ビザ
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+ 1 .VISA
1.インドネシアにおけるビザ
インドネシアでビジネスを行っていくにあたり、切っても切り離せないのがビザの問題となります。
本章では、インドネシアにおけるビザの全体像、個々のビザの役割、取得方法を解説します。
従来、2011年第6号出入国管理法にて運用されてきましたが、2020年第11号雇用創出法により一部改正され、ビザの電子形式化を規定しています。そのため、現在ではすべての種類のビザが電子形式にて運用されています。
かつて日本人は30日間の無査証滞在(Visa Exemption/BVK)が認められていましたが、2023年7月以降、この制度は159か国で一時停止され、現在は10か国のみが対象となっています。[111] [112] そのため、現在日本人が短期滞在を行う場合には、アライバルビザ(VOA)の取得が必要です。VOAでは30日間の滞在が許可され、1回の延長により、最大で合計60日間の滞在が可能です。
ただし、VOAでは就労や工場へ立ち入りなどは出来ないので、インドネシアにて実務作業を行う出張者は、目的に応じた一時滞在ビザ(Cビザ・Dビザ)を取得することになります。
また、以前はC312ビザが唯一就労が許可されているビザであり、その他のビザの活動許可範囲をほぼ全て網羅していましたが、2025年の法改正により、活動内容に応じて複数のEカテゴリーのビザから選択する形式となりました。
さらに、2025年から、長期滞在・投資家向けにゴールデンビザ制度が新設されました。このビザでは5年または10年の長期滞在許可が付与され、優先審査レーン、家族帯同許可、ITAS自動付与などの特典が設けられています。
[111]法務人権省決定第M.HH-01.GR.01.07号/2023年(Keputusan Menteri Hukum dan HAM No. M.HH-01.GR.01.07 Tahun 2023)
[112]法務人権省決定第M.HH-01.GR.01.07号/2023年(Keputusan Menteri Hukum dan HAM No. M.HH-01.GR.01.07 Tahun 2023)
2. ビザの種類と特徴
取得すべきビザは、①就労するか・しないか、②入国回数、③滞在期間、以上の三つによって決定されます。
インドネシアにおけるビザの種類は大きく分けて暫定居住ビザ、シングルビザ、アライバルビザ、マルチプルビザの4種類です。暫定居住ビザやシングルビザは、その枠の中で更に細かく分かれており、活動範囲によって取得すべきビザが変わってきます。インドネシアにおいて何をしたいのか、ビザ取得の前にしっかり考える必要があります。
また、インドネシアに何日間滞在できるのかも重要な検討事項になることと思いますので、種類ごとにその特徴をチェックしていきましょう。
■暫定居住ビザ(E23~E34)
インドネシアにおいて就労する場合、滞在期間の長さに関わらず、必ず必要となるのがビザ+一時滞在許可(ITAS)です。以前はC312ビザがその代表でしたが、2025年では活動内容に応じた複数のインデックス(例:E23、E25、E28等)により構成されており、1つの枠で「ほぼすべてを網羅する」形から、用途別に選択する形式へ移行しています。
インデックス番号が23から34まで、留学、投資、研究の為など様々な用途に分かれておりますが、いずれも共通するのは連続して長期にわたり滞在できるということです。
また、暫定居住ビザを取得する場合、インドネシア入国後に必ず一時滞在許可証(ITAS)と納税者番号(NPWP)を取得する義務も発生します。インドネシアにおいては全世界所得申告が必要であり、日本やインドネシア国外で発生している所得がある場合、インドネシアで申告、納税する義務が生じるため、注意が必要です。
<条件>
滞在可能日数:1~24ヶ月(投資家ビザは5年または10年)
延長可能日数:1年間
旅券残存期間:6ヵ月以上
旅券空白欄:2ページ以上
査証有効期限:入国から90日以内
<活動範囲>
・E23:駐在員
・E23T:貿易関連企業の駐在員
