設立
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事業拠点の特徴
進出の形態
外国企業がフィリピンで事業拠点を設けるには、フィリピン会社法(Corporation Code of the Philippines)及び1991年外国投資法に準拠した投資形態を選択します。
具体的には現地法人・支店・駐在員事務所のいずれかの手法をとることになります。その各々について、認められる活動内容や法的責任の範囲、そして税務上の取扱い等が異なります。政府からの不要なペナルティを避けるためにも、各進出形態において注意すべき点を事前に確認することが必要です。
まず外資の出資比率40%を超えるかどうかにより、進出時の負担が大きく異なるのがフィリピンの特徴といえます。たとえば外資の出資比率が40%を超える場合、通常の内国法人(Domestic Corporation)とは区別され、最低資本金や土地所有の可否について取扱いに違いが生じます。
近年の大幅な規制緩和とみなされる改正点としては、ドゥテルテ元大統領が改正会社法に署名したことにより、2019年2月23日より最低払込資本金が撤廃されています。(従来は5,000ペソ。)
しかし、会社法上の最低払込資本金の規制は撤廃されたとはいえ、他の法令によって資本金の支払いを求められることがあります。たとえば、外資40%超えの企業がフィリピン国内市場向けの事業を行う場合は20万ドル、そして建設業・人材紹介業等のライセンス取得においても事業によって最低払込資本金を支払う必要があります。
外国投資法や業種によって必要なライセンスを取得する際、ライセンス発行機関が独自に最低払込資本金を設けることがあるためです。
また、資本金を受け取る現地の銀行が、最低預金残高を設定する事例も見受けられます。加えて、この金額は会社の事業内容によって異なるものの、最低資本金規制とは別にして、会社の口座開設に最低50万ペソから100万ペソの入金を、設立から1年以内に求められることがあります。
一方では売上の60%以上が輸出を占める、いわゆる輸出向け企業には、最低資本金規制が適用されません。
このような状況を踏まえたうえで、関係各所へ余裕をもって事前に確認をすることが望ましいです。
現地法人
現地に法人を設立する場合、フィリピン会社法に準拠した会社形態を選択しなければなりません。 会社法上の会社形態は、大きく株式会社と非株式会社に分類されます。日本の事業会社が現地法人を設立する場合には、株式会社の形態を選択するケースが多く見受けられます。
■ 株式会社
日本人にとって最も馴染みのある会社制度であり、フィリピンへ進出する日系企業が最も多く利用する形態です。株式会社とは、出資者たる株主が、均等に細分化された株式を引受け、引受けた株式の金額を限度とした責任を負う(有限責任)会社形態をいいます。 株式会社は、発起人が証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Comission、以下SEC)へ登記手続を完了することによって法人格を取得します。
株式会社は 株主数、定款の規定に応じて公開会社と非公開会社に区分されます。
[非公開会社と公開会社]
非公開会社とは、定款において以下の規定を定めている会社と定義されます(96条)
・ 株主数が20名以下であること(自己株式を保有する場合、自社を除く)
・ 株式の譲渡に際して、会社定款及び附属定款によって定められた 制限に従うこと
・ 株式の公募を禁止すること
一方、 公開会社の定義はないため、上記の制限がない会社が公開会社となります。フィリピン市場での上場を目指す会社以外は、 公開会社を選択するメリットは少なく、ほとんどの日系企業は非公開会社を選択しています。
ただし、一定の業種の場合には、 非公開会社での設立は認められていません。具体的には、公共の利益に資すると判断される会社、採掘 または石油会社、証券取引会社、銀行、保険会社、公共会社、教育機関は、非公開会社としては認められていないため、公開会社として設立しなければなりません。事例として、一般の物流業の会社は公共の利益に資するとSECに判断され、非公開会社とすることはできないという事がありました。
[非株式会社]
非株式会社(Non-Stock Corporations)は、公共目的のみで設立されます。たとえば、慈善、教育、文化、あるいは同様の趣旨に基づくものとなります。
現地法人以外の進出の形態
現地法人を設立せずに拠点を設置する場合、支店、駐在員事務所を設置することができます。
■ 支店
支店とは本店から遠隔にある地域において、外国投資法の規則に従い、本店と同様の営業展開をするために設置された事務所です。後述する駐在員事務所とは異なり、売上をあげる活動が可能な進出形態となります。
フィリピンに支店を設立する場合は、本店は日本において適法に事業活動をしていることを証明するために本店の財務状態を開示、そしてSECに登録の上、事業ライセンス(License To Transact Business in the Philippines)を取得します。
支店は、現地法人といくつかの点で異なります。現地法人は、親会社から独立した法人であるのに対して、支店はあくまで本店と同一法人であることから、支店が負う債務弁済責任は、最終的にすべて本店が負うことになります。つまり本店の資産はすべて、フィリピン支店の債権者の権利行使の対象になるというリスクがあることに留意しなければなりません。
[支店の責任及び活動範囲]
支店は、本店と同様の営業活動を行うため、フィリピンでの事業から所得を稼得することが認められています。支店は外資規制において外資100%出資の会社と同様に扱われるため、外国投資法に従い、ネガティブリストに記載されている事業活動には、従事することができません。
[支店の最低資本金額]
外国企業のフィリピン支店が国内市場向けの事業を行うためには、 以下の運転資金を海外から送金する必要があります。
・ 先端技術を使用せず、15人以上の直接雇用をしない場合
→ 20万USドル相当以上の運転資金
・ 以下a.ないしc.のいずれかの条件を満たす場合
a.先進技術(科学技術省が決定する)を利用していること。
b.革新的新興企業法(Innovative Startup Act)に基づき、「スタートアップ」、または「スタートアップ支援機関」として承認されていること。
c.フィリピン人従業員を15人以上雇用していること
※共和国法第11647号(改正外国投資法)、2022年3月2日
→ 10万USドル相当以上の運転資金
・ 60%以上の売上が外国に対して輸出する製造業社、加工業社、サービス業社型などの企業の場合
→ 最低資本金額の対象外
[支店の代表者]
支店設立に際し、居住代理人(Resident Agent)をフィリピン支店へ選任します。これは会社法のコンプライアンス、支店に送達される召喚状を受領する責任を担います。居住代理人は外国人でも構いませんが、フィリピン居住者である事が必要です。SECが規定する居住代理人要件は、実務として1年以上有効に滞在できるビザを持っている者です。
[支店の活動と日本本店の財務諸表]
支店の場合、支店の財務諸表を作成し、支店に帰属する所得についてはフィリピン側で申告・納税をする必要があります。 しかし、本店と同一の法人格を有するため、支店での財務諸表は、日本側において本店が作成する財務諸表と合算されます。つまり、現地法人と違い、支店での経費が本店の損金としてみなされることとなるため、仮に支店が赤字の場合には、本店の所得と支店の赤字を通算する事により、本店の納税額を軽減できることになります。
ただし支店側で利益が生じると、そのメリットは生じないことになります。
■ 駐在員事務所
[駐在員事務所の活動範囲]
駐在員事務所とは、主として情報収集や宣伝等の活動を行うことを目的として登録される事務所をいいます。駐在員事務所は本店とフィリピンの顧客との連絡事務所として活動します。駐在員事務所の機能は限られており、一般的には以下の機能が認められます。
・ 親会社の製品及びサービスの情報宣伝と販売促進
・ フィリピン市場調査の実施
・ フィリピンにおける情報収集
・ 輸出製品の品質管理やアフターサービス
駐在員事務所は、フィリピンで行う事業活動において所得を得ることを禁じられています。注文の勧誘や売買契約の締結も許されていないため、親会社は直接フィリピンの買い手に販売することになります。
ただし、事務所の賃貸借や従業員の雇用、市場調査に加えて、本社の製品及びサービスの情報宣伝と販売促進や製品の品質管理を行うことができます。
駐在員事務所の利用方法で多く見受けられるのは、製造業等の外国企業が現地の委託企業の品質管理を行う場合です。ビジネス慣習の違いや技術的な問題によって委託企業に対して品質管理を行う際には、駐在員事務所を設置して現地から直接納期の管理、技術的な助言、検品を行うケースもあります。
