統的な活動にかかわる業種:内資100%
会社定款の作成…③
インドネシアの社名については、以下のものを使用してはならないとされています(会社法16条1項)。社名として許可が下りないことも想定し、2つ以上の候補を挙げておくようにします。
・申請した社名がすでに他社により登録されている、またはそれに類似するもの
・公序良俗に反するとみなされる可能性があるもの
・関係者から合意を得ている場合を除き、国家機関、政府機関、または国際機関の名称と同じ、または類似するもの
・会社の設立目的、目標と事業内容にそぐわないもの
・目的、目標のみを表すもの
・数字または文字の連続だけで意味を成さないもの
・会社、法人またはパートナーシップを意味するもの
日本人の感覚からすると、明らかに既存の会社とは別会社であることが予測できるような社名であってもインドネシアにおいては承諾されないことがあり、会社設立の初期段階から難航する可能性もあります。社名を申請する際に複数の候補を考えておくのはそのためです。
一方で、他社が社名登録をしていても、当該会社からの許可を得るか、または新会社からステイトメントレターを法務人権省(Minister of Law and Human Rights)に提出してもらえば承諾されるケースもあります。
インドネシアの社名は公開会社と非公開会社で表記のしかたが異なります。いずれの会社の場合も、株式会社を意味するPTを社名の前に必ず付けます。日本のように、社名の後に株式会社を付すことはありません。また、PT(大文字)かpt(小文字)かによる社名の区別はありません。2021年時点で社名候補を考える際にはPTを除く2単語以上で作る必要があり、英単語を使用する際は社名にIndonesiaを入れるといった決まりがあります。
公開株式会社の場合は、末尾に「(Tbk)」と記載します。商号を見れば公開会社か非公開会社の区別がつくようになっています。社名申請は公証人(Notrais)を通じて、オンラインで手続が行われます。社名の承諾を得るためには、Propinsi(州名)とkedudukan(申請区)が必要であるため、申請時までに住所(プロジェクト場所)が決定していなければなりません。そのため会社設立前(契約の主体がないのに賃貸契約が必要)に住所を決めるという矛盾が生じますが、手続上はやむをえないことです。
社名の登録は公証人(Notaris)を通じて法務人権省で行いますが、公証人が1つの会社のために複数の名前を予約することはできません。申請する社名がすでに登録されている可能性や、類似の社名が予測される場合は、申請候補として挙げる社名に優先順位をつけておいて、使用できるかどうかの判定を待ちます。予定した社名が承諾されなければ次の候補名を申請します。
投資調整庁から原則許可を取得した後、公証人(Notaris)とともに定款(AKTA)を作成します。会社定款は株式会社法に則って作成し、少なくとも以下の項目が記載されていなければなりません(会社法15条1項)。また、資本金額に関しては、定款上、円での記載ができませんので、実際に支払う額をIDRもしくはUSDにて確定する必要があります。フォーマットは法務人権省が作成しており、公証人が大きく内容を変更することはありません。したがって、商社や製造業など、100%出資が可能な分野においては、主に会社の機関設計上の情報入力と確認作業を行います。合弁で会社設立をする際は、合弁契約書が定款と整合していなければなりません。
定款の内容に不備がないことを確認した後、発起人または発起人の代理人は公証人の面前で定款の控えに署名をし、公証人は定款を発行、認証します。
インドネシアは認証不要条約の締約国です(2022年6月4日発行)。日本側での手続は、原本(または公証人作成の謄本)と必要な翻訳を準備し、日本国外務省でアポスティーユを取得すれば足り、在京インドネシア大使館での公証(領事)認証は原則不要です。
※インドネシアは認証不要条約の条約国ではありません。(2021年度10月現在)日本側で手続きする際には、英訳を行った定款・謄本の両方を公証役場にもっていき、その後直接インドネシア大使館へ持参し、公証認証を受ける必要があります。
居住証明書(Letter of Domicile)…④
定款認証後、会社が所在する地区から居住証明書(Letter of Domicile)を取得します。(※会社所在地がジャカルタ市内であれば、用意の必要がありません。)会社が所在する地区とは、登記上、会社の住所として登録されているものを指します。この居住証明を取得するためには、事務所の賃貸借契約書もしくはマネジメントオフィスからの証明(Surat Keterangan Domisili)をあらかじめ用意しておかなければなりません。管轄する事務所により、異なるケースもありますが、一般的に必要となる書類は下記のとおりです。
・会社定款
・事務所の賃貸契約書またはマネジメントオフィスからの新会社の住所を証する書面(Surat Keterangan Domisili)
・現地法人代表者の身分証明書またはパスポート
以上の書類を揃え、申請してから約1週間で居住証明書を取得することができます。
納税者番号取得…⑤
納税者番号(NPWP)は1週間程度で取得することができます。NPWP取得後に、税金申告のためのサイナーやオンライン申請登録を行いますが、登録の際には現地法人取締役のNPWPが必要となるため、必然的に取締役のインドネシアでの居住性が必要となります。また、一度サイナー登録をした後に社内の現地人マネージャー等にサインを委任することは可能です。法人のNPWP申請の際には、次の書類を添付して手続きを行います。
・居住証明書
・現地法人代表者の身分証明書またはパスポート
・委任状(申請を代行業者に委託する場合のみ)
PMA口座開設…⑥
納税者番号(NPWP)を取得した後、銀行で外国投資企業(PMA)口座を開設し、定款の登録から6か月以内に資本金を払い込みます。銀行により取扱いが多少異なりますが、PMA口座を開設する際には、投資調整庁から取得した法務省承認書(SK-Kehakiman)、納税者番号、事業基本番号(NIB)の一連の情報等が必要です。
PMA口座の開設は、必要書類に不備がなければ1週間程度で行われます。