・E26:インドネシア領海/大陸棚/排他的経済水域で操業中の船舶、海上施設等での仕事
・E27:聖職者の職務
・E28A:外国投資家
・E28B:会社設立目的のある個人投資家(5年または10年)
・E28C:会社設立目的のない個人投資家(5年または10年)
・E28D:将来インドネシアに設立が見込まれる会社の取締役・コミッショナー
(5年または10年)
・E29:科学研究員
・E30:労働を目的としない教育、留学
・E31:労働を目的としない家族との同居
・E32:労働を目的としない本国送還
・E33A~C:特別な専門性・著名性を理由に政府が招待する人材
・E33D:インドネシアで会社を設立する著名人
・E33E~F:労働を目的としないリタイアメント後の長期滞在。
・E33G:リモートワーカー
・E34:治療
■シングルビザ(C1~C22)
シングルビザとは、インドネシアから出国するまでの間、アライバルビザ同様商談への参加が可能なビザです。アライバルビザとの大きな違いは、その滞在可能日数と延長可能回数にあります。60日間の滞在可能日数に加え、最大2回の延長により最長で半年間の滞在が可能になります。また、C2ビザ(旧B211Bに相当)の場合は工場への訪問・設備点検といった業務上の訪問も許可されていますので、インドネシアを製造拠点として工場を設置されている企業などは、短期的な査察の際に需要が高いと言えます。
また、一度出国すると無効になってしまうことに加えて、発行後90日以内に使用しないと有効期限が切れてしまうため注意が必要です。
<条件>
滞在可能日数:60日間(C22は180日、延長不可)
延長可能日数:60日間(2回)
旅券残存期間:6ヵ月以上
旅券空白欄:3ページ以上
査証有効期限:入国から90日以内
<活動範囲>
・C1:観光、家族訪問
・C2:商談、商品購入
・C3:治療
・C4:公務
・C5:メディア・報道用の撮影
・C6:ボランティア活動
・C7:芸術と文化
・C8:商用目的でないスポーツ
・C9:視察短期コース、短期トレーニング
・C10:講演またはセミナー参加
・C11:国際展示会参加
・C12:事業設立のための事前調査
・C13:インドネシア領土にある輸送機関との合流
・C14:映画の撮影
・C15:緊急時の作業
・C16:工業関連の訪問、インドネシア製品価値の向上、国際的マーケティングのためのコンサルタントと研修
・C17:インドネシア支社への監査・品質管理・検査
・C18:外国人労働者候補の採用に向けての実地試験
・C19:商品・機械などのアフターサービス
・C20:機械の設置および修理
・C21:法廷出席
・C22:給与の発生しないインターンシップおよび研修訪問(180日)
■マルチプルビザ(D1~D17)
マルチプルビザとは、上記シングルビザとほとんど同様のビザです。最大の違いは、発行後1年の間、60日を上限として何度でもインドネシアを出入国できるという点にあります。
したがって、1週間ほどの出張を1年間に数回繰り返す、といった場合に重宝されるビザです。ただし、シングルビザのC2(旧B211B)およびC5(旧B211C)特有の活動内容である工場訪問、取材、撮影等は許可されておらず、また、滞在可能日数の延長も認められていません。
<条件>
滞在可能日数:60日間
延長可能日数:N/A
旅券残存期間:18ヵ月以上
旅券空白欄:3ページ以上
査証有効期限:1年間(ただし取得から90日以内に1度入国しなければ無効となる)
<活動範囲>
・D1:観光、家族訪問
・D2:商談、商品購入
・D3:治療
・D4:公務
・D12:事業設立のための事前調査
・D14:映画の撮影
・D17:インドネシア支社への監査・品質管理・検査
■アライバルビザ(B1)
アライバルビザとは、いわゆる到着ビザ(VOA:Visa On Arrival)と呼ばれるもので、入国の際に空港で購入することが可能なためこの名前が付けられています。VOAを保持していれば商談への参加が可能です。
なお、以前は日本人を含む多くの国籍で30日以内の滞在については無査証(ビザ免除)が認められていましたが、2023年6月以降、無査証滞在制度が停止され、現在は30日以内の短期滞在でも原則としてVOAの取得が必須となっています。