このような駐在員事務所の利用方法は外国企業の中で広く知られている一般的な進出形態と言えます。
[駐在員事務所の資金]
駐在員事務所はその運営において所得が発生しないため、本店からの送金によって活動経費が賄われます。駐在員事務所の必要経費を賄うための送金は随時行うことができますが、設立の要件として、設立時点で本店から最低3万USドル相当以上を送金しなければならず、この送金はSECへの登録申請前に行う必要があります。
[税務申告]
駐在員事務所は、所得を得ることは禁止されていますが、銀行預金の利息などが収益として計上されることもあります。仮に収益がまったく発生しない場合でも、 法人所得税の申告義務があるため注意が必要です。
また、駐在員事務所は売上をあげる活動が禁止されているため、駐在員事務所がそのような活動等を行っていると疑われる、もしくはそう判断された場合には、 恒久的施設(PE:Permanent Establishment)とみなされ、みなし所得に対して課税される恐れがあります。
■ その他の進出形態
[個人事業]
個人事業(Sole Proprietorship)とは、個人が所有する企業で、 法人格のない事業体を指します。個人と企業が同一視されるため、 個人事業が負う債務の支払責任は、事業主個人にまで及びます。
つまり事業主のすべての事業用及び個人用資産が、差押えなどの法的行為の対象となり、出資者のリスクが出資額に限定されない点が株式会社と大きく異なります。
ネガティブリストの規制業種を、フィリピン人以外が個人事業として行うことは認められていません。原則として貿易産業省(DTI: Department of Trade and Industry)に事業許可を申請し、許可を得なければできません。個人事業主としてDTIに登録してビジネスを行う場合には、外資100%の企業同様、基本的には20万USドル以上の出資が求められます。個人事業の場合には、決算の簡易申告ができるという利点があります。地方に所在地を置く場合は、貿易産業省の支部事務所で申請手続を行います。個人事業であっても月次や四半期、年次の税務コンプライアンスを遵守する必要があります。
[パートナーシップ]
パートナーシップ(Partnership)とは、「利益を確保する目的で2人以上の者が結合し、共同事業体を形成するための契約である」と定義されており、サービス業など(弁護士事務所、会計事務所など)で利用される形態です。出資者がパートナーシップの負担する支払義務について無限に責任を負う無限パートナーシップと、出資者の責任がその出資額を限度とする有限パートナーシップの二つに分けられます(民法1767~1867条)。
3,000ペソ以上を資本金とするパートナーシップは、SECへの登録が義務付けられており、SECが規定する各種義務を遵守しなければなりません。
[GEO: Global Employment Outsourcing]
現地法人、支店、駐在員事務所設立の手間、ランニングコストといった初期投資、リスクを抑えて早いスピードで事業展開、スモールスタートが可能になります。拠点設立をせずとも実質的に駐在員事務所がある場合と同様の事業活動ができます。新型コロナウイルスの流行により、従来行っていた日本から出張、現地の事業を運営するという方法をとることが渡航制限等により難しくなった企業が、GEOにより現地で人材雇用をして事業運営する検討を進めたことにより、日本で注目されるようになりました。リモートワークの浸透にともない、海外事業についてもリモートワークで運営していく企業が今後増加すると見込まれます。
注意すべき点は、法人所得税の対象にはなりませんが、万が一現地で働く代理人が直接顧客との契約を締結する場合や、売上が国内で発生してしまった場合は税金を納める義務が生じ、続けて現地法人の設立も余儀なくされます。
また、現地で雇用する従業員との契約を書面で結び、信頼を置ける状態で事業を開始することで、後の労務上のリスクを低減することができます。
事業拠点の設立
フィリピンにおける拠点設置
会社の設立は会社法第2部に規定されています。会社はSECへの登記手続を完了することにより法人格を取得します。規制を受ける法規としては、フィリピン会社法(2019年フィリピン改正会社法)、 1991年外国投資法(2022年改正外国投資法)があります。
また、各省庁が定めている優遇措置の適用を受ける場合は、進出地域及び優遇措置を受ける機関へ投資申請を行います。代表的な機関としては、 投資委員会(BOI)、フィリピン経済区庁(PEZA)、ムスリム・ミンダナオ自治地域投資理事会、クラーク開発公社(CDC)、スービック湾首都圏庁(SBMA:Subic Bay Metropolitan Authority) 等があります。これらの機関から投資許可を取得した後に、SECへ登記申請を行います。
現地法人の設立手続(日本側)
現地法人を設立することを決定した後に、設立の準備に入ります。まず行うべきことは、会社名や 株主構成、資本金、会社役員など、現地法人設立に必要な情報を決定することです。
■ 現地法人情報の決定 … ❶
[フィリピン現地法人の会社名]
既にSECに登録されている 商号または類似の商号は使用することができないため、候補となる商号を3つ用意し、事前にSECに商号の予約を行います。会社名を決める際には、会社名の終わりをCorp. またはCorporation、Inc.またはIncorporatedにする必要があります。
また、SECのサイト上で会社名予約を行った際に、似た名前があるという表示が出て予約ができない場合でも、SECにアピールレターを書いて交渉することで、希望の会社名が使えることがあります。アピールレターに対するSECからの回答は、通常1週間程度で得られます。
一人取締役の会社(OPC:One Person Corporation)の場合、会社名の終わりに“OPC”と記載しなければいけません。自然人、信託および財団のみが株主となることができる、つまり日本親会社がフィリピンにおいて一人会社を子会社として設立することはできません。また定款登録において、代理者および代替代理者の指名が求められます。
[フィリピン現地法人の登記住所]
SECに登記を行う際に、登記住所は確定させておく必要があります(この時点で賃貸契約書の作成までは不要です。)オフィス等を探すことよりも会社の設立を優先させる場合は、貸しオフィスやコンサルティング会社に登記用の住所を借りて(バーチャルオフィスサービスといいます)、設立の手続を進めることができます。
なお、SEC登録後、事業許可証(Mayorʼs permit)申請の際には 賃貸契約書が必要となります。
[株主及び発起人]
フィリピン会社法23条により、取締役は最低1株以上保有しなければならないと規定されています。
会社法改正前までは取締役は最低5人以上でその過半数がフィリピン居住者でなければならないと定められていましたが、会社法改正に伴い、2019年2月23日により撤廃され、最低2名以上と改められました。
また、取締役の数やフィリピン人を任命すべき割合は、外資の出資比率によって変わってきます。たとえば外資100%の企業である場合、取締役を2名とも日本人に設定することも可能です。秘書役はフィリピン国籍の者、財務役フィリピン居住者という条件があります。
「発起人」とは、会社の登記手続を遂行し、会社定款に署名をする者をいいますが、発起人は自然人に限らず、法人が発起人になることも可能です。
[資本金]
資本金には、「授権資本金」、「引受資本金」及び「払込資本金」の3つの種類があります。
授権資本金とは、取締役会の権限で新株を発行することができる限度額を指しています。 引受資本金は、実際に株式の引受契約が締結された資本の金額です。
また、払込資本金は、引受契約のうち実際に払込(現物出資等を含む)が行われた金額をいいます。財務諸表上の資本金の額はこの払込資本の金額をいいます。
授権資本金の額までは、取締役会の決議のみで増資が可能となるため、資本金額の決定に際しては、将来的にどのくらいの増資が必要になるかを考慮する必要があります。
会社法改正前までは授権資本金額の25%以上が引受けられていなければならず、引受資本金額の25%以上を払い込まなければならないという規定がありましたが、当該会社法改正に伴い、2019年2月23日より撤廃されました。
また、外資の出資比率を40%超に設定するためには、最低払込資本金が20万USドル必要になります。ただし、先端技術を有する革新的スタートアップ企業、もしくはフィリピン人の雇用が15名以上である場合は、10万USドルへの軽減が認められます。
将来において物やサービスの輸出もしくは総売上の60%以上を占める海外収益が見込める企業は、 1991年外国投資法に基づき、輸出企業(Export enterprises)とみなされ、20万USドルの最低払込資本金の要件は適用されません。なお、前述の支店設立の際と同様に払込資本金が少なすぎるという指摘をSECが行うことがあるため、実務上は10万ペソ以上が現実的な数字になります。