一般的に、会社定款の認証後または納税者番号取得後に会社口座の開設に対応できる銀行が多いようです(商業省登録は、会社設立の最終フェーズであることから、銀行口座開設後でも認証手続が可能です)。
資本金の払込みが完了した後、銀行残高証明または資本金証明を口座開設した銀行に請求します。
法務人権省への設立登記…⑦
銀行でPMA口座を開設したら、法務人権省に設立登記の申請をします。設立登記の代理申請は公証人にだけ認められています。
公証人は、④の定款が署名されてから遅くとも60日以内に以下の事項を記載した申請フォームを法務人権大臣宛に電子申請します(9条1項)。
・社名と住所
・会社の存続期間
・会社の目的および事業内容
・授権資本、引受済資本、払込資本
・会社の完全な住所
これらについて、政令に従い特段の不備がなければ、法務人権大臣は即時に電子システム上で登記申請の受理を通知します(10条3項)。書類に不備がある場合には、法務人権大臣は、その旨と理由を記載して電子システム上で不受理を通知します(9条4項)。
設立登記申請を受理する旨の通知があった日から30日以内に、必要書類とともに申請書類一式を法務人権大臣に提出しなければなりません。必要書類は以下のとおりです。
・定款(AKTA)のコピー
・銀行証明書(資本金払込の証明)
・納税者番号
・官報への会社設立の公告に係る手数料の領収書
これらすべてが承認された場合には、法務人権大臣は、遅くとも14日以内に電子システム上で電子署名のなされた法務省承認書を発行しなければなりません(10条5項)。法務人権大臣より設立認可が下りた時点で、法人格を取得することになります。設立認可が下りてから14日以内に、法務人権大臣は設立認可に関する事項をインドネシア官報に掲載します。
設立登記は、申請から手続完了まで、通常3週間から1カ月程度要します。
以上の提出書類に不備があった場合は、法務人権大臣は申請者に対して電子システム上でその旨を通知すると同時に、設立認可も無効になります。ただし、期限内(60日以内)であれば申請者は再申請することが可能です。この期限内に再申請をしない場合には法務省承認書は無効となり、法人格を持っていない会社は法的に解散され、発起人によってその整理が行われます。
会社登録(NIB / 事業基本番号の取得)…⑧
法務人権省への法務省承認が終わった後、インドネシア商業省に対して会社登録申請をし、事業基本番号(NIB)を取得します。2017年9月4日付商業大臣規定第37号により、すべての法人に登録が義務付けられているOSSの事業基本番号(NIB)の発行手順を簡素化し、即日発効できるようになりました。
VAT課税番号取得…⑨
事業基本番号(NIB)の取得が終了した時点で、VAT課税番号(PKP:Pkppengusaha Kena Pajak)の取得申請をします。
申請時には、指定された書類のほか、会社の実態を確認するためにオフィスの写真が必要です。申請手続完了後には、税務当局が事務所確認の検査に来ます。申請から手続完了まで2週間程度を要します。
・申請書
・会社定款
・DirectorのKTPもしくはNPWP
・会社のNPWP
■人事関連書類
インドネシアにおいては採用や解雇また昇格・昇進などの人事関連書類へのサインが禁止されております。President Director(代表取締役)やDirector(取締役)であっても違反となり、多額のペナルティーが課せられます。しかし、会社設立後一人目の社員への採用書類においては特別にサインすることが可能のため、一人目に採用する社員は必ずHR部門にて雇用する必要があります。
また外国人1人につきインドネシア人10人の雇用義務もあるため、併せて注意が必要です。
[輸出入の許可ならびにその他のライセンス取得]
このフェーズでは、輸出入の許可申請(製造・販社)ならびに機械の搬入および税務上の恩典を受けるための手続きをします。
輸入ライセンスは、Angka Pengenal Importir (API)と呼ばれ、輸入業者が製品を輸入するために必要な識別番号です。また、APIはNIBと統合され、法人設立のNIB申請の際に合わせて申請が可能となっています。
また、中にはAPIがなくても輸入できる品目があり、インドネシア共和国商業大臣による許可を受けた以下の品目に限ります。
1. 単純輸入品
2. プロモーション用の品目
3. 科学研究開発を目的とした品目
4. 運搬用品目
5. 一般の信仰や慈善、社会的・文化的目的、災害援助などの目的で贈られるギフト
6. 政府予算を使った医薬品や医療器具
7. 修理・検査目的でいったん輸出されたものを再輸入する場合で、その価値が輸出申告書(PEB: Pemberitahuan Ekspor Barang)に基づく輸出時の価値を上回らないもの
8. 輸出後、海外の買い手に拒否されて輸出申告書に基づき大半を再輸入する場合
9. 販売目的でないサンプル
10. 政府省庁や政府機関のためのもので、それら省庁や機関自体が輸入するもの
11. インドネシアで勤務する海外の代表者や役員に帰属するもの
12. 国際機関やインドネシアに駐在するその役員のためのもの
13. 移動用のもの
APIには以下の種類があります。
1. 貿易会社が取得すべき、一般輸入業者登録番号(API-U)
2. 原材料や資本財を自社で使うために輸入する製造業者が取得すべき、製造業輸入業者番号(API-P)
また、APIは1社につき1種類しか保有ができず、原則輸入物は新品に限られます。
輸入制限品目については、APIに加えて別途、輸入業者の登録や輸入承認の取得等が必要です。輸入制限品目に関する輸入事業者登録や輸入承認の取得等は、インドネシア商業省のポータルサイト「INATRADE」や事業許認可オンラインサービス「オンライン・シングル・サブミッション(OSS)」を通じて実施し、所要期間は最低2カ月です。
商社の場合は、IUT以外に完成品を輸入するためのAPI-U、製造業の場合は、原材料を輸入するためのAPI-PをOSSシステムで申請します。旧来のIUT(恒久事業許可)は現行制度では不要です。また、製造・商社以外のサービス業のうち、所轄する官庁(投資調整庁以外)からライセンスを取得する義務が生じる場合があります。以下に代表的なライセンスを挙げます。