インドネシアでは、2025年時点ではVOA取得料金は50万ルピア(約36USD)に変更となっており、また、カード払いは不可で現金が必要なため、購入しようとする場合はインドネシア渡航前に事前に両替しておくことが必要です。
以下、アライバルビザの特徴です。
<条件>
滞在可能日数:30日間
延長可能日数:30日間(一回のみ)
旅券残存期間:6ヵ月以上
旅券空白欄:3ページ以上
※30日以内に出国する証として、復路か第三国行きの航空券が必要
<活動範囲>
・B1:観光、ビジネス、医療
3.ビザの申請方法
■アライバルビザ(B1)
到着ビザはその名の通り、空港に到着した際に取得するビザです。現地法人との打ち合わせの際にはこのビザを取得します。
〈取得の流れ〉
[空港窓口で申請]
飛行機から降り入国管理局の審査ゲートへ向かう途中に、Visa On Arrivalカウンターがあります。(以下写真参照)そこで、500,000ルピアで購入可能です。尚、30日以内に出国する航空券が必要となります。
※2019年5月3日より、VOA取得料金が35USドルから500,000ルピアと表記が変更されましたが、引き続き日本円やUSドル等外貨での支払いも可能です。
なお、到着ビザ申請の際に、以下4点を十分確認する必要があります。
①VOAカウンターにて500,000ルピアを支払い、二枚つづりの領収書を受領する
②VOA購入後、入国審査ゲート(Immigration)にて、入管審査官にパスポート及び領収書を提出し、入国審査官にVOAでの入国である旨を伝える。
③入国審査後、パスポートが返却される際に、その場で、VOAシールがパスポートに貼付され、入国スタンプが押されていることを確認する。
※もしシールが貼られておらず、“VISA EXEMPTION”(ビザ免除)との緑色の入国スタンプが押されていた場合には、その場で訂正を申し出てください。
④パスポートの返却とあわせて、領収書の半券(FOR APPLICANT)を受領する。
※もし領収書が返却されない場合や、誤った日付の領収証が返却された場合、適切な領収書の返却を申し出てください。
※事前に並ばず入国したい場合は、e-VOA(オンライン決済・入国時は審査へ直行)が便利です。
■シングルビザ(C1~C22)
シングルビザ(出張者ビザ)は、一回限りのインドネシアの訪問の際に取得するビザとなります。シングルビザの取得は、申請後おおよそ5営業日から10営業日ほどで完了します。
〈取得までの流れ〉
[入国管理局への申請]
シングルビザを取得する際の流れは、必要書類の準備を行い、入国管理局へのシングルビザの申請とVISA申請料の支払いを行います。その後、3~10営業日ほどでeVISAが発行され、申請の際に登録したE-mail宛にPDFで送付されます。
以下シングルビザ取得の際の流れをまとめた表となります。
■マルチプルビザ(D1~D17)
マルチプルビザ(出張者ビザ)は、1年に複数回インドネシアに訪問の際に取得するビザとなりますマルチプルビザの取得は、通常5営業日から10営業日ほどで完了します。
マルチプルビザを取得する際の流れは、必要書類の準備を行い、入国管理局へのシングルビザの申請とVISA申請料の支払いを行います。その後、3~10営業日ほどでeVISAが発行され、申請の際に登録したE-mail宛にPDFで送付されます。
以下マルチプルビザ取得の際の流れをまとめた表となります。
■一時滞在ビザ(E23~E34)
一時滞在ビザは、インドネシアに就労目的で入国する際や、長期で滞在することが目的の際に取得するビザとなります。一般的に、海外の子会社で就労する場合はE23ビザを取得することになります(旧C312はE系へ移行)。ITASを取得する場合一時滞在ビザの取得が必須となります。取締役・監査役等の役員はE25系が用意されており、就労枠の扱い・手続きが異なる場合があります。また、取締役を除き就労ビザの取得には大卒以上の学歴が必要となります。
〈取得までの流れ〉
[必要資料]
〇パスポート顔写真頁の【見開き】【カラー】の写し(本人)
〇顔写真データ(本人)
〇インドネシアの所属先企業からのスポンサーレター
〇英文卒業証明書(カラーコピー・本人)