ここでいわれる海外収益がある企業とは、「輸出型企業」として、 売上の60%以上を外国に輸出する製造業者、加工業者、サービス業者(観光業を含む)、または、フィリピン国内で製品を購入し、その60%以上を輸出する会社をいいます。その他、銀行業や小売業などの特定の業種については、最低資本金の規制があるため事前に確認をすることが望ましいです。
[現地法人の役員]
会社役員の決定は通常会社法の規定に基づき行われますが、フィリピンでは、ネガティブリストに該当する場合にアンチダミー法(Antidummy law)が追加で適用されるため、規制内容が複雑になります。
取締役
前述の通り、取締役は最低1株以上の株式の引受が必要となります。また、ネガティブリストに規定される規制業種に該当する場合には、 アンチダミー法が追加で適用されます。この場合は、外国人の取締役の構成比率に占める割合は、ネガティブリストの上限出資比率を超えることはできません。
代表取締役(社長)
代表取締役は、会社の代表権を有する者をいい、フィリピンでは 「社長」というのが通常です。取締役の中から選任されます。外資40%以下の会社の場合、代表取締役はフィリピン国民かつフィリピン居住者であるべきことが会社法より定められています(第五章「会社法」参照。)
財務役
財務役とは、会社の会計責任者をいい、1名以上の設置が義務付けられます。取締役との兼任が認められていることから(代表取締役との兼任は不可)、簡素な設計を行うためには、取締役と兼任をさせます。会社法により、フィリピンに居住していることが要件となっています。
また外資40%以下の会社の場合、財務役はフィリピン国民でない、つまり外国人であっても担えるものの、フィリピン居住者でなくてはなりません(第五章「会社法」参照。)
秘書役
秘書役は、フィリピン居住者であるフィリピン人を選任しなければなりません。会社設立よりも先にフィリピン人の秘書役を見つけることは困難な場合があるため、弁護士などに依頼することが好ましいといえます。これは、役員変更等会社のコンプライアンスについて責任を持つのが秘書役であり、会社法に詳しい専門家が適任だからです。
[定款]
定款には、以下の内容を記載する必要があります。記載内容には、法定されているものが多く含まれるため、コンサルティング会社や弁護士事務所の有するSECのフォーマットをベースに作成します。
・ 社名
・ 事業目的
・ 主たる所在地(登記場所)
・ 存続期間(通常は50年で設定する)
・ 発起人
・ 取締役
・ 授権資本金額
・ 引受資本金額
・ 払込資本金額
・ 財務役
[附属定款]
附属定款には、以下のような株主総会や取締役会の運営方法など会社のさまざまな規定を盛り込むことができます。後にトラブルにならないように内容を把握しておく必要があります。
・ 株主総会
・ 取締役会
・ 会社役員
・ 会計年度
[定款へ記載する事業目的]
定款へ記載する事業目的は、ネガティブリストの規制と深く関連して外国資本投資の割合、それに紐づく外国人取締役の比率等会社の機関設計に大きな影響を与えるため、表現の検討も含めて事前の調査と慎重な判断が必要になります。事前調査の方法は、SECのウェブサイト(SEC i-View)で競合他社の定款を閲覧して、事業目的や資本構成、株主構成をリサーチすることが有効です。
同じ業種であっても、定款に記載する事業目的の表現によってはSECが外資規制にかからないと判断する場合も実際にあります。
■ 必要書類の準備 … ❷
設立にかかる時間を考えると、通常は弁護士事務所やコンサルティング会社に設立手続を委託するケースがほとんどであり、日本の親会社は以下の書類を用意する必要があります。
[登記登録の必要書類]
・ 取締役就任予定者のパスポートコピー
・ 親会社の登記簿謄本の英語訳(TINナンバー取得のため)
・ 親会社の取締役決議書(取締役が5名以下の場合、必要となります。)
・ 新会社の定款・附属定款の作成および必要箇所へのサイン
・ 財務役の宣誓書等SEC登録に必要な書類の作成と必要箇所へのサイン
現地法人の設立手続(現地側)
■ 商号の予約・登録 … ❶
フィリピンにおいて、既に使用されている商号または類似する商号は使用することができないため、登記申請の前にSECに希望する商号が使用できるかどうかの確認を行います。3つ程度の社名を準備し、使用許可の申請、そして申請した商号が承認されたのちに社名確認書が発行されます。現在はオンラインにより商号の確認ができるシステムがあります。
チェックシステムの審査基準が厳格であるため、申請された商号が既に登録されている商号と少しでも類似していると判断された場合には申請が棄却されることがあります。この場合希望する商号が類似していないとの事由を記したアピール㆑ターをSECに提出して交渉することで承認されるケースもあります。
[商号確認書]
商号の予約手続により取得した商号確認書(Company name verification slip)が必要となります。この商号確認書は以下の通り有効期限があり、期限内にSECに登録申請をしなければなりません。有効期限が過ぎてしまった場合は、再度商号確認書の取得が必要となるため注意が必要です。
・ 手数料100ペソ: 商号確認の有効期限が30日間
※ 同様の手数料で延長可能
■ 証券取引委員会(SEC)への登録 … ❷
SECが法人の監督・管理を一括して行っており、法人のみならず、支店及び駐在員事務所の設立についてもSECへの登録を行います。
[年次報告書]
年次報告書(General Information Sheet)は、必ず指定されたフォームを使用しなければならず、SECのウェブサイトからダウンロードすることができます。
内容としては会社名、会社住所、電話番号、資本金の額などの基本情報を記載します。日本における登記簿謄本と同じような機能を持っています。
[財務役宣誓書]
財務役に任命された者の宣誓書です。具体的には本人が財務役に任命された旨及び最低払込資本金が払い込まれたことを証明する等の内容となります。またフィリピンの公証役場において認証を受ける必要があります。
※従前はSEC登録前に銀行でTITF口座を開設し、払込資本金の振り込みを行い、払込証明書を取得しないとSEC登録ができないルールになっていました。これについて、2013年下半期からSEC本局での実務上の取扱が変わり、TITF口座の開設及び払込証明書なしでSEC登録が可能になっています。
■ 地方自治体での手続 … ❸
[バランガイ・クリアランス]
バランガイ(Barangay)とは、市よりも小さい最小単位の地方自治体のことを指します。子会社の所在地を管轄するバランガイからバランガイ・クリアランス(Barangay Clearance)という許可証を取得します。通常バランガイ事務所では、SEC登録証書の提出を求められます。
[事業許可証取得]
子会社の所在地を管轄する市役所から事業許可証(Business permit)を取得しなければならず、以下の書類が必要となります。
・ バランガイ・クリアランス
・ 賃貸契約書
・ 所定の申請書
・ SEC登録証書
・ 定款、附属定款
・ 申請手数料、地方事業税(地方事業税額は厳密には地方自治体により異なる。概ね払込資本金の約0.1%)
事業許可証申請時には通常、職員による査察が行われ、賃貸契約書の提出が求められます。更に、これに付随してオフィスの占有許可証 (Occupancy Permit)の提出を要求されるケースがあります。こちらはビル単位ではなく、オフィス単位での提出となるため、貸主にあらかじめ許可を得ているかの確認をするのが望ましいといえます。
なお、登記住所を居住者用のコンドミニアム等に設定してしまい、 商用の占有許可証を用意できなかったためにオフィス住所を変更した、といったケースもあります※。賃貸されるスペースが商用か居住用かについては、注意が必要です。また、製造業として登録を行う際には居住用や商用スペースでは事業許可証の取得ができないため、工業用スペースを登記住所として確保する必要があります。
※SEC登録時には登録住所が商用スペースであるかどうかの確認は入らないため、この様なケースが発生したものと考えられます。
[住民税納付証明書]
住民税納付証明書(Community Tax Certificate)は、会社の所在地を管轄する地方自治体にて納付、証明書を取得することになります。更新を毎年行わなければならず、 バランガイ・クリアランスを取得する際にも必要となります。
■ 内国歳入庁(BIR)での手続 … ❹
[CORの取得]
会社の所在地を管轄する税務署(Revenue District Office)から、COR(Certificate of Registration)を取得します。申請時にはSEC登録証書の提示が求められるため準備が必要です。