[輸出入に係る一般的なライセンス]
輸入ライセンス(API-U/API-P)と税関登録番号(NIK)の取得には2カ月以上が必要です。インドネシアの輸入ライセンスは完成品輸入のためのAPI-Uと原材料輸入のためのAPI-Pに分けることができます。
具体的に申請に係る必要書類は、次のとおりです。
これらの書類を添付して、投資調整庁宛に申請します。したがって、役員が7.を完了していないとAPI-U/API-Pの申請はできません。ただし、インドネシア人を役員として選任している場合は、このプロセスを短縮することができます。
役員を兼務をして、既存のKITAS/IMTAを新会社のAPI取得に流用できるか否かについては、新会社の役員のKITAS/IMTAを添付しなければならないため不可です。
API-U/API-Pの取得を終えた段階で、税関番号(NIK)の登録を行います。NIKの申請は電子申請ですが、記入もれ等の不備があるとすぐに拒否されます。必要書類として直近の財務諸表のほか、特にレンタル工場の場合はPPh4-2の源泉徴収(SSP/SPT)やレンタル契約書等の添付を求められるケースもあります。
輸出の場合は、NIKのみの取得で輸出が可能になります。
API-Uにかかる2012年5月の改正により、21のカテゴリーのうち1つしかライセンスを取得することができませんでしたが、2012年9月に再改定があり、サプライヤー契約がある場合、親子間取引等一定の要件を満たしていれば複数のライセンスを取得することが可能になりました。複数のライセンスを取得する場合には、投資調整庁に宣誓書等を提出する必要がありますので注意が必要です。
すでに輸出入ライセンスを取得している企業については、9月の改定時には、2012年12月までに新しいライセンスへの移行が必要とされていましたが、2012年12月27日付商業大臣規定第84号により、移行期間が2013年3月までに延期されています。
また、「輸入業者番号(API)に関する商業大臣規程 2015 年第 70 号」ならびに「補完財、テストマーケティング、アフターセールスサービス用品の輸入条件に関する商業大臣規程 2015 年 118 号にて、輸入ライセンスに関する新たな規定ができ、2016年6月30日までに、輸入ライセンスを保持している全ての会社は、API-U/PおよびNIKを更新するよう義務付けられました。
主な変更点は、HSコードの廃止、API-P保持者による輸入した物品の売買あるいは譲渡の禁止(ただし、生産プロセスに使用せず、「補完財、テストマーケティング用品、アフターセールスサービス用品」として使用する工業製品については、他社への売買、譲渡が可能)です。
「補完財」
1,新品であること
2,API-P 保有企業がまた生産出来ないものであること
3,API-P 保有企業が保有している事業許可の工業分野に合致している、または同種の他の事業 分野であること
4,API-P 保有企業と特別な関係がある海外の企業が生産していること
「テストマーケティング用品」
1,新品であること
2,API-P 保有企業がまだ生産できないものであること
3,API-P 保有企業が保有している事業許可の工業分野に合致している、または同種の他の分野 であること ※テストマーケティング用品の工業製品輸入は、数量と期間が限定される。
「アフターセールスサービス用品」
1,新品であること
2,API-P 保有企業がまだ生産できないものであること
3,API-P 保有企業が保有している事業許可の工業分野に合致している、または同種の他の分野 であること
これらは、商業大臣からの『輸入許可(Persetujuan Impor=PI)』を取得した API-P 保有会社のみが輸入および販売可能となっています。
また、今回の改正で、輸入報告の義務化も明記されております。
●BKPM 長官への報告(API-U/P 保有会社共に報告が必要)
3 ヶ月に1度、輸入実施および輸入未実施の輸入報告を BKPM のウェブサイトを通じて、または フォーマットに記載の上、直接BKPMへ提出する。 ※輸入未実施の際も報告が必要
https://online-spipise.bkpm.go.id/index.zul
●PI(輸入許可)の報告 (PI を取得した API-P 保有会社のみ)
遅くとも次の四半期の一ヶ月目の15日まで。補完財、テストマーケティング用品、アフターセールス用品の輸入実施および輸入未実施に関する輸入報告書を下記のウェブサイトを通じて報告する。 ※輸入未実施の際も報告が必要で、輸入報告書の提出を 2 回怠ると、PI(輸入許可)が取り消される。
http://inatrade.kemendag.go.id
■その他、輸入に関連する特別なライセンス
輸入する製品によっては、API-U/API-PならびにNIK以外に特別なライセンスが必要になるケースがあります。食品製剤や医薬品等については特定品登録輸入業者(IT-ProdukTertuntu)や食品医薬品監督庁(BPOM)からの許可、潤滑油等についてはMIGASと呼ばれるオイル・ガスを管轄する当局からの許可が必要となります。詳細はインドネシアの輸入当局のウェブサイト(INTRADE)で閲覧することが可能です。
■その他の業態に係る各種ライセンス取得等
[建設業の場合]
建設業のライセンスはLPJK(Lembaga Pengembangan Jasa Konstruksi/PUPR省所管)が管轄となります。申請はOSSシステムを通じて行い、OSSとLPJKが連携して審査・発給されます。
取得にあたり必要な手続と所要期間はそれぞれ以下のとおりです。
・インドネシア建築業者協会への申請・認定登録(約2週間)
・専門家証明書(SKK:Sertifikat Kompetensi Kerja)の申請・取得(約2週間)
建設事業を行う者は技術能力試験合格証(Sertifikat Kompensasi Kerja =SKK)を取得した技術者を雇用する必要があります。(従来はSKA資格の取得者。)
・事業体証明書(SBU:Sertifikat Badan Usaha)の申請・取得(約3カ月)