〇英文履歴書(右上に写真データ貼付・本人)
〇ビザ取得予定者の所属先からの推薦状
〇日本の保険証コピー(本人)
〇役職(本人)
〇インドネシア現地滞在先住所(本人)
〇スポンサー会社の法務関連書類(NIB、NPWP、SKT、Domicile、TDP、AOA証書、MOJ証書、President directorのID=パスポート)
〇スポンサー会社のBankStatement
■外国人雇用計画書:RPTKA[111] ・・・①
インドネシアにおける法人、駐在員事務所等が外国人労働者を雇用する場合、外国人雇用計画書RPTKA)を、インドネシア労働省のウェブサイト(http://tka-online.kemnaker.go.id/default.asp)にて、外国人労働者に関する情報を所定のフォーマットに記入し、労働者配置総局長宛に申請しなければなりません。フォームには以下のような情報を入力し、オンライン上でアップロードし、約10営業日後に承認がおりることとなります。
・雇用主の名称、住所、氏名
・外国人労働者の役職、職務内容、賃金、雇用総数、雇用期間、雇用開始日、労働地
・インドネシア人の教育プログラム等
※役職に付き、おこなう事業内容にて使えるものが限定されます。
一般的にはFinanceManager,R&DManager,MarketingManagerなどが使用されます。
また、RPTKAの提出時には、以下のような書類も同時に必要となります。
・設立証書/法務人権省認可、事業者番号(NIB)
・所在地証明書(Domicile)
・会社組織図
・納税者番号(NPWP)
・労務報告(WajibLapor)
・インドネシア人の教育、訓練実施表明書
インドネシアには、他国で見られるようなワーク・パーミット取得時の最低給与基準の要件はありません。ただし、外国人1人が就労するにあたり、現地法人の場合は現地人を10人以上、商業省直轄の駐在員事務所の場合には、3人の雇用義務がありますので留意が必要です。
[111]Peraturan Menteri Ketenagakerjaan (Permenaker) No. 8 Tahun 2021
Peraturan Pemerintah (PP) No. 34 Tahun 2021 tentang Penggunaan Tenaga Kerja Asing
■IMTA notifikasi:雇用通知書・・・②
インドネシアのIMTA notifikasi(雇用通知書)はインドネシア労働省が発行します。申請から発行までの所要日数はおよそ10営業日。技術能力開発基金(DKP-TKA)への補償金として、月間100USドル、年間で1,200USドルを労働省指定銀行に納付する必要があります。RPTKA同様、インドネシア労働省のウェブサイト(http://tka-online.kemnaker.go.id/default.asp)から、以下の情報および書類をアップロードし、申請します。
・在外公館手続き地の選択(インドネシア国外の大使館等でビザの発給を受けるため)
・外国人労働者の氏名、出生地、出生日、性別、婚姻状態、国籍、パスポート番号、パスポート発行日パスポート有効期間、パスポート発行地、学歴、住所、Emailアドレス、携帯番号、電話番号、役職名、階級、雇用期間、卒業証明書、職歴証明、カラー証明写真、保険加入証、雇用契約書、パスポートコピー
・雇用主の預金通帳/銀行明細書
■技術開発基金の支払い(DKPTKA)・・・③
外国人労働者を雇用する使用者は、補償金の支払いを義務付けられています。これはインドネシア人労働者のDKPTKAとして徴収されているもので、外国人労働者1人につき月間100USドル(1年間で1,200USドル)を政府に前納しなければなりません。補償金の支払いは、外国人労働者の労働許可証取得条件の1つとなっています。
この補償金の支払いは、政府機関、外国代表部、国際機関、社会団体、宗教団体、教育機関の特定の役職(外国大使館が管理する教育機関の校長や教師、あるいは海外の高等教育機関との提携で雇用される大学教員および/あるいは研究者)には適用されません。
eVISA(暫定居住ビザ)発行・・・④⑤