[領収書等の印刷]
管轄税務署にて領収書等の印刷許可(Authority to Print)を取得し、税務署が認可を与えた特定の印刷所で印刷をします。また、2013年に発行されたRevenue Regulations No.18-2012により、請求書や領収書の他に、業種によっては納品受領証(Delivery Receipt)、注文書(Purchase Order)、受取票(Acknowledgement Receipt)といった事業に必要な書類(Commercial Invoices)についても税務署の印刷許可を受けて指定の印刷所で印刷を行うことが義務付けられています。
[印紙税の納付]
印紙税の納付期限は、株式を発行した月の翌月5日となっています。印紙税は株式発行の際、引受資本額の0.5%が課されます。
■ 社会保険関連の手続 … ❺
従業員の雇用が発生した時点で、原則として60歳以下の労働者に対し三種類の社会保険制度への加入が義務付けられています。
・ 社会保障制度(SSS:Social Security System)
日本の厚生年金に当たります。
・ 健康保険公社(PhilHealth:Philippine Health Insurance Corporation)
病気やけがに対する保険といった日本でいう国民健康保険に当たります。
・ 持家促進相互基金(HDMF:Home Development Mutual Fund)
住宅に関する保険制度です。
これらの社会保険は、駐在で来ている外国人もコンプライアンス上加入が義務付けられています。もちろん日本人駐在スタッフが現地で駐在を始める場合にも雇用が発生したとみなされるため、手続を行う必要があります。日本でも会社側と本人側で保険料を支払う制度がありますが、会社は原則として労働者の支払う保険料の2倍の金額を負担します。これは最高2万ペソまでという規定も存在します。
しかし、現状では罰則がないため、これらの保険制度に加入していないケースもあります。
■ その他の会社設立後の手続 … ❻
上記の他、会社設立後に、以下の手続が求められます。
・ 設立から30日以内にSECに株式及び株主台帳の登録
・ 定時株主総会から30日以内に年次報告書(General Information Sheet)をSECに提出
・ 非上場会社は会計年度終了日から105日以内に監査済財務諸表をBIRに提出
・ 監査済財務諸表をSECに提出(期限はSEC登録番号の末尾の番号によって若干異なるため、詳細はSEC登録書の裏面を参照)
・ 毎年1月20日までに地方自治体に地方税証明書(Community Tax Certificate)、 バランガイ・クリアランス、事業許可証の更新
・ 毎年1月31日までにBIRにRegistration Fee(BIR form 0605) の支払い
また、義務ではないものの、将来の配当や撤退時等にペソから外貨への両替が必要な場合には、資本金の送金から1年以内に中央銀行への登録が必要になります。中央銀行の規則によると、居住法人の場合には中央銀行への登録がない場合でも100万USドルまでの外貨の購入が可能ということになっています。しかしこの外貨購入の上限金額は銀行の規則によって制限されているのが現状なので、中央銀行への登録を行っておくことが望ましいです。
中央銀行への登録に必要な情報は以下の通りです。登録手続には通常2カ月程度かかります。
・ 銀行で発行された運転資金送金証明書の原本(Original Certificate of Inward Remittance of Foreign Exchange issued by an Authorized Agent Bank)
・ SEC登録証のコピー(Copy of SEC Registration)
・ 定款のコピー(Copy of Articles of Incorporation)
・ 最新の年次報告書のコピー(Copy of latest General Information Sheet)
・ 支払済投資金額に関する宣誓証明書(Sworn Certification signed by the investee firmʼs authorized officer stating that the investment was funded by inward remittance)
・ 最新の監査済財務諸表のコピー(Copy of latest Audited Financial Statements showing the funding of investment was recorded as equity)
PEZA登録手続
一定の要件を満たしたIT企業や製造業、物流業等はフィリピン経済特区(PEZA)に登録し、各種のインセンティブを受けることができます。ここではIT企業と製造業、物流業の場合のPEZA登録の概要を説明します。
■ IT企業
[PEZA取締役会決議書の取得] … ❶
SEC登録前に必要書類をPEZAに提出し、月に2回行われるPEZA の取締役会の承認を受けて取締役会決議書を受領します。PEZAの取締役会の開催日から1週間程度で取締役会決議書が発行されます。
PEZA取締役会決議書(Board of Resolution)を取得後にSEC登録を進めるというのが望ましい手順です。なお、SEC登録後に必要書類を提出し、取締役会決議書を受けることも可能ですが、この場合には、PEZAの判断によっては法人税免除のインセンティブを受けられなくなる(法人税免除ではなく、初めから5%の総所得課税の対象になる)可能性があるので注意が必要です。
PEZA取締役会決議書申請に必要な書類
・ 申請書(Application form)
・ 定款と附属定款の草案(Draft of Article of Incorporation and by-laws)
[PEZA登録書の取得] … ❷
BIR登録時に発行されるCOR取得後、必要書類をPEZAに提出 し、PEZA登録書(PEZA Certificate)の申請を行います。申請からPEZA登録書の取得までに、2~3週間かかるのが通常です。PEZA登録のIT企業の場合、PEZA登録を行う市によっては、地方政府への登録を免除されていない場合があるので注意が必要です。この場合には、通常の現地法人の設立同様に、バランガイの発行するバランガイ・クリアランスや、市役所の発行する営業許可証(Business Permit)の取得が必要になります。これは、PEZAと市が結んでいる協約の内容が場所よって異なることに起因した現象です。
PEZA登録書の取得手続は以下の流れで進みます。
・ PEZA登録書の申請
・ 登録契約書(Registration Agreement)の発行
・ 登録契約書(Registration Agreement)への現地法人社長の署 名
・ PEZA登録書の発行
PEZ登録企業のインセンティブの一つであるPEZAビザは、PEZA登録書取得後に申請が可能となります。
PEZA登録書申請に必要な書類
・ 開発者からの認可書(Letter of No Objection from the Developer)
・ 賃貸人からの認可書(Letter of No Objection from the Lessor)
・ 賃貸借契約書(Lease Contract)
・ 公証済確約書(Notarized Undertaking)
・ SEC登録書のコピー(Copy of SEC Registration)
・ BIR登録書のコピー(Copy of BIR Registration)
・ 登録料支払の証明書(Proof of filing fee)
[付加価値税0%証書の取得]… ❸
PEZA登録書取得後に必要書類をPEZAに提出し、付加価値税0%証書(VAT Zero Rated Certificate)の申請を行います。申請から付加価値税0%証書の取得までに、1~2週間かかるのが通常です。なお、付加価値税0%証書取得後は、PEZA登録を行った事業活動の支出にかかる付加価値税は0%取引になります。
[所得税免除証書の取得] … ❹
PEZA登録書取得後に必要書類をPEZAに提出し、所得税免除証書 (Certificate of Income Tax Holiday)の申請を行います。申請から所得税免除証書の取得までに、1~2週間かかるのが通常です。なお、 法人税免除証書の申請は、前述の付加価値税0%証書の申請と同時に進めることが可能です。
付加価値税0%証書と所得税免除証書申請に必要な書類
・ 申請書(Letter request)
・ 所得税免除証書と付加価値税0%証書申請書(Application form for ITH and VAT)
・ PEZA登録書のコピー(Copy of PEZA Certificate)