・建設サービス事業許可(OSSシステムにて事業許可(PB)申請)(従来はIUJK:Izin Usaha Jasa Konstruksi)(約2週間)
・商業経験登録証の申請・取得
技術者は公共事業・住宅省へ提供サービス内容、サービス提供先等を記載した職業経験を登録します(従来はTanda Daftar Pengalaman Professonal = TDPP/ Tanda Daftar Pengalaman = TDPN)。
建設業のライセンス取得を行う場合には、OSS-RBAでの事業者番号(NIB)取得後に上記の手続を行い、建設業ライセンス取得後はリスクベースの「事業許可(PB)」または「標準証明(Sertifikat Standar)」の取得を行うこととなります。通常、現地法人設立はNIB取得まで数日〜数週間、SBU取得に約1〜3か月、PB/標準証明はオンライン審査後に即日〜数週間を要するため、建設業ライセンスを取得する場合には、合計で概ね2〜4か月をみておきます。従来のTDPおよび**恒久操業許可(IUT)**は現行制度では用いません。
※インドネシア人個人が建設業を行うためには事業登録証明書(Tanda Daftar Usaha Perseorangan)を取得しければなりません。
※OSS導入により、建設サービス事業許可(IUJK:Izin Usaha Jasa Konstruksi)についてもOSSを通じて申請を行うように法令が改正されています。登記手続きの一元化の趣旨のもとOSSに許認可発行を統一することになっています。
建設サービス契約書はインドネシア語で作成します。外国会社の場合は、インドネシア語と英語で作成しなければなりません。正本はインドネシア語です。
【建設サービスについての公共事業・住宅大臣規程(2017)】
建設サービスにおいては下記の通り3つの事業形態に分類され、外資企業はどの事業も行うことができます。
①建設コンサルティング(第13条)
~業務分類~
(一般業務)建築、エンジニアリング、統合エンジニアリング、造園建設
(専門業務)特殊技術コンサルティング、技術検査・分析
~業務内容~
(一般業務)評価、計画、製図、監督、組織マネージメント
(専門業務)調査、技術検査、分析
②建設請負(第14条)
~業務分類~
(一般業務)ビル建設、土木工事
(専門業務)据え付け、特殊建設、全工程建設、ビル仕上げ業務、レンタル機器
~業務内容~
(一般業務)建設、維持、解体、改装
(専門業務)専門思考、特殊形式建設
③統合建設サービス(第15条)
~業務分類~
(一般業務)ビル建設
(専門業務)土木工事
~業務内容~
(一般業務)建設計画、エンジニアリング、調達
(専門業務)建設計画、エンジニアリング、調達
[ハラール認証申請フロー]
2014年にハラール製品保証に関するインドネシア共和国法が公布され、2019年10月17日から施行されました。当時は手続き規定に関してはいまだ不透明な状態でしたが、2025年10月時点では制度運用が大きく進展しています。具体的には、ハラール製品保証実施機関(Badan Penyelenggara Jaminan Produk Halal=以下BPJPH)は新制度に基づくハラール認証の受付・発行を実際に行っており、2025年には認証済み製品数が数百万件に達しています。また、2025年9月には、ハラール認証製品について、ハラールマークの表示とデジタル媒体での公表の義務が明確化されました。ただし、MSME(マイクロ・中小企業)向けの義務付けの期限が2026年10月17日まで延長されているなど、整備途上の側面も残っています。
インドネシア宗教省は、新ハラール認証に関する相談窓口を設けています。
ハラール認証について相談を希望する場合、個別に相談可能です。
※平日(月~木曜日)午前9:00~午後3:00、(金曜日)午前9:00~午後3:30
窓口で相談カードに内容を記載し、担当者と面談可能(インドネシア語)。
また、BPJPH専用ウェブサイトからハラール認証の申請様式をダウンロードできます。
現地法人設立Q&A
Q:現地人を採用するに当たり、設立してからでは時間がかかることを考え、採用活動を設立前から始めようと考えています。
採用活動は就労に当たるのでしょうか。その場合、MULTIPLE VISA、WORKING VISA、もしくはその他、何にあてはまるのでしょうか。
A:前提としてVisa取得となりますと、現地受け入れ企業が必要となりますので実質的に不可能です。
しかし、空港で取得できるVoAビザ(36USD)にて入国し、採用活動や面接等おこない人材確保をすることは可能です。
雇用契約書のサインは原則インドネシア人のHRマネージャーのみとなっており、正式に雇用契約を巻くことができません(最初に採用する社員は原則HRの社員)。
設立手続き開始から設立まで約半年ほど要すること、設立後実際にVISA等の取得をおこない、営業活動をおこなえるまでに2か月ほど時間を要するため、設立してからの採用活動でも問題ないと考えます。
Q:日本で雇用して、インドネシアに法人設立時に出向(転籍)という形で先に雇用を確保するのは可能でしょうか。
A:可能ですが、日本雇用の際日本における就労ビザの発行が必要となり、日本の最低賃金にて雇用されることとなります。
その後、出向であれば日本における就労ビザを継続し続けたうえ、日本の最低賃金にて雇用が継続されます。
転籍の場合は、日本での諸手続きは不要となりますが、その後インドネシアにおいての最低賃金を適用すると、当該スタッフより不満等が発生することが見込まれ、継続雇用は望めないかと存じます。
Q:現地の保証人がいればMultiple Visaは取れるというのは、事実でしょうか?何か特別な条件などがあるのならば、追加で教えて頂ければと思います。
A:現地保証人という形でVisaを取得することはできません。
スポンサー企業を設け、その企業にてVisaを発行することは可能です。
Q:アポスティーユ取得のための適切な流れについて教えてください。。
国によって違うということを聞き、また、公証役場と法務局の方からそれぞれ違った案内を受けて困惑しております。
弁護士に頼んで英訳を行った定款・謄本の両方を、その後公証役場にもっていくのか?それとも法務局?