上記DKPTKAの納付を終えた後、労働省が入国管理総局にVITAS発行通知をします。その後、入国管理総局は外国人労働者を雇用する企業に対して、手数料の納付を求めますのでこれを支払います。支払いからおよそ5営業日でeVISAが発行されます。発給後90日以内にインドネシアへの入国が必要となります。
また、パスポートの残存有効期限および空白欄には条件が求められていますので注意が必要です。
・空白欄3ページ以上
・滞在日数30日→残存有効期限6ヵ月以上
・滞在日数2~6ヵ月→残存有効期限12ヵ月以上
・滞在日数7~12ヵ月→残存有効期限18ヵ月以上
・滞在日数13~24ヵ月→残存有効期限30ヵ月以上
■ITAS:暫定居住許可証・・・⑦
ITAS(暫定居住許可証)とは、インドネシアに連続して入出国する場合に必要な許可証で、VITASを取得した物は必然的にITASも取得しなければならないと、法務人権大臣規定2023年第22号において定められています。スカルノハッタ国際空港など法務人権省が定める特定の空港の特別審査カウンターにて、入国時に手続きをすることが可能であり、申請から発給までの所要日数は最短3日です。
流れとしては、空港の入国審査の際に、Working Permitのレーンに並ぶと両手の指紋の登録と顔写真の登録が行われますので、この手続きを忘れず行わなければいけません。なお、担当官によっては当該手続きを知らず、受け付けてくれない場合もあるため、その場合は後日、インドネシア入国管理局にて上記の手続きを行う必要があります。
以下、一時滞在ビザ取得の際の流れをまとめた表となります。
4.インドネシア入国後の手続き
インドネシアで就労する場合、Eビザを取得し入国後に暫定居住許可証(ITAS)、納税者番号(NPWP)の取得並びに社会保険(BPJS)の登録があります。
■ITAS:暫定居住許可証
ITASを持っている外国人は、インドネシアで就労している外国人として自由に入出国が可能となります。Eビザで許可されているのは1度の入国となるため、ITASを取得する以前にインドネシア国外から出国してしまうとビザが取り消されてしまい再度入国する際はもう一度ビザの取得が必要となります。
手続きの流れとしては、インドネシア入国時に空港のイミグレーションにて入国スタンプをもらい、ビザを提示すると、その場で写真撮影および指紋の採取があります。入国スタンプの載っているパスポートを移民管理局に持っていくと、後日(約2週間後)ITASが発行されます。
また、夜中到着便では手続きを行っていないケースがありますが、その際には本人が管轄の移民管理局に出向き、写真撮影および指紋の採取を別途行う必要があります。
入国後、ITAS取得プロセスを忘れてしまうと、その後のNPWP取得ができませんので注意が必要です。
ITAS発行から30日以内STM(所轄警察署報告)を行う必要があります。こちらは、国家警察本部に届け出た後、居住区管轄の警察へ届出(STM)を行います。
■STM(所轄警察署報告)[111]
ITAS発行か30日以内に国家警察本部に届け出た後、居住区管轄の警察へ届出(STM)を行います。申請に2週間、申請完了までに約2週間の計1か月ほどの期間を要します。
[111]Government Regulation No. 31 of 2013(および PP No. 48 of 2021)POLRI Circular SE/09/VIII/2024
■SKTT(住民登録[111] )
インドネシアで居住を開始する場合、ITASの発行日から14日以内に州の住民・民事登録局もしくは県/市の住民局に届けることが義務付けられています。届けが受理されると、居住地許可書(SKTT)が発行されます。
[111]Minister of Home Affairs Regulation No. 108 of 2019
■NPWP:納税者番号
NPWPはインドネシアで個人が所得税を納めるために必要な番号となります。納税者番号がない状態で、インドネシア側で給与が発生すると、所得税の納税や申告ができず、PPh26(国外サービスに関する源泉税)の税率(20%)にて源泉徴収額が計算されるため注意が必要です。
申請は、ITAS取得後に管轄の税務署へ申請を行い、通常1週間程度で取得することができます。