・ 登録同意書のコピー(Copy of Registration Agreement)
・ 委任状(SPA)
[オペレーション開始の承認書の取得] … ❺
オペ㆑ーション開始直後に必要書類をPEZAに提出し、オペ㆑ーション開始の承認書(Notice of Approval of Start of Commercial Operation)の申請を行います。申請からオペ㆑ーション開始の承認書の取得までには、2週間程度かかるのが通常です。申請の注意点として、オフィスの内装工事を行っている場合には、工事を行った内装業者を通じてPEZAから占有許可証(Occupancy Permit)を取得するまでオペ㆑ーション開始の承認書の申請ができないことが挙げられます。また、オペ㆑ーション開始の承認書の申請は、オペ㆑ーション開始後7日以内に行わなければならないので注意が必要です。
オペレーション開始の承認書申請に必要な書類
・ オペ㆑ーション開始の宣誓供述書(Affidavit to Start Commercial Operation)
・ オペ㆑ーション開始の申請書(Letter Request to Start Commercial Operation)
・ 事業にかかる最初の伝票のコピー(Copy of First Commercial Invoice)
・ PEZAの月次報告書のコピー(可能であれば)(Copy of PEZA Monthly Reporting if available)
・ 占有許可証のコピー(Copy of Occupancy Permit)
・ 登録契約書のコピー(Copy Registration Agreement)
・ PEZA証明書のコピー(Copy of the PEZA Certificate)
■ 製造業
[PEZA取締役会決議書の取得] … ❶
IT企業のPEZA登録の❶(P.121)を参照ください。
[PEZA登録書の取得] … ❷
BIR登録時に発行されるCOR取得後、必要書類をPEZAに提出し、 PEZA登録書(PEZA Certificate)の申請を行います。通常申請からPEZA登録書の取得までに、2~3週間かかります。
流れは下記の通りです。
・ PEZA登録書の申請
・ 登録契約書(Registration Agreement)の発行
・ 登録契約書(Registration Agreement)への現地法人社長の署名
・ PEZA登録書の発行
なお、PEZA登録企業のインセンティブの一つであるPEZAビザは、 PEZA登録書取得後に申請が可能となります。
PEZA登録書申請に必要な書類
・ 開発者からの認可書(Letter of No Objection from the Developer)
・ 賃貸人からの認可書(Letter of No Objection from the Lessor)
・ 賃貸借契約書(Lease Contract) ・ 公証済確約書(Notarized Undertaking)
・ SEC登録書のコピー(Copy of SEC Registration)
・ BIR登録書のコピー(Copy of BIR Registration)
・ 登録料支払の証明書(Proof of filing fee)
・ CNCあるいはECCの申請料の支払い証明書(Proof of Filing with CNC or ECC)
[付加価値税0%証書の取得] … ❸
IT企業のPEZA登録の❸(P.123)を参照ください。
[所得税免除証書の取得] … ❹
IT企業のPEZA登録の❹(P.123)を参照ください。
[環境適合証明書(ECC)、もしくはECCの非該当証明書(CNC) の取得] … ❺
製造に使用する原材料の種類や量などによって、環境適合証明書 (ECC:Environmental Compliance Certificate)の取得が必要か、 ECCの非該当証明書(CNC:Certificate of Non-Coverage)で足りるのか、PEZAに判断されます。
ECC取得のプロセス
PEZAにおける手続
・ ECC申請書(ドラフト)の作成
・ EZAへの書類提出、㆑ビュー
・ PEZAによる工場視察(実施の有無はPEZAの判断による)
・ 書類の修正、追加書類の作成、代表者のサイン取得
・ PEZAにおける環境天然資源省(DENR:Department of Environment and Natural Resource)への承認書発行
DENRにおける手続
・ DENRへの書類提出、申請料の支払い
・ DENRにおける書類㆑ビュー(必要に応じて修正)
・ DENRによる覚書(Memorandum of Agreement)の発行
・ 覚書(Memorandum of Agreement)への代表者のサイン取得、 提出
・ ECCの発行
ECC申請に必要な書類
・ ECC申請書(Letter of request to DENR-EMB stating desire to receive ECC)
・ 事業説明(原材料、製造過程あるいは製造技術で使用する機器について記載する必要有)(Project Description, indicating raw materials to be used and process or manufacturing technology to be implemented)
・ 推定事業規模(事業と製造物の種類と大きさの記載をする必要有)(Estimated project capacity, type and volume of products and discharges)
・ 提案事業に必要な資金所有の証明書(Proof of possession of necessary capital for proposed project)
・ 事業地域の周辺地図(Location map of project area)
・ 労働力需要(Manpower requirements)
・ 事業提案書(Project Description)
・ 事業構成図(Project Component)
・ 環境への影響マネジメント計画書(Environmental Impact and Management Plan)
・ 廃棄物計画書(Abandonment Plan)
・ 地勢情報書(Topographic Location)
・ 工場(予定地)の写真(Geotagged Photos)
・ 敷地開発計画図面(A3サイズ)(Site Development Plan in A3 format)
・ 工場平面図(A3サイズ)(Factory Floor Plan in A3 format)
・ 上下水道計画図面(A3サイズ)(Water or Sewer Plan in A3 format)
・ 大気汚染防止計画図面(A3サイズ)(Air Pollution Plan in A3 format)
・ 組織図(Organizational Chart)
・ 賃貸契約書(Contract of Lease)
・ 事業環境モニタリング検査計画(PEMAPS)
・ 支払申請書(Payment Form)
・ 陳述証明書(Sworn Statement)
・ PEZA登録書のコピー(Copy of PEZA Certificate)
・ SEC登録書、定款、附属定款のコピー(Copy of SEC Certificate with Articles and By-laws)
CNC取得のプロセス
・ 必要書類の作成
・ 環境管理局(EMB)のウェブサイトにおけるアカウントの作成
・ 作成したアカウントへの申請に必要な書類のアップデート
・ 環境管理局からアセスメントの取得、指定銀行でのアセスメント の支払い
・ CNCドラフト証書の発行(メールでの送付)
・ CNCドラフト証書への代表者のサイン取得、サイン証書の提出
・ CNC証書の発行
CNC申請に必要な書類
・ 事業実績書(Project Fact Sheet)
・ 環境への影響マネジメント計画書(Duly filled out Environmental Impact and Management Plan)
・ 廃棄過程の説明書(Abandonment Process)
・ 開発敷地計画書のコピー(Copy of Site Development Plan)
・ 賃貸契約書のコピー(Copy of Lease Agreement)
・ PEZA登録書のコピー(Copy of PEZA Registration)
・ SEC登録書のコピー(Copy of SEC Certificate)
[輸出入ライセンスの取得] … ❻