その後のフローは、外務省なのか、それとも直接大使館なのか、など詳細をご教授頂けますでしょうか。
A:アポスティーユですが、インドネシアは認証不要条約の条約国ではありませんので、英訳を行った定款・謄本の両方を公証役場に持参し、その後直接インドネシア大使館へ持参したのちに公証認証を受けてください。
Q:居住証明書(Domicile letter)についてですが、インドネシアのビルディングからの居住証明書でしょうか。オフィス契約書だけでなく、居住もしているということを証明するという認識でしょうか。
その場合、ビルマネジメントに連絡をすれば頂けるものですか。またForm DGT1とは別でしょうか。
A:インドネシアのビルディングからの居住証明書です。これは、ビルマネジメントに連絡をすれば発行できます。また、ジャカルタ市内の場合必要ありません。これは、インドネシアにおける非居住者を証明するForm DGT1とは別で、日本とインドネシアの租税条約の適用を受ける際に必要となる日本の会社の居住証明となります。
Q:設立プロセスのどこの段階が終了した時点で、現地人と雇用契約を結び活動が許可されるのか教えてください。
A:事業番号取得完了時点で、会社としての箱が完了したということになるため、その段階にて雇用契約を結ぶことが可能となります。しかし、実際に活動するには保険機関登録を先に行う必要があります。NIB登録完了後、手続きに入り、完了までは約1~1.5ヶ月間を要します。
+ .3 駐在員事務所の設立手続
■駐在員事務所の種類
駐在員事務所は、母国から派遣された社員が進出先国に事務所を設け、そこを拠点として情報の収集や広報活動を行う場合に利用される形態です。
インドネシアの駐在員事務所は、事業形態やその目的に応じて外国駐在員事務所(KPPA:Kantor Perwakilan Perusahaan Asing)、外国商事駐在員事務所(PPPA:Perwakilan Perusahaan Perdagangan Asing)、外国建設駐在員事務所(PBUJKA:Perwakilan Badan Usaha Jasa Konstruksi Asing)の3つの形態に分類されます。形態ごとに認可の届出先、設立要件、活動内容、制約事項が異なります。
これら3つの形態は現地法人以外の進出形態として認められていますが、インドネシア会社法上の法人格はなく、外国投資企業(PMA)と比べて活動内容に制限がある上、投資奨励措置が限定されます。インドネシア進出の際はどの形態で進出するか、その特徴を理解した上で決定する必要があります。
■外国駐在員事務所(KPPA:Kantor Perwakilan Perusahaan Asing)の設立
外国駐在員事務所(KPPA:Kantor Perwakilan Perusahaan Asing)の設立は 2021年投資調整長官令第4号で規定されており、外国企業または外国企業同士の合弁会社から任命された 1 人以上の駐在員 によって運営されます。駐在員はインドネシア人または外国人のいずれでも可能です。外国人の場合は、インドネシアに滞在し、就労ための一時滞在許可証(ITAS:Izin Tinggal Terbatas)と労働許可が必要です。
駐在員事務所の活動は管理・監督、本社との連絡・調整および会社(関連会社を含む)の利益管理に限られており、次の活動は禁止されています。
・インドネシア資本からの収益を上げる行為(契約・販売および関 連企業による物品・サービスの購入)
・ インドネシアにおけるその他の会社、子会社、支店の管理形態への関与
可能な業務としては、本社との連絡や事業案件締結の促進、市場調 査の実施、現地パートナーと締結した契約についての履行状況に関する監督業務等があります。駐在員事務所の概念として営業活動および 利益を生む活動は禁止されています。
また、駐在員事務所の利点としては以下の 2 つが挙げられます。
・ 時間とコストをかけずに駐在員を常駐させることができる
・ 最低資本金額の制限がない
このため、外国企業の設立前後の手続が簡略化され、株式会社に比べて外国駐在員事務所は容易に進出できるようになっています。
続いて、2015 年投資調整長官令第15 号よって規定されている外国駐在員事務所設置に際しての許可およびライセンスに関して説明します。外国駐在員事務所設置における必要物は表のとおりです。
これらの書類をOSSを通じて投資調整庁に提出することで、必要なライセンスを取得することができます。
また、外国駐在員事務所はインドネシア国内の州都(ジャカルタ、バンドン、ジョグジャカルタ、 カリマンタンなど)でのみ設立が可能となり、所在地は、オフィスビル内に限られます。
2015 年投資調整長官令第15 号によれば、外国駐在員事務所の認可期限は 3 年で、1 年間の期限延長を2回にわたって行うことができます。最初の認可から 5 年経過した後に再び認可を受ける際は、当地での事業目的はそれ以前とは異なるものを要求される場合があります。これは、調査活動をするのに5年以上も必要ないという当局の判断によるものです。つまり5年以内に現地法人化するか、もしくは撤退するかの選択を迫られることになります。
次に、スケジュールを簡単に表示します。外国駐在員事務所設立に係る一連の手続きは、通常、1 カ月半程度を要します。
・スケジュール
・必要書類
■外国商事駐在員事務所(KP3A: Perwakilan Perusahaan Perdagangan Asing)の設立
