閉鎖・撤退
※ 本要約はAIが本章の内容のみをもとに自動生成しています。正確な内容は本文をご確認ください。
撤退手続き
メキシコの撤退手続き
メキシコでの撤退の手続きとして、株式会社や合同会社等の現地法人の場合、解散・清算の手続き、外国会社の支店・駐在員事務所の場合、閉鎖の手続きを行う必要があります。ただし、解散・清算の手続きや閉鎖の手続きには、日本のようにすぐに手続きが進むことはほとんどありません。場合によっては、手続きが数年におよぶこともあります。そのため、現地法人の場合には、合併や株式譲渡などの組織再編の方が撤退手続きよりスムーズに終わる場合もあります。メキシコからスムーズに撤退する際には、撤退の手続きだけでなく、組織再編も検討しておくことが重要になります。
+.2.法人の解散・清算手続き
解散・清算手続きスケジュール
会社法に基づく解散・清算手続きは、以下に示す手順で行います。
- 株主総会にて解散の決議
- 解散決議の登記及び通知
- 清算事務手続き
- 清算最終貸借対照表の公告
- 清算事務と清算最終貸借対照表の承認
- 登記及び通知
- 残余財産の分配
- 会社の消滅
- 清算人による書類保管義務履行
■株主総会にて解散の決議
株主総会で解散の決議を行うと、会社の営業活動は終了し、財産の整理を行うための清算会社となります。解散によって取締役は退任し、取締役の代わりに清算業務を行うのが「清算人」です。会社を清算する際には、まずは解散特別株主総会を開催し、会社の解散及び清算人の任命に加え、各社の事情に応じたその他の必要事項を議決する必要があります。
[清算人]
メキシコで会社を閉鎖するには際、清算人(liquidadores)の選定が必要となります。清算人は、会社の法定代理人であり、職務の範囲を超えて行った行為についても責任を負います。また、清算人は、会社の帳簿類・資産を受け取り、定款若しくは会社法に従って、 清算事務を行います。会社法上、清算人は1名以上おかなければいけないとされていますが、清算人が複数いる場合、手続きによっては、清算人全ての署名が必要なものもあります。そのため、一般的には、清算人を1名だけにすることが多いです。また、清算人の任命は定款の規定がない場合、解散決議で選定されます。また、清算人は、清算が完了した日から10年間、会社の帳簿および書類を保管しなければいけません。
■解散決議の商業登記および通知
会社は解散決議の登記によって、清算会社となります。そのため、商業登記を行うまでは、取締役はその職務を継続することになります。清算人の商業登記が完了した時点で、会社は会社を消滅させるためのあらゆる事業活動を終了し、資産・負債の清算業務のみ行うことになります。この段階で会社の帳簿類と資産は清算人に引き渡され、会計・税務上も通常会計年度が終了し、税務上特別な扱いとなる清算事務年度が開始されることになります。また、商業登記手続きについては、登記申請から登記完了まで通常約3ヵ月かかることになります。解散決議を行ってもすぐに第三者に対して清算会社であることが証明出来ないので、留意が必要です。
■清算事務手続き
清算人の職務は、資産の売却と債務の弁済であり、これらを行うことを「清算事務」といいます。清算人は就任をしたら、会社の帳簿類・資産を受け取り、定款もしくは会社法に従い「清算事務」手続きを行うと、同時に国税庁(SAT)へ清算開始の通知をする必要があります。
清算事務の主な項目は以下の通りである。
・事業活動の終結(契約関係等現務の結了)
・債権の回収(係属中の裁判があれば、債権回収以外のものを含め全て終結させる必要があります)
・債務の弁済(雇用関係終了・退職金の精算も含みます)
・資産の売却による換価
・各種登録の抹消(商業登記の抹消とRFCの登録抹消以外)
・会計税務(清算事務年度に応じた業務を行う)
※「清算事務」が1年を超える場合は、清算事務年度を順次繰越します。つまり、清算事務中でも清算事務年度が終了する度に、決算及び株主総会の開催が必要となります。
■清算最終貸借対照表の公告
清算人は、清算事務を結了させた後、清算最終貸借対照表を作成し、公告手続きを行う必要があります。決算公告の内容は、主に以下の内容になります。
1.債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額
2.債務の弁済、清算に係る費用の支払いやその他の行為による費用の額
3.残余財産の額
また、公告は経済省電子公告システム上にて実施します。清算会社は公告から15日後までの期間に以下の資料を株主が閲覧できるようにする必要があります。
・清算最終貸借対照表
・会社帳簿
・その他の資料
なお、この期間中であれば、清算事務に不服のある株主は、清算人に対して申し立てを行うことが出来ます。
■清算事務と清算最終貸借対照表の承認
清算事務に対する不服申し立て期間が申し立てなく終了した後、清算特別株主総会(Asamblea General Extraordinaria de Accionistas de Liquidación)を開催して、以下の項目について議決します。
・清算事務
・清算最終貸借対照表(残余財産分配案含む)の承認、
・会社消滅の確認
・その他の必要事項
■登記及び通知
「清算事務」と「清算貸借対照表」の承認後、その決議事項は公正証書化をした上、商業登記所に登記する必要があります。この商業登記には約3ヵ月かかるとされており、清算決議を行ったからといってすぐに清算が完了するわけではありません。また、国税庁及び経済省に対して清算結了を通知し、税籍登録(RFC)及びRINEの登録を抹消する。このRFCの抹消の際には、今まで税務申告した内容がSATの認識しているものと一致しているかどうか調査される場合もあります。ですので、毎月の申告及び年次での申告は正確に行う重要になってきます。
■残余財産の分配
『残余財産』とは会社が解散後、債権を回収し、債務を弁済した後に残った会社の財産のことをいいます。『残余財産』は会社の持ち主である『株主』に対して分配されます。『残余財産』の分配は清算特別株主総会での承認に基づき、株主へ行います。なお、各株主の有する株主の数に応じて平等に分配しなければならないとされており、各株主の保有する株券の返還と引き換えに行われ、返還された株券は廃却します。
■会社の消滅
会社の消滅は、清算特別株主総会決議事項の登記手続きが完了したことにより、効力が生じます。
この登記手続きにより、会社の商業登記が抹消されることになります。
以前、⑥登記及び通知の回でも記載しましたが、登記申請をしてから清算特別株主総会決議事項公正証書の登記の証明書が発行されるまで3ヵ月程かかります。
名目上は登記申請した時点で「商業登記の抹消」が完了し会社が消滅したと言えますが、その時点では「商業登記の抹消」を行っているという証明が発行されません。
そのため、登記申請を行ってから約3ヵ月後に発行される清算特別株主総会決議事項公正証書の登記の証明書が登記抹消の役割を果たす実務上の運用となっています。
+ .3 .参考文献
参考文献
メキシコにおける会社設立と清算の基本(JETRO)