製造に必要な原材料や機械等の輸入及び製造した製品を輸出するためには、輸出入ライセンスを取得する必要があります。輸出入ライセンスの取得について、PEZA企業はBIRから輸入業者証明(ICC: Importer Clearance Certificate)の取得を免除されており、NonPEZA企業より取得プロセスの点で優遇されていると言えます。ここではPEZA登録企業が輸出入ライセンスを取得する場合のプロセスと必要書類を見ていきます。
輸出入ライセンス取得のプロセス
認可を受けている付加価値通信事業者(Value-added Service Provider)の顧客プロフィール登録システム(CPRS:Client profile registration system)上の手続
・ 必要書類の作成
・ CPRSへの書類提出、確認メールの受信
税関における手続
・ 申請料(Filing Fee)の支払い
・ 税関の証明書(Bureau of Customs Certificate)の発行
PEZAにおける手続
・ 申請書類及びAnnex A~E等の提出
・ 提出書類への承認の受領
・ 付加価値通信事業者からのパスワード受信、CPRSの有効化
輸出入ライセンス申請に必要な書類
・ E-konekあるいはInterCommerceへの登録申請書(E-konek or InterCommerce application Form)
・ BIR登録書のコピー(Copy of Certificate of Registration in BIR)
・ PEZA登録書のコピー(Copy of the PEZA Certificate)
・ PEZA指定の輸出入登録申請書(AEDS( export) and IEDS (import) Application Form of PEZA)
・ 附属添付書類A:PEZA地域マネージャーへの申請書(Annex A: Letter Request to Zone Manager)
・ 附属添付書類B:指定の申請書(Annex B: Proforma Application Letter)
・ 附属添付書類C:代理署名者の指定書(Annex C: Designation of Alternate Signatory)
・ 附属添付書類D:規制外輸出入品目リスト(Annex D: List of Unregulated Importables( for import) and Exportables for Export)
・ 附属添付書類E:輸出入品目リストの証明書(Annex E: Certification of the List if Importables (import) and Exportables(Export))
・ 輸出入品目リスト(HSコード、量、種類を記載する必要有) (List of Importable and exportable with necessary HS Code, quantity and description)
[ラグナ湖開発公社(LLDA)の認可]… ❼
マニラ南東に広がるラグナ湖周辺の地域で工場を設立する場合には、前述のECC(もしくはCNC)の他にラグナ湖開発公社(LLDA: Laguna Lake Development Authority、以下LLDA)から認可(Clearance)(通称LLDAクリランス)を取得する必要があります。このLLDAクリアランスの取得が必要かどうかは、工場を設立する工業団地もしくはPEZAの担当部署に確認をする必要があります。
LLDAクリランス取得のプロセス
PEZAにおける手続
・ LLDA申請書類(ドラフト)の作成
・ PEZAへの書類提出
・ PEZAによる書類㆑ビュー①
・ PEZAによる工場視察(実施の有無はPEZAの担当官の判断によ る)
・ 書類の修正、代表者のサイン取得
・ PEZAによる書類㆑ビュー②
・ PEZAへの書類提出、Filing feeの支払い
・ PEZAにおけるLLDAへの承認書発行
LLDAにおける手続
・ LLDAへの申請書、PEZA承認書、ECCもしくはCNCの提出
・ 手数料額の決定、手数料の支払
・ 書類の㆑ビュー(必要に応じて修正)
・ LLDAクリアランスの発行
LLDAクリランス申請に必要な書類
・ 公証済の申請書(Duly accomplished and notarized Application Form)
・ 事業説明書(Duly accomplished Project Description)
・ ECCないしCNCのコピー(Copy of ECC or CNC, whichever is applicable)
・ 定款、附属定款(SEC-approved Articles of Incorporation)
・ 環境への影響計画書(Duly filled out Environmental Impact Plan)
・ 廃棄計画書(Abandonment Process)
・ 敷地開発計画図面(A3サイズ)(Original Site development plan in A3 size)
・ 工場平面図(A3サイズ)(Original Floor Plan in A3 size)
・ 大気汚染防止計画図面(A3サイズ)(Original Air Pollution Control A3 size)
[オペレーション開始の承認書の取得] … ❽
IT企業のPEZA登録の❺(P.124)を参照ください。
■ 物流業
[PEZA取締役会決議書の取得] … ❶
IT企業のPEZA登録の❶(P.121)を参照ください。
[PEZA登録書の取得] … ❷
IT企業のPEZA登録の❷(P.122)を参照ください。
[付加価値税0%証書の取得] … ❸
IT企業のPEZA登録の❸(P.123)を参照ください。
[環境適合証明書取得の対象外であることの証明書の取得] … ❹
製造業の製造に必要な原材料の輸入等を扱うPEZA物流業の場合、 基本的にはCNCの取得で足ります。しかし、特殊な薬品など取り扱う原材料の種類や量によっては、PEZAの判断によってECCの取得が必要になることもあります。なお、ECCやCNCの取得プロセスはPEZA登録の製造業の場合と同様です。
[輸出入ライセンスの取得] … ❺
PEZA製造業が必要とする原材料や機械の輸入、輸出をするためには輸出入ライセンスを取得する必要があります。輸出入ライセンスの取得について、PEZA企業はBIRからICCの取得を免除されており、 Non-PEZA企業より取得プロセスの点で優遇されていると言えます。 輸出入ライセンスの取得手続はPEZA登録の製造業とほぼ同じですが、PEZAにおける手続中に「全主要顧客のためのBIRにおける税務調査の通知書(LOA:Letter of Authority)」取得が必要になる点が異なっています。
[オペレーション開始の承認書の取得] … ❻
IT企業のPEZA登録の❺(P.124)を参照ください。
会社設立後のライセンス等取得手続
会社設立後に取得が可能なライセンスとして、輸出入に必要な輸出入ライセンス、建築業を行うのに必要なPCABライセンス、人材紹介業を行う際に必要なライセンス、語学学校等の教育事業を行う際に必要なTESDA認可等があります。本節ではPEZA登録をしていない通常の会社が輸出入ライセンスを取得する場合の手続をみていきます。
[SECにおけるCertificate of Good Standing取得手続] … ❶
SECに以下の書類を提出し、Certificate of Good Standingを取得します。なお、SECにおけるコンプライアンス(GISの年次更新や監査済財務諸表の提出)漏れがある場合には、先にそれらの対応が必要になります。
・ 最新の監査済財務諸表のコピー(Copy of Latest audited financial statements)
・ 最新の年次報告書のコピー(Copy of Latest general information sheet)
・ 株式書替え台帳のコピー(Copy of Stamped Stock and Transfer Book)
・ SEC登録書のコピー(Copy of SEC Registration)
[銀行におけるEFPS登録手続] … ❷
BIRに輸出入ライセンスの申請に必要なICC申請を行うためには、 EFPS(Electronic Filing and Payment System)登録が必要になります。以下の書類を作成し、EFPS登録可能な銀行及びBIRでEFPS登録手続を行います。
・ 登録申請書(Letter of Intent to Enroll)
・ 認証を受けた輸入者の署名と公証済の登録申請書(Signed and notarized Application Form for Accreditation of Importer)
・ BIR登録書のコピー(Copy of BIR Certificate of Registration)
・ BIR form 0605のコピー(Copy of BIR form 0605)