外国商事駐在員事務所(KP3A: Perwakilan Perusahaan Perdagangan Asing)におけるビジネスライセンスの発行に関する規定は、2006年商業大臣令第10号により定められています。また、先般の2015 年投資調整長官令第15 号にも改めてその記載があります。
外国商事駐在員事務所における業務は、以下のように定められています。
・インドネシアの企業やユーザーに対し、親会社の製品の紹介とプロモーション、宣伝ならびに情報または使用法および輸入方法を提供
・親会社の製品をインドネシア国内で販売するための市場調査の実施と調査
・(インドネシア国内の会社を指名した)海外の親会社が必要とする品物の市場調査、ならびにインドネシアの会社への輸出条件に関する情報提供
・親会社が輸出目的で指名した、インドネシア国内の会社を代表して契約を締結
外国商事駐在員事務所は、主に貿易の円滑化のために設置される事務所であり、品質検査や輸出入に関する貿易事務を補佐する役割があります。
一方、禁止されている活動としては、インドネシア国内における直接取引や販売活動に従事すること、契約の締結や苦情処理、輸出入業務などが挙げられます。しかし、近年、関係会社からの輸入実績があることを理由に外国商事駐在員事務所に対して実態として営業活動をしているという解釈の元、みなし課税(PPh15)が行われるような事案も多発しています。
外国商事駐在員事務所の設置許可を取得するためには、必要書類を商業大臣宛に送付する必要があります(現在は、外国駐在員事務所と同様に、OSSに申請を行います)。
申請が完了してから本許可証(SIUP3A:SuratIzin Perwakilan Perdagangan Asing)が発行されます。SIUP3Aの許可の有効期間は、従来は初回は1年で上限3年まで延長可能とされていましたが、現行制度では事務所が活動を継続する限り有効とされています。ただし、活動報告などの定期的な報告義務は残されています 。本許可の申請時には次の書類が必要です。
仮許可が下りてから3カ月以内に駐在員事務所所長のビザ取得を行い、本許可申請に添付します。また、ビザ取得のために現地の雇用義務(3人)を満たす必要があります。この間はかなりタイトなスケジュールとなります。
また、外国商事駐在員事務所はいくつかのコンプライアンス上の義務を負います。内容は以下のとおりです。
・OSSシステムを通じて半年に1回(1~6月分および7~12月分)の活動報告を行う(提出期限はそれぞれ同年7月31日、翌年1月31日)
・BKPMや関連省庁によって、活動内容に関して要求された場合、それに関わる報告書およびデータならびに情報を提供しなければならない
・外国商事駐在員事務所が6カ月間その活動を行わなかった、もしくは閉鎖した場合は、閉鎖事由が記載された報告書およびSIUP3Aを当局に返却しなければならない
保証金に関する制度については規制が緩和されています。従来は、駐在員事務所代表者が外国人の場合は500万ルピア、インドネシア人の場合は100万ルピアの保証金の納付が義務付けられていましたが、2010年6月24日付商業大臣規則第28号の改定により、この規定は廃止されています。
■外国建設駐在員事務所(BUJKA :Perwakilan Badan Usaha Jasa Konstruksi Asing)の設立
外国建設駐在員事務所(BUJKA :Perwakilan Badan Usaha Jasa Konstruksi Asing)の設置に関しては、2019年11月19日付公共事業国民住宅大臣回状2019年第22号にて規定されており、建設事業の実施および監督のコンサルティングを行うとされています。
外国建設駐在員事務所が実際に運営を開始するためには、ライセンスを取得する必要があります。このライセンスは、国内建設企業の事業ライセンスと同等の効力があります。有効期限は3年で、更新することも可能で、同ライセンスの有効期限満了までに更新を行います。。
取得に際しては、「外国事業体の能力評価証明」と「能力・分類・クオリティ同等認定証明書のコピー」が必要であり、事前に建設サービス開発機構(LPJK:Lembaga Pengembangan Jasa Konstruksi)の能力・分類・クオリティ同等認定を受けなければなりません。設立にあたり必要となる主な書類は、下記のとおりです。
前ページ表 7 の書類作成時に発生する手数料は、指定の銀行を通して国家に納めます。支払金額は次のとおりです。
原則としてインドネシア国籍の者を所長とする(インドネシア国籍の者を任命とすることが困難な際は、外国人を所長、技術責任者としてインドネシア人を任命する)ことが定められています。
所長・技術責任者は、他の建設業での取締役・監査役・建設駐在員事務所所長・技術責任者を兼任できません。また、インドネシア人従業員は外国人従業員よりも多くなければならないとされています。
[ジョイント・オペレーション]
ジョイント・オペレーション(JO)とは、インドネシアにおいて、建設・土木工事等のプロジェクトを手がけるために設立される一時的な形態です。法人を設立するような煩わしい手続を踏むことなく建設サービスを行うことができます。
外国企業がJOを組む場合は、通常、建設駐在員事務所を設置します。すなわち、建設関連の駐在員事務所はインドネシアでプロジェクト活動を行うことを前提として開設され、建設・土木工事等を請け負うこととなります。