また、個人でインドネシアの銀行口座の開設をしようとする場合、ITASと合わせてNPWPの提示を求められる場合があります。
■BPJS:社会保障機関[111] (Badan Penye lenggara Jaminan Sosial)
加入者登録は、個人または団体で行うことができます。
給与受給者の場合は雇用主がまとめて、BPJSに登録します。加入者が1,000人以上の場合はデータ送信により登録を行い、その他の場合は指定の雛形に加入者の情報を記載し、直接BPJSに持参するか、BPJSが指定した第三者機関(銀行や専門団体など)を通じて登録します。
また、雇用主が登録しなかった場合は、従業員が個人で登録する権利がありますが、その場合も加入料の納付は規定どおり、雇用主と従業員で行わなければなりません。
給与を受給していない従業員または従業員以外の加入者は、居住する地域のBPJSにて各人が登録します。
登録していない場合、個人に税務調査が入るリスクもあるため、忘れないように注意が必要です。
[111]Law No. 24 of 2011、Government Regulation No. 37 of 2021、BPJS Regulation No. 2/2024
5.ビザの抹消方法
1. 帰任が決まったら
トラブル回避のために大切なのはとにかく「スケジューリング」を行うことです。できれば帰任の2か月前、遅くとも1か月前には、以下の日程を計画するのが望ましいです。
・最後の現地支給給与がいつになるか
・最後のBPJS保険料支払いはいつになるか
・いつBPJS抹消申請(返金申請)を行うか
・帰国日はいつで、いつまでに銀行口座を閉じるか
・いつEPO(ビザ抹消)を行うか
・いつ税務番号(NPWP)返還を行うか
実際は、毎月の給与の支給日や帰任日によって、これらのタイミングは前後します。この順番に行えば必ずしも問題ないとは言い切れません。
また、帰任や異動が急遽決まった場合であっても、BPJSの返金は無理に個人宛に行う必要はありません。そもそも会社が、個人が支払うべき保険料も負担していたので会社に返金するというケースや、時間がかるので返金しないというケースもあります。
2. 抹消の手続き
①BPJS(社会保障)退会
BPJSの報告については、健康保険、社会保険共に、毎月の報告およびそれにより、支払いが確定するため、BPJSへ退会の連絡をする必要があります。健康保険の報告は、当月1日(支払いは当月10日、変更は前月20日まで)、社会保険の報告は翌月10日(翌月15日)になります。
②EPO/ERP手続き
1)EPO-出国前にITASを返還
2)ERP-出国後にITASを返還
ITAS、IMTAをキャンセルします。パスポート、ITAS、IMTAの原本およびDPKK(技術能力開発基金)の支払い証が必要です。
1)EPO-出国前にITASを返還の場合
出国の7日前にパスポート原本を提出し、3~4日後に返還完了スタンプを貼付されたパスポートが返却されます。EPO終了後は、EPOのスタンプが押された、パスポートのみが返却されます。EPO手続きを行うと、6日以内にインドネシアから出国しなければいけません。
2)ERP-出国後にITASを返還の場合、
出国後、航空券eチケットとご出国スタンプの写っているパスポート写真を、手続き代理人(コンサルティング会社等)が受領し、移民管理局へ申請した後に、ITAS返還証が発行されます。
③NPWP(税務番号)の抹消および税務調査
当初取得した、税務番号の抹消手続きを行い、個人所得税の源泉税、予納を止める必要があります。EPO後に、NPWP末梢申請を行います。その後は、税務調査が長期的に続くことになります。税務調査期間は、税務署からの質問事項への対応、税務署へ出頭する必要も出てくるため、そのような場合は代理人を選任した上で対応する形となります。
通常は直近1年分のみが対象期間となり、およそ1年ほどで返還の処理が完了します。
6.Q&A
Q:出張で、マレーシアへの訪問も予定しており、Cビザ(シングルビザ)が失効をせずに訪問すべく方法を考えております。
一度インドネシアへ入国したのちに、ビザ効力期日内にマレーシアへ行き、またインドネシアに戻ることは可能ですか?