・ SEC登録書のコピー(Copy of SEC Registration)
・ BIRにおけるコンプライアンス違反のないことの確認書(Printed Case Monitoring System)
また、EFPS登録手続完了後は、最低2カ月以上EFPSを使用してBIRへの税務コンプライアンスを遵守する必要があります。この期間を経ないとBIRへのICC申請を行うことができません。
[BIRにおけるICC取得手続] … ❸
はじめにBIRのシステムにおいて過去の税務申告漏れが記録されている場合には、それらへの対応をしなくてはなりません。税務申告を適切に行っているにも関わらず、BIRのシステム上の反映がタイムリーにされていない場合もあるので注意が必要です。この税務コンプライアンスは管轄BIRでOpen Casesを取得することで確認できます。実務上、この過去分のコンプライアンス処理に時間がかかるケースが散見されます。この手続を輸出入ライセンス取得手続のボトルネックにしないために、早いタイミングで税務申告が適切に処理されているか確認することが望ましいです。
次にBIR指定のAnnex A~Cの取得手続をそれぞれ行います。
その後、以下の書類をBIRのNational Officeに提出してICC(Importer Clearance Certificate)の申請手続を行います。
・ 年次報告書の公式の写し(Certified True Copy of latest GIS)
・ 最新の監査済財務諸表(Latest FS stamped received by SEC and BIR)
・ 最新の法人税申告書(Latest income tax return( ITR) submitted to BIR)
・ 賃貸契約書のコピー(Copy of lease contract)
・ 占有許可証(Occupancy permit)
・ 事務所近郊の地図(Vicinity map)
・ 最新の電気水道料金の請求書(Copy of latest electric and water bills)
・ 事業を行う主要な場所の写真(Photographs of the principal place of business with signage)
・ 公証済の宣誓供述書(Notarized affidavit of undertaking to preserved records for 10 years and to allow access of information by the BIR, BOC and the Department of Finance)
・ 会社のプロフィール(Original copy of profile of the corporation)
・ 取締役及び会社役員のプロフィール(Original copy of profile of each of Directors and corporate officers)
・ 税関における取引を取り扱う従業員や代理人のプロフィール (Original profile of the employees, representatives or agents dealing with customs)
・ 申請書に署名を行う代理人の任命書(Original copy of the designation of representative to sign application)
・ 営業許可証の公正の写し(Certified True Copy of the Mayor’s permit)
・ 責任役員の有効なID(2つ)(2 valid IDs of Responsible Officer)
・ SECが発行する会社の良好な状態証明書(Certificate of good standing from SEC)
・ BIRにおけるコンプライアンス違反のないことの確認書(Closed Case Monitoring System)
・ BIRに発行されたeFPS登録完了確認のeメール(eFPS enrolment activation e-mail from BIR)
・ BIR指定の添付書類A~C(BIR指定のAnnex A~C)
[認可を受けている付加価値通信事業者の顧客プロフィール登録システム(CPRS)上での登録手続] … ❹
輸出入を行う場合、輸出入業者の情報データベースであるCPRS (Client Profile Registration System)への登録が必須となります。 フィリピンでは現在通関手続の電子化プロジェクト(e2m: Electronic to mobile custom)が進行しており、その一環として業者情報をCPRSでオンライン管理し、積荷管理、略式輸入、保税手続、通関許可、その他許認可などのシステムに利用しています。 また税関局から発布されたガイドラインCMO4-2014(Custom Memorandum Order 第4-2014号)では、輸入業者や貿易仲介業者の認可を受けるためにCPRS登録を義務付けています。
具体的には、関税局が指定した業者(VASPs:Value Added Services Provider)であるIntercommerce社、eKonek社のWebサイトにアクセスし、CPRSのオンライン登録処理を行い、その後登録情報を印刷したものを関税局会計管理室(AMO:Accout Management Office)に提出し、最終的なCPRSの承認を受けることになります。
[税関における輸出入ライセンス取得手続] … ❺
以下の書類を税関(Bureau of Customs)に提出してFiling feeを 支払い、輸出入ライセンスの発行を待ちます。
・ 税関への登録申請書(Application Form for BOC)
・ ICCのコピー(Copy BIR ICC Certificate)
・ 事業宣誓供述書(Affidavit of Undertaking)
・ 会社秘書役の証明書(Secretary Certificate)
・ 責任役員の署名見本(Original Specimen signatures of the responsible officers)
・ 責任役員のNBIクリアランス(Original NBI Clearance of the responsible officer)
・ 責任役員の有効なID(2つ)(2 valid IDs of the responsible officer)
・ 最新の年次報告書のコピー(Copy General Information Sheet)
・ 会社と役員の個人情報書類(Personal Profile of the Company and officers)
・ 会社の写真(事務所と倉庫)(Company pictures( office and warehouse))
・ 顧客プロフィール登録システムに登録された情報のコピー(Copy of the Stored CPRS Profile)
・ VASP供給者の確認済eメールのコピー(Copy of the email confirmation of VASP Provider)
・ 輸入品目のリスト(List of Products to be imported)
・ BIR登録書のコピー(Copy of BIR Certificate of Registration)
支店の設置手続(日本側での申請準備)
■ 必要書類の準備 … ❶
日本側では、定款・登記簿謄本、一年以内の財務諸表(Independent auditorʼs reportの表紙に日本の公認会計士のサインが必須)といった英訳が必要な書類があるため、時間に余裕をもって用意をします。
SEC登録に必要な書類に監査済財務諸表がありますが、日本において未上場の企業は、監査の必要がないため、監査済財務諸表の用意ができません。この場合は、日本の公認会計士の署名が入っている文書で代用することができます。
■ 取締役会での支店設立の決定及び居住代理人の指名 … ❷
取締役会にて支店設立を決定し、支店に送付される召喚状もしくはその他の法的手続を、支店の代表者として行う居住代理人(Resident Agent)を指名し、取締役会決議書を作成する必要があります。
居住代理人不在の場合は、本店がその責を負うことなどを承認する内容を議事録に盛り込まなければいけません。居住代理人には、フィリピン在住の個人、またはフィリピンで合法に事業取引を行う法人を指名します。居住代理人は外国人でもなることができますが、フィリピン居住者であることが求められるため、厳密に言えば1年以上有効にフィリピンに滞在できるビザが必要になります。
居住代理人に指名された者は、指名を受諾する旨を文書にてSECに提出する必要があります。また、本店の取締役会決議書は、本国で公証を受け、フィリピン大使館・領事館の認証を受ける必要があります。