2006年11月28日付公共事業大臣規定第28号に基づき外国建設サービス駐在員事務所認可(Izin Perwakiran Badan Usaha Jasa Konstraksi asing)の取得が義務付けられています。この認可を取得後は建設プロジェクトの契約をすることができます。一般的には、インドネシア国内会社をパートナーとしてJO形態で建設サービスを行います。当該外国企業がJOを組むインドネシア側パートナーは建設サービス業者認可を保有している会社に限られます。
外国建設駐在員事務所は、インドネシア国内建設サービス会社とJOを組むことで、インドネシア国内で計画されているプロジェクトの事前審査、入札、事業への参加が可能となります。また、外国建設サービス会社はインドネシア国内での高コストのプロジェクトや高い技術が求められるプロジェクト、あるいは危険度の高いプロジェクトへの参加ができるようになります。
+ 4会社設立後のコンプライアンス
会社設立後のコンプライアンスは下記の通りとなっております。
【月次税務業務】
翌月10日納税、翌月20日申告の税目は下記のとおりです。
・PPh 21(従業員所得税)
・PPh 22 所得税(輸入時前払税)
・PPh 23 所得税(国内サービス料支払い時源泉税)
・PPh 25 所得税(法人税/個人所得税の月次前払)
・PPh 26 所得税(海外サービス料支払い時源泉税)
・PPh 4 - 2 所得税(家賃等支払い時源泉税)
上記、税目に関しては、申告漏れがあった場合100,000 IDRの罰則、また納税が遅延した場合、未払い税額×2%×遅延月となります。
VAT(付加価値税)/LST(高級品税)に関しても、月次申告、納税が必要です。申告は翌月末日行い、納税は申告書提出前までに行います。納付すべきVATが0の場合でも申告が必要です。
申告漏れがあった場合、500,000 IDRの罰則、また、納税が遅延した場合、未払税額×2%×遅延月の罰則があります。
【月次定型業務】
BPJS Health(健康保障)は、毎月10日までに納付が求められます。
BPJS Manpower(労務保障)は、毎月15日までに納付する必要があります。納付していない場合、BPJSが病院にて適用不可になります。さらに納付遅延した場合、支払額の2%×遅延月を月次納付分に追加されるため注意が必要です。
【四半期定型業務】
LKPM(活動報告書)に関しては、四半期ごとにその末日の翌月10日までに提出する必要があります。LKPMを提出していなかった場合、現状は警告文が発せられるのみです。しかしながら、度重なる提出不備の場合は、許認可延長・更新等に支障が出るだけでなく、投資調整庁による許認可職権抹消等の可能性もあります。
【年次定型業務】
監査は会計期末より4か月以内(2か月の延長が可能)で、監査報告書を税務署に提出する必要があります。インドネシアで事業許可を受けた外国企業の場合、監査が義務づけられています。
法人税確定申告は、事業年度末より4ヵ月目末日(尚、2ヵ月の延長可)までとなります。納税も同じく、事業年度末から4ヶ月目が期限となっています。※下記カレンダーは12月決算の場合で記載しております。
申告漏れがあった場合、1,000,000 IDRの罰則、ならびに納税が遅延した場合は、未払い税額×2%×遅延月の罰則が設けられています。また、税関のシステムと申告状況が連携されているため申告延長の手続きを行っていても、法定期限内に申告を行っていない場合は輸入が停止されることがあります。
個人所得税確定申告は、歴年での年度末から3ヵ月目の末日までに申告、納税を行う必要があります。
申告漏れがあった場合、100,000 IDRの罰則、ならびに納税が遅延した場合は、未払い税額×2%×遅延月の罰則が設けられています。
下記は、会社設立後のコンプライアンスカレンダーとなります。
+ 5ハラール製品保証法
ハラール製品保証法の内容に関して
ハラール製品保証法の内容に関して
インドネシアでは、イスラム教徒が人口のおよそ9割以上を占めています。そのため、ハラール製品に対する高い需要が存在します。このハラール(イスラム教で許されたもの)についてインドネシア政府は、2014年制定のハラール製品保証法を改正し、2023年には雇用創出法第6号によりハラール制度の運用強化を図りました。その上で、2024年10月18日以降、食品・飲料など対象商品のハラール認証または「非ハラール」表記が義務化されました。今後の設立を考える方にとっては、ハラールに関する下記の改正ポイントを踏まえた上で認証を取得しておくことが望ましいです。
■これまでのハラール製品保証法
これまで、ハラール認証は、インドネシアにおいて消費者からプラス評価を受ける任意の規格でした。ハラール認証審査は、インドネシア・ウラマー評議会(Majelis Ulama Indonesia:MUI)が行ってきました。
その認証の内容は、原料がハラールかどうかだけでなく、保管や製造過程でハラムなものとコンタミネーション(汚染)せず、清潔な状態が保たれているか、従業員は十分に理解できているか、ハラールと非ハラールが分けて管理されているか、体制や書類管理に問題がないかなど、いわゆる「農場から食卓まで」の全プロセスを含みます。
■ハラール製品保証法改正
上記のようなハラール認証は、製品製造過程の複雑化、高度化により、ハラールと非ハラールが混ざる危険が高まっていること等の状況を受け、「ハラール製品保証に関するインドネシア共和国法 2014 年 33 号」が制定されました。