A:シングルビザですが、インドネシアの当局が把握しているため、入国した際に必ず行使されてしまいます。
そのためVOAにて一度入国ということができず、入国した後、出国されますとビザは失効してしまいます。
考えられる方法としては、先にマレーシアに入国しミーティング終了後、インドネシアに入国する形か、もしくはシングルビザにて一度入国、マレーシアに移動(シングルビザ失効)そしてVOAにて再入国などの案も考えられます。(各ビザにてできることは該当ページをご参照ください。)
Q:Visaが切れての滞在をした場合どうなりますか?
A:一日に付き1,000,000IDR(約8,000円)のペナルティが発生します。
Q:Visa取得時に記載が必要となる現地滞在先が決まってないのですが、どうしたら良いですか?
A:ホテルの住所でも問題はありません。ただし、滞在先として利用可能かどうかは各ホテルに確認する必要があります。
Q;ビザの取得ミスで日本人が捕まった事例はありますか?
A:インドネシアでよくあるビザに関する失敗事例の一部をご紹介させていただきます。
「VOAを取得すれば商談等の仕事ができると思い、工場(工事現場)に訪問してしまった」
「シングルビザを取得すれば工場訪問が可能だが、シングルビザに複数種類があり間違えてしまった」
実務上、ペナルティとして100,000,000~500,000,000IDRを支払うよう要求され、パスポートを没収されることもありますので、VISAの用途の確認には注意が必要です。
+ .3 .参考文献
参考文献
・ACT OF THE REPUBLIC OF INDONESIA NUMBER 13 YEAR 2003 CONCERNING MANPOWER
http://www.ilo.org/dyn/natlex/docs/SERIAL/64764/56412/F861503702/idn64764.PDF
・JAMSOSTEK https://jamsostek.co.id/
・黒田法律事務所編著『インドネシア進出完全ガイド』カナリア書房、2009年
・藤井恵『四訂版海外勤務者の税務と社会保険・給与Q&A』清文社、2013年
・吉田隆『改訂版税務なんてこわくない初級編』エヌ・エヌ・エー、2009年
・吉田隆『税務なんてこわくない中級編』エヌ・エヌ・エー、2010年
・アピ・マガジンhttps://api-magazine.com/article/detail/indonesia-holidays.html/
・在インドネシア日本国大使館 https://www.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
・日本貿易振興機構(ジェトロ)「インドネシア 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」2022年2月16日
https://www.jetro.go.jp/world/asia/idn/invest_05.html
Peraturan Menteri Hukum dan Hak Asasi Manusia Nomor 22 Tahun 2023
Keputusan Menteri Imigrasi dan Pemasyarakatan Nomor M.IP‑08.GR.01.01 Tahun 2025
Peraturan Pemerintah (PP) No. 34 Tahun 2021 tentang Penggunaan Tenaga Kerja Asing
Peraturan Menteri Ketenagakerjaan (Permenaker) No. 8 Tahun 2021