■ 必要書類の公証・認証手続 … ❸
必要書類が揃ったら、本国で公証を受け、フィリピン大使館・領事館の認証を受ける必要があります。
支店の設置手続(現地側での申請準備)
■ 証券取引委員会(SEC)へ社名の使用許可申請 … ❶
既にSECに登録されているものと同一、もしくは類似の社名は使用できないため、SECに社名の使用許可申請を行う必要があります。申請した社名が承認された場合、SECから社名確認書が発行されます。また現地法人設立の場合と同様、SECのサイト上で会社名予約を行った際に、似た名前があるという表示が出て予約ができない場合においては、SECにアピール㆑ターを書いて交渉することで、希望の会社名が使えることがあります。アピール㆑ターに対するSECによる回答は1週間程度で得られます。
■ TITF口座(運転資金送金用の銀行口座)の開設 … ❷
運転資金を親会社から送金するため、居住代理人名義のTITF口座 を銀行に開設する必要があります。 通常このTITF口座の開設には、親会社の定款、登記簿謄本、取締役会決議書、委任状、1年以内の監査済財務諸表とその英語訳、および日本においてそれらの公証、認証が求められます。
※ 必要書類は口座開設を行う銀行によって異なるため、各銀行への確認が必要となります。
■ 運転資金の送金 … ❸
上記TITF口座開設後、日本の親会社より運転資金の送金が可能になります。輸出型企業以外の一般的な外国法人の支店の場合には、最低の運転資金送金額が20万USドルです。支店においては運転資金送金の際、フィリピンの銀行に20万USドル以上の入金確認が求められます。そのため手数料を事前に銀行に確認してその分余裕をみて送金する、または予め手数料分を見込んで300USドル程度多めに送金する手法がとられます。
■ 送金証明書の取得 … ❹
送金された運転資金について銀行の送金証明書を取得します。銀行によって発行手続のスピードは異なりますが、通常1週間以内で取得できます。
■ 証券取引委員会(SEC)への登録、本口座への変更への手続 … ❺
送金証明書を取得した後、SECに支店設立の登録を行います。フィリピンで支店を設立する際には、居住代理人を指名し、手続を行う必要があります。この際の居住代理人が外国人の場合、その者が保有している1年以上有効に滞在できるビザが申請時点において有効であることが必要です。代理人が指名状を受取った後に、支店の設立代行手続が可能になります。
また親会社の財務諸表の負債資本比率が3:1を超える場合は通常100万ペソ分、一時的に「保証証券(Surety Bond )」を、Surety Bond 発行会社より発行してもらう必要があります。これは会社としての支払い能力を確認するものであり、 SECへの登録の際に提出を求められます(SECのCitizen Charterにて規定)。
SEC登録後に銀行のTITF口座を本口座に変更する事が可能です。
※閉鎖する際に返還の申請を行うことが出来ます。
■ 地方自治体での手続 … ❻
[バランガイ・クリアランス]
支店の所在地を管轄するバランガイから許可証を取得します。申請する際にはSEC登録証書が求められます。
[事業許可証]
支店の所在地を管轄する市の市役所から事業許可証を取得します。事業許可証の取得には通常、以下の書類が必要となります。なお事業許可証は毎年1月に更新する必要があります。
・ バランガイ・クリアランス
・ 賃貸契約書のコピー
・ 所定の申請書
・ 申請手数料、地方事業税
[住民税納付証明書]
支店の所在地を管轄する地方自治体にて納付、証明書を取得します。住民税納付証明書は毎年1月に更新する必要があります。
■ 内国歳入庁(BIR)での手続 … ❼
[COR(Certificate of Registration)の取得]
支店の所在地を管轄する税務署(Revenue District Office)から、 納税者識別番号を取得します。申請時にはSEC登録証書の提示が求められます。
[領収書等の印刷]
管轄税務署にて領収書等の印刷許可を取得し、指定の印刷所で印刷を行います。
■ その他の設立後の手続 … ❽
[社会保険関連の申請]
従業員の雇用が発生した時点で、社会保障制度(SSS)、健康保険公社(PhiHealth)、持家促進相互基金(HDMF)への登録を行い、毎月拠出金を納付する必要があります。
[SECへの有価証券の預託]
預託金証書・短期国債(Security Deposit/Security Bond/Treasury Bills)購入のための支払いが必要になります。これは支払い能力を確認する目的にあります。SEC登録完了後60日以内に、購入したSecurity Bondを提出しなければなりません。設立時は50万ペソの預託金の支払いが必要となります。一年おき(決算月から半年後)に証書を更新が必要する必要があり、更新の際にはSECより支店の売り上げ規模(主に500万ペソベース)を基準に、時価評価によって変動する可能性があります。
[年次報告書の提出]
SEC登録日(the anniversary date)から毎年30日以内に、年次報告書(General Information Sheet)をSECに提出する必要があります。
[監査済財務諸表の提出]
期末後3カ月と15日以内に、監査済財務諸表とともにBIRへ法人所得税を納付しなければなりません。監査済財務諸表をSEC登録番号の末尾の数字によって定められた日までにSECに提出する必要があります(詳しくはSEC登録書の裏面をご参照ください)。
[その他の年次登録]
・ 毎年1月20日までに地方自治体に地方税証明書(Community Tax Certificate)、バランガイ・クリアランス、営業許可証の更新
・ 毎年1月31日までにBIRにRegistration Fee(BIR from 0605) の支払い
また、将来の利益送金や撤退時等にフィリピンペソから外貨への両替が必要な場合には、運転資金の送金から1年以内に中央銀行への登録をします。中央銀行の規則によると、居住法人の場合には中央銀行への登録がない場合であっても100万USドルまでの外貨購入が可能との記載があります。しかし、この外貨購入の上限金額は銀行の規則によって制限されているのが現状なので、中央銀行への登録をしておくことが望ましいです。
駐在員事務所の設置手続
駐在員事務所は現地法人や支店と異なり、活動内容を極めて限定されています。主な活動内容は下記の通りです。
・ 本店との連絡業務
・ 市場調査の実施
・ 現地の情報収集
・ 製品の品質管理業務
駐在員事務所が主体となった売買契約の締結、顧客への販売活動は認められておらず、フィリピンにおいて売上をあげることはできません。
しかし、駐在員事務所は採用した従業員との雇用契約、事務所や住居の賃借契約、㆑ンタカー会社との契約等、その活動に必要な契約の締結は認められており、経費を計上することはできます。
これら発生する経費の支払については、事務所の運転資金から支払うことになります。駐在員事務所の設立申請に際しては、最低3万USドルを運転資金として、フィリピン国外から送金する必要があります。
駐在員事務所設立の申請先はSECです。申請に必要な書類は下記となります。
上記の申請書類に加えて、登録手数料をSECに支払います。登録手数料は最低額が3万USドルである事務所設立準備金の初期送金額における0.1%、または1,000ペソのいずれか大きい方となります。 更には、登録手数料の1%に相当する金額を調査手数料として、納付する必要があります。
駐在員事務所についても、現地法人や支店のように設立後の手続が求められます。
・ 監査済財務諸表をSEC登録番号の末尾の数字によって定められた日までにSECに提出(詳細の日付については、SEC登録書の裏面を参照)
・ 期末後105日以内に、監査済財務諸表とともにBIRへ法人所得税を納付
・ SEC登録日から毎年30日以内に、年次報告書(General Information Sheet)をSECに提出
・ 毎年1月20日までに地方自治体に地方税証明書(Community Tax Certificate)、バランガイ・クリアランス、営業許可証を更新
・ 毎年1月31日までにBIRにRegistration Fee(BIR from 0605) の支払い
撤退時にペソから外貨への多額の両替が必要な場合には、運転資金の送金から1年以内に中央銀行への登録が必要になります。中央銀行の規則によると、居住法人の場合には中央銀行への登録がない場合でも100万USドルまでの外貨の購入が可能ということになっています。しかしこの外貨購入の上限金額は銀行の規則によって制限されているのが現状なので、中央銀行への登録をしておくことが望ましいです。
参考文献
・ Corporation Code of the Philippines