それまでM U I が有していたハラール認証の発行に関する権限を、宗教省大臣直轄組織であるハラール製品保証実施機関(Badan Penyelenggara Jaminan Produk Halal:BPJPH)に移すことを定めています。もっとも、製品がハラムか否かの判断は継続してM1 UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 33 TAHUN 2014 TENTANG JAMINANPRODUK HALALU I が行うこととされていますが、事実上、インドネシア政府がハラール認証を行うと定めています。
その上で、これまで任意であったハラールのラベル添付を義務付けるとともに、非ハラール(Tidah Halal)の製品についてもラベルの添付を義務付ける旨が規定されています。これにより、適切にハラール認証プロセスを管理し、消費者が安心してハラール製品を購入できることが意図されています。
前述のように2014 年にハラール製品保証法は成立したものの、実際の認証対象の範囲等については政令に委ねられていました。この政令が2019 年5 月に制定されました。
同政令(2019 年第31 号)の主なポイントは下記の通りです。
(1)ハラール認証取得が必要な範囲(第2 条)
インドネシア領域内に搬入、流通、および売買される製品は、ハラール認証を取得する必
要があります。イスラム法で禁止された原料を用いた製品は、ハラール認証義務から除外さ
れ、同義務から除外された製品は、それを明示する必要があります。
(2)物品およびサービスの適用範囲(第68 条、71 条)
ア 以下の物品についてはハラール認証の対象となります:
食品、飲料、医薬品、化粧品、化学製品、生物学的製品、遺伝子組み換え製品、およ
び動物由来の成分を含む製品
イ また、以下のサービスについてもハラール認証の対象となります:
食肉処理、加工、保管、包装、配送、販売、給仕
(3)国際協力(第25 条-29 条)
外国のハラール認証機関は、BPJPH と相互認証にかかる協定を締結後、ハラール認証状
を発行することができます。
ハラール製品保証法に基づく各機関の役割と審査手順
【主要機関・組織】
〇ハラール製品保証実施機関 BPJPH (Badan Penyelenggara Jaminan Produk Halal)
ハラール認証制度を管理するために設立された政府機関
〇ハラール検査機関 LPH (Lembaga Pemeriksa Halal)
ハラールの審査を行う組織
〇インドネシア・ウラマー協議会 MUI (Majelis Ulama Indonesia)
製品がハラムか否かの宗教的判断を行う。BPJPHから送られた検査結果に基づいて最終判断を下す。
〇LPPOM MUI (Lembaga Pengkajian Pangan Obat-obatan dan kosmetika MUI) 食品や医薬品等のハラール認証に関して、審査や発行を行うMUIの部門
ハラール製品保証法によって、従来、インドネシア・ウラマー評議会(Majelis Ulama
Indonesia MUI)が有していたハラール認証発行の権限は、宗教省大臣の直下に新設のハ
ラール製品保証実施機関(Badan Penyelenggara Jaminan Produk Halal BPJPH)に移管されることが定められました(第1条)。
2019年10月17日以降、国内外の多数の企業がBPJPHを通じてハラール認証の申請を行っています。現在は手続きが整備され、食品分野を中心に多くの認証が発行されており、2024年10月18日以降は食品・飲料についてハラール/非ハラール表示が義務化されました。
また、申請から認証取得まではおよそ約5か月かかる見込みです。しかしながら、発行まで至ったケースがいまだにないこともあり見込み日数となります。
インドネシア宗教省は、新ハラール認証に関する相談窓口を設けています。ハラール認証について相談を希望する場合、個別に相談可能です。
※平日(月~木曜日)午前9:00~午後3:00、(金曜日)午前9:00~午後3:30
窓口で相談カードに内容を記載し、担当者と面談可能(インドネシア語)。
また、BPJPH専用ウェブサイトからハラール認証の申請様式をダウンロードできます。
専用E-mail(sertifikasihalal@kemenag.go.id)・電話(+62-8111171019)によるコンタクトも可能です。
参考文献
・ 外務省「各国・地域情勢―インドネシア共和国」2022年4月28日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/
・ インドネシア投資調整庁(BKPM) https://www6.bkpm.go.id/
・ 国際機関日本アセアンセンター https://www.asean.or.jp/ja/
・ 日本貿易振興機構(JETRO) https://www.jetro.go.jp/indexj.html
・ 独立行政法人中小企業基盤整備機構 https://www.smrj.go.jp/
・ 在インドネシア日本国大使館 https://www.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
・ 東京青山・青木・狛法律事務所、ベーカー&マッケンジー外国法事務弁護士事 務所編(外国法共同事業)『アジア・ビジネスの法務と税務――進展から展開・ 撤退まで』中央経済社、2011 年